
アメリカ・アリゾナ州で、ある女性と彼女の自宅の庭に現れた動物との出会いが、思いがけない感動の物語へと発展した。
毎晩裏庭にやってくるその動物は、痩せ細った外見から最初はコヨーテではないかと思ったほどだった。
何日か経つうちに、「どうやら捨て犬らしい」ことが判明。しかし、女性の家には既に猫やトカゲがいて、「犬は飼えない」と思っていたのだが……。
コヨーテが毎晩裏庭にやってくる?
2022年4月のこと。アリゾナ州ピマ郡に住むメリディス・ワーフェルさんは、自宅の裏庭に見慣れない動物がいることに気づいた。
その動物は犬のように見えたが、その大きさや毛色、さらには場所柄もあって、コヨーテである可能性を捨てきれなかった。
そこでメリディスさんは撮影した画像をSNSに投稿し、情報を求めることに。
この動物は、ここ数日の間、毎版我が家の裏庭で寝ていたのですが、やっと写真が撮れました。
この子は私たちが近づくことを許してくれないんです。どうかこの投稿をシェアしてください。正体がわかるかもしれません。
心を開き始めたその動物は犬だった
だが一週間が過ぎても反応はなかった。フォロワーたちの多くも、この動物はコヨーテあるいはコヨーテと犬のミックスではないかと思ったようだ。
その頃にはメリディスさんたちの存在に慣れてきたのか、動物はとても人懐っこい様子を見せるようになった。
そしてメリディスさん宅のパティオにあるソファで寝るようになっていた。
私たちはすぐに、コヨーテがソファで寝ることはないと気づきました。この子は犬だったんです
メリディスさんは、心を開いてくれるようになったメスの犬を、地元のピマ郡アニマルケアセンター(PACC)に連れて行った。
その結果、犬にはマイクロチップが埋め込まれていないことが確認された。
最初は「引き取るつもりはなかった」ものの
4匹の猫とフトアゴヒゲトカゲを飼っているメリディスさんは、最初はこの犬を自分が引き取るつもりはなかったという。
だがどうしても気がかりだったため、それから毎日、子どもたちと一緒にPACCに犬の様子を見に通った。
彼女はひどく傷ついた状態で、私たちの家に来ました。砂漠にいたせいで、身体中にサボテンの棘がたくさん刺さっていたんです。
おまけにひどい栄養失調で、痩せ細っていました。おそらく誰かが、近くのハイキングコースに置き去りにしたのではないでしょうか
PACCではこの犬の飼い主を待ち続けたが、該当する迷い犬の届け出や問い合わせなどもなく、望みは薄かった。一方で通い続けるメリディスさんの気持ちに大きな変化が訪れた。
この子は捨てられた後、うちの庭を安全に夜を過ごせる場所として選んでくれたんです。少し神経質でしたが、とても優しい子だということがわかりました
自分や子供たちの姿を見ると、犬は施設のケージ越し尻尾を振って甘えてくる。
3日が過ぎる頃には、メリディスさんも子供たちも、この犬と別れることが考えられなくなっていた。
幸せな第二の犬生がスタート
そしてメリディスさんは、最終的に犬を引き取ることを決意した。
犬が初めて彼女の家を訪れたのが、月明りの明るい夜だったこと、夜を庭で過ごした後、朝にはいなくなってしまっていたことから、名前は月を意味する「ルナ」と付けた。
ルナはすぐに新しい環境に慣れ、子供たちや4匹の飼い猫たち、さらにはフトアゴヒゲトカゲとも仲良くなった。
彼女は自分を子供の一員だと思っているようです。まあ、実際その通りなんですけど。
うちに来てからのルナは、フリスビーで遊んだり、プールで泳いだり。特にプールの浮き輪の上で日光浴するのが大好きなんですよ
メリディスさんは、ルナが初めて自分の庭を訪れた夜を振り返り、ルナがこの家を選んでくれたことに感謝の気持ちを抱いているという。
犬にもあった?犬による犬のための暗躍組織
猫にはNNN(ねこねこネットワーク)、海外ではCDS(ねこ流通システム)と呼ばれる秘密組織があって、適切な人間を下僕…いや飼い主にスカウトし、猫を送り込んできてメロメロにしてしまうという。
もしかしたらまだ我々が認識していないだけで、犬にも同様の組織があるのかもしれない。DDS(犬流通システム)とでも呼ぶべきものが。
なお、ルナの犬種についてはDNA検査を行ったものの、メリディスさんはその結果を公表していない。
現在ルナは、メリディスさんの家族、そして飼い猫たちとトカゲと一緒に、幸せいっぱいの毎日を過ごしているそうだ。
ルナが自分のもとにやって来たのは「運命だったんですよ」と語るメリディスさん。このままずっと幸せな第二の犬生を満喫してね。