
暗くうっそうとしたジャングルの中では、我々の想像を絶する弱肉強食の捕食劇が行われている。
節足動物であるクモは時として、哺乳類を捕食することがあるとは聞いていたが、実際にそれがまさに行われている現場が捕らえられた。
巨大なタランチュラがオポッサムを捕食していたのである。
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Giant Amazon Spider Preys on Opossum | Nat Geo Wild
「いつもありえないことばかり目にします」と語るのは、アメリカ・ミシガン州立大学の進化生物学者ダニエル・ロボスキー氏だ。
【アマゾンの奥地で目撃された捕食劇】
毎年、ロボスキー氏は、ジャングルの奥深くに潜む生物多様性を観察するために、アマゾンへ足を踏み入れている。
一番最近なされたペルー側アマゾンでの探検では、巨大なタランチュラによって捕獲されたオポッサムの姿が撮影された。
タランチュラは野球ボールよりも大きく、足を広げれば、ディナー皿くらいはあったそうだ。
この探検では、密林で繰り広げられていた珍しい捕食の瞬間を15回も撮影できたという。オポッサムのほかにも、クモがトカゲやカエルを食べる瞬間も目撃された。
ジャングルで暮らすオポッサムの天敵と言えば、危険なヘビや鳥の類が思い浮かぶが、実際は他にもっと脅威的存在があったようだ。
アマゾンの現実は、トカゲや小さな哺乳類にとって、クモやムカデのほうが危険なのだという。特に巨大なタランチュラは最も危険な捕食者だ。
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Amazon Spiders
【だが、そんなタランチュラをも上回る驚異の捕食者は!?】
しかしロボスキー氏はそれを上回る恐怖を目撃したという。
カメラで撮影することは叶わなかったが、1エーカー(約4000平米)もの地面に展開していた小さな、それでいて凶暴なアリの大群である。
それぞれは5ミリ程度の大きさでしかないが、クモたちをも飲み込んでいた。
ロボスキー氏は、アリの大群にあっという間に殺されるクモを見たという。アリの大群は、それは無造作に足にぶらさがり始め、目の前でクモをバラバラにしていたそうだ。
【アマゾンで多様な生物が繁栄した理由】
ロボスキー氏の探検の目的は、アマゾンの熱帯雨林がこれほどまでに生物多様性に富んでいる理由を解明することだ。
これはとても複雑な疑問であり、答えることは容易ではない。単純に暖かいからといった理由では、うまく説明できないのである。
腐葉土に覆われた地面やそびえ立つ木々の中で張り巡らされているネットワークと、そこで織り成される繊細な生命の布地について、あまりにも単純化しすぎていてるからだ。
「そうした単純な説明は、いずれも間違っているか、著しく不完全です。」
タランチュラによる捕食劇はショッキングかもしれないが、それは私たちがジャングルの日常を知らなすぎるからなのかもしれない。
References:umich / amphibian / written by hiroching / edited by parumo
記事全文はこちら:アマゾンのジャングルの闇の中で、巨大なタランチュラが哺乳類のオポッサムを捕食していた件(ペルー※クモ出演中) http://karapaia.com/archives/52271758.html
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