
長年あいさつを交わしてきたゴミ収集作業員と少年の心温まる瞬間をとらえた動画が話題になっている。
アメリカ・フロリダ州に住むノア・キャリガン君(9歳)は、4年前から毎週欠かさず同じ作業員の男性とあいさつや会話を交わし、友情を育んできた。
ところが、この地域の廃棄物管理会社が変わり、今までのように会えなくなることに。
そしてやってきた最後の収集日。母親が見守るなか、今まで親切にしてくれたお礼やねぎらいの言葉を伝えるため、家の庭先で男性を待ちかまえるノア君の姿が。
ささやかでも想いがこもった手書きのメモとプレゼント、そして感謝と笑顔で締めくくられた2人の友情エピソードをみていこう。
収集車へのあこがれから始まった少年と作業員の交流
9歳のノア・キャリガン君とゴミ収集作業員さんの交流が始まったのは、ノア君が5歳のころからだ。
母親のキャサリンさん(41歳)によると、交流のきっかけは、毎週家の前にやってくる緑色の大きなトラックにノア君が心奪われたことだった。
はじまりはとても単純だったんです。息子はひたすら収集車に夢中でした (キャサリンさん)
実はノア君の父親は消防士で、家族そろってトラックのような大型作業車への愛着があるそう。どちらも社会を支える”はたらく車”という共通点も手伝って、ノア君にとっては、一番身近なところで活躍してるかっこいい車になったのかもしれない。
以来、ノア君はきまって毎週火曜の収集日に、収集車がやってくるのを楽しみに待つようになり、やがて作業員男性とほんのわずかな回収作業の合間に、あいさつや言葉を交わす習慣が生まれたという。
4年にわたる交流で仲良しに
キャサリンさんが見守るなか、ひょんなことから始まった少年と男性の交流は、なんと4年にわたって続き、彼らもすっかり仲良しに。
そんな光景をキャサリンさんもほほえましく思っていた。
それからは毎週火曜日に息子が外に走り出て手を振ると、作業員さんがいつも手を振り返しくれて。クラクションを鳴らして彼に挨拶してくれるようにもなりました
それが何年も続いてきました。
息子は学校で忙しくなってもあいさつする時間を作ってたぐらいです
最後の日に少年が感謝を込めて手紙やおもちゃをプレゼント
ところがフロリダ州の郡政府が、別の廃棄物管理会社に切り替えたため、2人は今後これまでのように会えなくなってしまった。
毎週来ていた男性の最後の収集作業日は3月25日。その日ノア君は彼にこれまでの感謝やねぎらいの気持ちを伝えることにした。
息子に「これで作業員さんに会うのは最後になるよ」と告げると、大急ぎで家の中に駆け込んでメモに「いつも働いてくれてありがとう!」と書き、自分のお気に入りのゴミ収集車のおもちゃをいくつかつかみ出しました。それが彼なりのプレゼントだったんです
プレゼントは、ミニチュアのゴミ箱に入れたメモの手紙とお気に入りのおもちゃのゴミ収集車など。
そのミニゴミ箱もおもちゃの車も、ノア君が幼いころから夢中になってやっていた、ゴミ収集作業のごっこ遊びに欠かせなかった大切なものだったそう。
お互いに心からのありがとうと笑顔で握手
ノア君は最後の仕事にやってきた男性に、仲良く手をつなぐ2人の絵を添えたメモの手紙とプレゼント、そして長年の親切に感謝しながら水のボトルも手渡し、互いに固い握手を交わした。
男性は笑顔を見せつつ感極まった様子で「ありがとう!」と応じ、さらに手紙に「おかげで仕事が楽しかったよ、相棒!」というメッセージまで残してくれた。
息子は親切にしてくれた作業員さんに心からありがとうと言いたかったんです。とても素敵だと思いました
作業員さんは長年にわたりノアの人生の一部でした。笑顔と手を振ることで築かれた友情がそこにありました
まるで子供時代の一部に別れを告げるような気持になりました。美しい光景でした
「思いやりにあふれてる」「天使みたい」の声
キャサリンさんがとらえた光景は、TikTokで640万回、YouTubeで2万回以上再生され「とてもやさしくて思いやりにあふれてる」「天使のようなノア君に祝福を」などの声が寄せられた。
本当にこの4年間で築かれた2人の強い絆が伝わってくる。いままでのようにはいかないけれど、またいつかの機会に会えますように。
それに私たちの暮らしを支えてくれているゴミ収集作業に携わる人たちにもあらためて感謝したくなったよ。本当にいつもありがとう!