
約9か月にわたり行方不明だったペットの亀が、家から約1.6km離れた場所で発見され、飼い主は驚きと喜びでいっぱいになった。
このリクガメはイギリス・カンブリア州に住むレイチェル・エッチズさんが13年間飼っていた「レオナルド」だ。
エッチズさんはあらゆる手を尽くしレオナルドを探し回った。SNSを通じてレオナルドの行方を探していたところ、春になってついに目撃者が現れた。
自宅の庭の家の中でぬくぬくと育てられていたレオナルドだが、野外で寒い冬を経験し「冬眠」という野生の本能を発揮したようなのだ。
13年間、ぬくぬくと暮らしていた亀が脱走
カンブリア州アルバーストンに住むレイチェル・エッチズさんは13年間にわたり、gギリシャリクガメの「レオナルド」を飼っている。
ところが2024年7月、レオナルドを庭に出して日光浴をさせていた際、第二子の世話で気を取られている間に、レオナルドが視界から消えてしまったという。
エッチズさんは、「完全に私のせい」と語っており、家族で懸命に探したが、秋が過ぎ冬になっても見つからず、「最悪の事態」を覚悟していたという。
それでもエッジスさんは、SNSを通じて「迷子亀」のお知らせを投稿し、多くの人に情報を拡散してもらい、レオナルドが帰ってくるのを待ち続けた。
春になり奇跡的にレオナルドを発見!
行方不明になってから9か月後となる2025年4月、ついに奇跡が起きる。
地元のペットショップ「リトル・ビースティーズ(Little Beasties)のFacebookに、「今朝、リクガメが保護されました」という投稿があったのだ。
近所を犬の散歩中だった男性が道端を歩くリクガメを見つけて店に連れて行ったという。エッチズさんはすぐにそれがレオナルドだと気づいた。
「これはうちの子です!」とコメント欄に即座に書き込み、9か月ぶりにレオナルドは飼い主の元へと帰還した。
発見場所は自宅から約1.6km離れたところで、レオナルドはほぼ無傷だったが、片目に少し炎症が見られた程度で、大きなダメージはなかったという。
レオナルドは冬眠で冬を乗り切っていた
エッチズさんによると、レオナルドはこれまで13年間、自宅のヒートランプの下で快適に暮らしていたという。そのため、「初めて外で過ごす冬を越えられるとは思わなかった」と話している。
エッチズさんは、「レオナルドは冬の間、冬眠していたのだと思う。暖かくなって目を覚ましたのではないか」と語っている。
ギリシャリクガメは、本来、気温が下がると代謝が落ち、冬眠に入る習性がある。
ただし、ペットとして飼育される場合はヒーターなどで室温が保たれるため、冬眠する機会はほとんどない。
これがレオナルドにとって「初めての冬眠」だった可能性が高い。
冬眠は命を守る手段でもあるが、適切な環境(温度や湿度)が整っていないと危険も伴う。実際、冬眠中に衰弱したり、目を覚まさないまま死んでしまう個体も少なくない。
その意味でも、今回のレオナルドの生還は、まさに“奇跡”と言えるだろう。
実はレオナルド、脱走したのはこれが初めてではない。数年前にも庭から脱走したことがあったが、そのときは数日で見つかったという。
「リクガメって本当に冒険好きで、どんな囲いでも抜け出そうとするんです」とエッチズさんは苦笑い。
リクガメはのんびりしているように見えるが、実は行動力と探究心にあふれている生き物なのだ。
レオナルドに眠っていた野生の本能である「冬眠」という技が発動して本当によかった。アドベンチャーが好きなレオナルドにはGPSタグを付けとくといいかもしれないね。