
かつて、アメリカ、カリフォルニア州にあったTwitter本社の屋上に掲げられていた巨大な青い鳥が、ネバダ砂漠で派手に爆破された。
この看板をオークションで落札したのは、米国のフリマサイトを運営する「DitchIt」社だ。
同社は広告宣伝の一環として爆破映像を公開し、さらに残骸を販売。その収益は米国の起業家支援団体へ全額寄付するという。
SNS時代を象徴したロゴの波乱に満ちた鳥生が大きな話題となっている。
Twitter本社の青い鳥のロゴ、フリマ企業が落札
Twitterといえはすぐにあのロゴマークの青い鳥が頭に浮かぶだろう。あの鳥の名前は「ラリー(Larry)」という。
名前の由来はNBAの名選手ラリー・バード氏(ボストン・セルティックス所属)にちなむ通称だ。
カリフォルニア州サンフランシスコのTwitter本社に掲げられていた、高さ約3.66m、重さ約260kgもの青い鳥の看板は、2025年はじめにTwitterが「X」へとブランド名を変更した際に撤去され、オークションにかけられていた[https://www.rrauction.com/auctions/lot-detail/349988607146320-twitter-inc-official-bird-logo-fascia-sign-an-iconic-fixture-from-the-companys-market-square-headquarters-in-san-francisco/]。
デラウェア州に本社を置く地域密着型のフリーマーケットサイトを運営する「DitchIt[https://ditchit.com/]」社はこの看板を3万4375ドル(約540万円)で落札した。
落札した企業が看板をネバタ砂漠で爆破
2025年6月、DitchI社は、ネバダ州の砂漠で落札した青い鳥の看板の爆破葬を行い、その様子をYoutubeに公開した。
Youtubeの投稿コメントにはこう書かれている。
Twitterの看板よ、安らかに。イーロン・マスク氏、感謝はいりません。
マスク氏はTwitterを「X」に改名し、表現の自由を支援する姿勢を打ち出しました。私たちDitchItも、ローカルマーケットプレイスの分野で同じ理念を掲げています。
今のマーケットプレイスプラットフォームは、広告や手数料、さまざまな制限であふれ、ユーザーや地域経済に悪影響を及ぼしています。
DitchItは、人々のための地域密着型のフリマサイトです。無料で使えて広告もなく、すべてのユーザーが公平に利用できる環境を整えています。
Twitterの鳥ロゴ看板の残骸は、DitchIt上で販売予定であり、収益はすべて「Center for American Entrepreneurship(米国起業家支援センター)」に寄付されます。
多くの起業家がフリマアプリをきっかけに事業を始めています。私たちは、そうした新たな挑戦を応援していきたいと考えています。
なぜ爆破したのか?
DitchIt社の広報担当ジェームズ・デルーカ氏によると、「看板購入のきっかけはノスタルジアだった。オフィスの皆がテクノロジー文化を愛しており、その歴史の一部を所有するのはクールだと思った」とのこと。
しかしその後、社内で「爆破しよう」という意見が自然発生的に生まれたという。
DitchIt社はテスラ・サイバートラック4台をレンタルし、看板を約400km離れたネバダ州ラスベガス郊外の砂漠へと輸送。
火薬技師など14名のスタッフを動員し、あらゆる角度から爆破する様子を撮影した。
同社の狙いは、熾烈な競争が続く米国のフリマ業界での差別化と話題作りだ。
デルーカ氏は「私たちはこのシーンをできるだけドラマチックで印象的なものにしようと考えた」と語っている。
残骸はチャリティ販売へ
爆破された看板の残骸は「非公開入札制オークション[https://ditchit.com/post/13759984]」で販売中だ。
この売上金は全額、「Center for American Entrepreneurship(米国起業家支援団体)」に寄付される予だという。
同団体にはGoogle、Meta、Amazonなども関与しており、起業家支援活動を行っている。
ロゴを購入し爆破し、その破片をさらに売るという流れにはやや疑問の声もあるが、SNS時代のアイコン的存在だった青い鳥の一風変わった葬儀として、しばらく注目を集め続けそうだ。
ちなみに、今回爆破されたのは本社に掲げられていた「立体の鳥ロゴ看板」だが、Twitter関連のオークションではこのほかにもさまざまな備品が出品されていた。
日本のインターネット掲示板サイト「爆サイ.com」も電飾看板を落札[https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2023/09/11/kiji/20230911s00041000495000c.html]しており、すでに日本国内へ輸送されたことが報じられている。
References: Ditchit[https://ditchit.com/post/13759984] / They Blew Up Twitter’s Bird Mascot in the Nevada Desert[https://www.vice.com/en/article/they-exploded-larry-the-bird-twitter-logo/]
本記事は、海外の記事を参考にし、日本の読者向けに独自の考察を加えて再構成しています。