
アメリカ・テネシー州で、ペットとして引き取ったばかりのシマウマが、わずか1日後に逃げ出すという騒動が発生した。
逃走したのは2025年5月31日の夜、新たな飼い主のもとにやってきた個体で、翌日には住宅街を走り回る姿が目撃され、その後、高速道路インターステート24号線にも現れて交通を混乱させた。
当局は安全確保のため一時的に道路を閉鎖したが、シマウマは森へ逃げ込み、現在もまだ発見されていない。
防犯カメラ映像や目撃証言から、シマウマは広範囲に移動していると見られ、地域では注意が呼びかけられている。
新たな飼い主の家に到着後、わずか1日で脱走したシマウマ
テネシー州中部、ラザフォード郡保安官事務所によると、問題のシマウマは2025年5月31日の夜、新しい飼い主に引き取られたばかりだった。
しかし翌日には囲いから逃げ出し、地元の住宅街を走り回る姿が確認された。
住民宅の防犯カメラには、道路を軽やかに走るシマウマの姿が映っており、その映像は米ABC7ニュースでも報道された。
映像では、白黒の縞模様が印象的なシマウマが、舗装された住宅地の道路を右折しながら走り去る様子がはっきりと記録されていた。
高速道路に侵入、当局が一時封鎖の対応
その後、シマウマは高速道路(I-24)へと移動し、ジョー・B・ジャクソン・パークウェイ付近の車線を左右に行き来する様子が目撃された。
現場にいたライアン・キーチ保安官補佐が最初に確認し、保安官事務所は安全確保のため高速道路を一時封鎖した。
西行き・東行き双方の車線で一時的に交通が止められたが、シマウマが周囲の森林に逃げ込んだことが確認されたため、道路はまもなく再開された。
森の中へ逃走、いまだに見つからず
6月1日午後、保安官事務所はFacebookにて「シマウマはジョー・B・ジャクソン・パークウェイとエップス・ミル・ロードの出口付近に広がる森林に逃げ込んだ」と投稿。
ザック・キャンベル保安官補佐が飼い主に接触し、状況を確認したところ、飼い主は現地に駆けつけてシマウマを追いかけたが、見失ったという。
6月4日時点でシマウマは依然として見つかっておらず、ラザフォード郡保安官事務所は目撃情報を求めており、目撃者には直ちに事務所へ通報するよう呼びかけている。
テネシー州ではシマウマの飼育は合法
今回の件で、「そもそもシマウマを個人で飼えるのか?」という疑問を持った人もいるだろう。
テネシー州では、シマウマのような外来野生動物は「クラスIII動物(Class III Wildlife)」に分類され、特別な許可なしに個人で飼育することが法律上認められている。
これは同州に限らず、アメリカ各州で広く採用されている制度で、動物の危険性や管理の難易度に応じて「クラスI」「クラスII」「クラスIII」などに分類されている。
たとえば、ライオンやヒグマなどのクラスI動物は高度な許可が必要とされる一方で、シマウマのような動物はクラスIIIに分類され、「比較的安全」として規制の対象外とされている。
しかし、この「安全」という区分はあくまで法律上の建前にすぎない。
米国議会図書館はシマウマについて、「予測不可能な性質と攻撃性があり、家畜化には向かない」と明確に指摘している。
法的にはシマウマは飼えるけれど、現実には飼育が難しく、今回のような逃走劇が起きてしまうこともあるようだ。
実際に2024年にはワシントン州で4頭のシマウマが輸送中のトラックから逃走する事件が起きている。
3頭はその日のうちに保護されたが、残る1頭「シュグ(Shug)」は6日間にわたって行方不明となり、ようやく捕獲された。
これらの事例は、制度的に合法であっても、野生動物の扱いには慎重さと高度な管理体制が求められることを示している。
馬とは柄が違うだけではなく、シマウマは扱いが難しい動物なのだ。
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本記事は、海外の記事を基に、日本の読者向けに重要なポイントを抽出し、独自の視点で編集したものです。