
また髪の話をするときが来た。とはいってもこれはおいしい話だ。
口紅の耐久性を確かめるために、女性スタッフが頭に毛のない男性の頭にキスをして、色の残り具合や発色の変化を観察していたのだ。
今では薄毛に悩む人も多いが、このときばかりは、毛がなくてよかったと思える“おいしい役回り”だったかもしれない。
キスマークが消えるまで観察!男性の頭で試す口紅実験
1950年代、アメリカのある化粧品メーカーでは、口紅の耐久性テストは頭髪のない男性スタッフが実験台となっていた。
女性スタッフが自ら口紅を塗ると、、ツルツルの男性の頭部にキスをして、その跡の色の変化や持続時間を記録していた。
このテストの被験者は頭髪のない男性に限られていた。髪のない広くて滑らかな頭皮のほうが、キスマークの色やにじみ具合を確認するのに適していたからだ。
つるつるの頭部は凹凸が少なく、比較対象として均一な面積がとれる“理想の実験台”だったのである。
実験に使われたのは、社員同士の協力体制だったのか、もしくは専属の協力者がいたのか定かではないが、写真には満面の笑みで頭を差し出すスキンヘッド男性と、真剣な面持ちの女性スタッフの姿が残されている。
当時は、皮膚への刺激や着色成分の安全性、化粧品の耐久性などを、実際の人体を使って調べるのが一般的だった。
現代では機械や人工皮膚などで代用されることが多いが、当時の開発現場では、こうした手法も真剣な研究の一部として実施されていた。
この一風変わった実験風景は、アメリカの雑誌『ライフ(LIFE magazine)』に掲載された写真によって記録されている
撮影を担当したのは報道写真家のイェール・ジョエル(Yale Joel)氏で、資料写真には、キスマークが並んだ男性の頭部や、テストに集中する女性スタッフの姿が生き生きと写し出されている。
1950年代にバックトゥザフューチャーしたい?タイムマシンができたら目指すべき年代として覚えておこう。
References: Back in the 1950s, Lipstick Testing Was the Best Job in the World?[https://www.vintag.es/2017/07/back-in-1950s-lipstick-testing-was-best.html] / Stunning Photos of Unusual Lipstick Testing in the 1950s[https://designyoutrust.com/2025/05/stunning-photos-of-unusual-lipstick-testing-in-the-1950s/]
本記事は、海外の記事を基に、日本の読者向けに独自の視点で情報を再整理・編集しています。