
ブラジルに住むアリソン・ヴィアナさんの飼い犬、オットーは番犬のような存在で、自宅前の庭に設置されているフェンス越しから常に外を見張っている。
通行人や通行犬にはフェンス越しから大きな声で吠えるのだが、1人だけ例外がいることが、監視カメラ映像から明らかとなった。
近所に住む少女が近づくと、一切吠えない。それどころか自らフェンスに近づいていき、やさしく体を撫でられるのを待っているのだ。
警戒心の強い犬、自ら番犬の役目を果たす
オットーは、日頃からフェンス越しに通行人や通りがかりの犬に向かって吠えたり、追いかけようとするそぶりを見せるのが習慣になっている。
飼い主のアリソン・ヴィアナさんによれば、オットーはとても警戒心が強く、音や動きに敏感に反応する性格だという。
「彼は誰にでも吠えます。攻撃的ではありませんが、人や動物が家の前に近づくとすぐに反応してしまうんです。普段は落ち着いていて、じっと周囲を観察しています」とヴィアナさんは話す。
唯一オットーが心を許す人物がいることを監視カメラで発見
そんなオットーに、たった1人だけ特別な存在がいた。
ヴィアナさんが監視カメラの映像を確認していた際、驚くような場面が映っていたという。
近所に住む少女がオットーに近づくと、オットーはまったく吠えず、むしろ嬉しそうにフェンスに近づいていった。そして、少女がオットーの頭を撫でると、尻尾を振りながら、気持ちよさそうに静かに受け入れていたのだ。
「僕がそばにいないときは、オットーは誰にも触らせないんです。彼女だけが特別なんです」とヴィアナさんは語る。
犬が唯一心を許した少女、穏やかな交流が始まる
ヴィアナさんは少女と直接話したことはないが、両親とは顔見知りで、これまでに何度か会話を交わしているという。
両親の話によれば、少女はもともと犬が大好きで、オットーと仲良くなりたいと願っていた。
ところがそんな少女の気持ちを察したのか、ある日のこと、少女が姿を現すと、吠えることなく、しっぽを振りながら自分からフェンスのそばへ歩み寄っていったのだという。
こうして、2人の静かで穏やかな交流が始まった。
「少女は最初は怖がっていたようですが、彼女はオットーが自分を受け入れてくれていると感じたんだと思います。それで、あのような関係が築かれたのでしょう」とヴィアナさんは語る。
オットーの意外な一面を改めて実感
家族にはとても愛情深い性格のオットーだが、この少女の本質を本能的に見抜き、自分を受け入れ、心を許してもよい相手だと感じ取ったのかもしれない。
オットーにとってこの少女は、家族と同じように、愛情を注ぐにふさわしい存在だったのだ。
「本当に素敵なことです。近所に、動物の気持ちを理解し、優しく接してくれる子がいると知って、安心しました」とヴィアナさんは語る。