
最愛の家族に置き去りにされ、空っぽの家の玄関でひたすら帰りを待ち続けていた1匹の犬がいた。名前はレインという。
家族の引っ越しからすでに1カ月が経っていたが、彼女は再会を信じて玄関ポーチを離れなかった。
そのことをSNSで知った動物保護活動家テイラー・ブロックさんはすぐに現地へ向かった。
そこで目にしたのは、痩せ細り傷だらけの体で、なおも玄関のドアに飛びつき続ける健気な犬の姿だった。
捨てられてもなお、家族を待ち続けたレインの物語が、人々の心を動かしている。
1カ月前に家族に置き去りにされた犬
動物保護団体Happy Tails Animal Rescue[https://www.facebook.com/people/Happy-Tails-Animal-Rescue/61560288224871/?sk=photos]を運営するテイラー・ブロックさんによると、レインを知ったきっかけはFacebook に投稿された1匹の犬の写真だった。
その写真には、家族が急に引っ越した一軒家の玄関に座り込んでいる犬が映し出されていた。場所はブロックさんの地元インディアナ州内だった。
家族に置き去りにされた犬に心を痛め、いてもたってもいられなくなったブロックさんは現地へ向かうと、まずは情報を得るため、周辺住民から話を聞いた。
住民によると、ここ数日間、犬はずっと玄関に座っていたという。さらに話を聞くと、家族が引っ越したのは1カ月ほど前だったことを知り大きなショックを受けた。
いざ家に向かうと、玄関の前にいたレインが、初対面だったブロックさんをとてもやさしく迎えてくれた。彼女はとても人なつこい犬だったのだ。
家に着くと、彼女はすぐに私に近づいてきました。
一緒に玄関ポーチに座ると、彼女は私の膝の上に座ろうとしました (ブロックさん)
中に家族がいると信じ、入れて欲しかったレイン
レインはおだやかでやさしかったが、体は薄汚れていて皮膚はボロボロだった。
また、食べ物や撫でてもらうことにも興味がない様子で、なにより家に入ることに必死だった。
レインはまだ家の中に家族がいると信じていたのだ。だから中に入れてもらいたかったのだ。
なぜか今は入れないけど、家に入りさえすればきっとまた家族に温かく迎えてもらえると思っていたのかもしれない。
この1カ月の間、彼女は家族に会いたい一心でどこにもいかず、こうしたことを繰り返していたのだろう。
とても甘えんぼうで人なつこかった。でも彼女の皮膚はただれてて、とても汚れてました。そして絶対に玄関ポーチから離れなかった
何度も何度も玄関まで歩いて行き、飛び跳ねてドアノブをつかもうとしてました。きっとこの家で以前そうしていたようにドアを開けようとしてるんでしょう。(そしてブロックさんに対しても)玄関のドアまで行って、中に入れて!と訴えるように吠えてました
犬を救助、預かりボランティアのもとに
あいにく嵐が近づいていて、このまま彼女を放っておけなかったブロックさんは、近隣でこうした犬のお世話を行っている預かりボランティア(仮里親)を探すことにした。
私はレインに「仮里親が見つかるまで、一緒にいてあげる」と約束しました。そしてある女性に連絡すると、彼女はすでに2匹の犬をお世話しているにもかかわらず「 うちに連れて来て!」とメールをくれました
その間、レインもやはり人恋しかったのだろう。ずっとブロックさんの膝の上に座り続けていたという。
強い嵐が来る直前、ブロックさんはその夜のうちに、連絡した女性の家に車でレインを運んだ。レインと名付けたのはその時の雨が激しかったからだ。
私たちは彼女をお風呂に入れ、ワクチンを打ち、虫下しをしました。レインは安心した様子とても幸せそうでした。久しぶりにぐっすり眠れたことでしょう
保護犬仲間と新たな家族を待つことに
レインは現在、 Happy Tails Animal Rescue に移され、新たな家族と出会う準備を始めている。
2025年4月6日に、Happy Tails Animal Rescue がTikTokにレインとブロックさんさんのエピソードを投稿したところ、わずか1週間で23,200回以上の視聴と1,100件以上のいいねが集まる大反響に。
- 私の代わりに彼女を助けてくれてありがとう。幸運を祈ります
- 助けてくれてありがとう!
- 私も愛犬と2度引越ししたからわかるが、「我が家」を理解している犬が家族にこんな風に捨てられてしまうなんてとても悲しい
- レインが家の中に入ろうとするのが切ない
- レインをお世話してくれる人に感謝
- ひどい!ありえん!許せない!犬がかわいそうだろ!
- わが子と同様の犬になぜこんな仕打ちができるのか。彼らには二度と犬を飼うなと言いたい
- 人間ならどうにか助けを求められるけど、犬は人間の言葉も話せないし助けを求める方法もわからないんだよ…
飼い主に対する批判もあったが、多くは「ありがとう」の感謝の声で、捨てられても待ち続けていたレインのけなげな姿に涙して、これからの幸せを祈る人たちもたくさんいた。
Happy Tails Animal Rescue によると、レインはピットブル、ダルメシアン、ビーグルのミックスで3、4歳ほどだそう。
今はボロボロだった皮膚も良くなり、他の保護犬たちとクタクタになるまで遊ぶなど、少しずつ心の傷を癒しながら過ごしている。
ブロックさんは「とても優しいレインなら子どもや他の動物がいる家庭でもうまくやっていけると思います」と語っている。
大好きな家族に置き去りにされても、人にやさしくふれあいを求めていたレイン。穏やかで人なつこい彼女が、今度こそ愛情に満ち溢れたずっとの家族に出会えますように。
References: Facebook[https://www.facebook.com/people/Happy-Tails-Animal-Rescue/61560288224871/?sk=photos]
本記事は、海外の記事を基に、日本の読者向けに独自の視点で情報を再整理・編集しています。