
アメリカ・コロラド州の住宅に野生のボブキャット(オオヤマネコ)が侵入し、リビングに居座るという珍事が発生した。
住民はすぐに地元の保安事務所に通報し、保安官代理たちが駆け付けた。
そのうちの1人は「猫はみんなこれが好きだから、ボブキャットも一緒さ」と武器の照準用の光(レーザー)で猫をおびき出す作戦に出た。
だが棚の上にどっしりとすわったボブキャットは「そんなものに釣られるとおもうか?」とばかりに冷ややかな目線を送り、この作戦はみごと失敗に終わる。
飼い猫のためにドアを開けていたらボブキャットが侵入
コロラド州ジェファーソン郡ケン・カリルに住む、エイミー・オーフレット・シェリーさんはその晩、帰ってこない愛猫「ミートボール」を家に入れるため、外に通じるドアを少し開けたままにして就寝した。
午前4時ごろ、家の中で響くドッタンバッタンという音に目を覚ましたシェリーさんがリビングに向かうと、棚の上に見知らぬネコが悠然と座っていた。
鋭い目つきと野生味のあるたたずまい。なんとそれは野生のボブキャット(オオヤマネコ)だったのだ!
駆け付けた保安官のレーザー誘導作戦は失敗に終わる
シェリーさんはすぐに地元のジェファーソン郡保安官事務所に通報。約1時間後、2人の保安官代理が現場に到着した。
リビングの棚にどっしりと居座るボブキャットに対し、彼らが取った行動は少し意外なものだった。
1人の保安官代理は「はーい、猫ちゃん、こっちこっち」とテーザー銃に搭載され緑色の照準レーザーライトを使って、床や壁に緑の光の点を照らし始めた。
「猫ってのは光の点が好きなんだ」と保安官代理。これでボブキャットを家の外に誘導する作戦だ。
シェリーさんは「あの猫は普通の猫じゃないのよ?」というも、「ネコ科はみんな一緒だよ」と「猫ちゃん猫ちゃん、こっちだよ~」と光を動かしながら、ボブキャットの注意を引こうと誘導を続ける。
確かにネコ科全般、ダンボール箱は好きだし、紐も好きだったりするので、レーザーポインターでも遊ぶことがあるかもしれないが、このボブキャットは違っていたようだ。
「私がそんなものに簡単に釣られるとでも思っているのか?」とでも言いたげな目で一瞥をくれただけで、棚の上に座ったまま微動だにしなかった。
4時間後、ようやくボブキャットは家を去る
レーザー作戦を完全にスルーされた保安官代理たちは、コロラド州公園・野生動物局に連絡し、どうしたらよいのか相談した。
すると、返ってきたのは驚くほどシンプルなアドバイスだった。
「裏口を開けて静かにしていれば、そのうち出て行くはずです」
その助言通り、裏口を開けた状態で何もせずに待っていると、約4時間後、ボブキャットはひとりでスッと外へと姿を消した。
この様子は保安官事務所のSNSにも投稿され、次のようなコメントが添えられていた。
「猫や犬ならLEDの光を追いかけるが、このボブキャットは違った。どうやらハイテクな小細工が通じない侵入者もいるようだ」
なお、飼い猫ミートボールはこの騒動に巻き込まれることなく無事だったそうだ。