
facebook/laurie.wolf.14
アメリカ・フロリダ州に住む女性写真家が、裏庭であっと驚く光景を目にし、早速カメラに収めた。
それは、一羽のフクロウ(ヒガシアメリカオオコノハズク)とカモのヒナが巣箱の穴から仲良く寄り添って顔を出している姿だ。
カモのヒナは、ヒガシアメリカオオコノハズクの捕食対象でもある。だがそんな雰囲気は一向にない。むしろ仲睦まじい親子風情を醸し出している。
一体なぜこのようなことが起こったのか…?
【ある日裏庭でフクロウとカモのヒナが一つの巣箱に!】
フロリダ州南東部パームビーチ郡のジュピターに暮らすローリー・ウォルフさんは、アーティストで野生生物写真家でもある。
ある日偶然、巣箱からひょっこりと顔を出した1羽のカモのヒナと東アメリカオオコノハズクの姿を発見したローリーさん。
絶妙のタイミングで撮影し、その写真をSNSでシェアしたところ、瞬く間に拡散し、米メディアでも報じられるところとなった。
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【カモのお母さんが卵をフクロウの巣箱に】
ローリーさんによると、今から1か月ほど前に、自宅裏庭にあるすべての異なる巣箱を調べて回ったそうだ。
すると、1羽のメスのカモが卵を巣箱から別の巣箱に移動させている姿を見た。巣箱がある松の木の下に卵の殻が落ちていたことから、ローリーさんはそのカモの巣箱が敵に襲われてしまったのだろうと推測した。
その巣箱にいた親カモは、産んだ残りの卵を安全と思われる巣箱へ移した。しかしそれはフクロウの巣箱だったようだ。自然の行為に邪魔をしてはならないと思ったローリーさんは、そのまま見守る形で放置した。
【フクロウは自分の卵と勘違いし孵化させ育てていた】
一方フクロウは、カモの卵だとは知る由もなく、1か月間近くその卵を温めた。
そうして孵ったカモのヒナが、今回フクロウと一緒に巣箱の穴からひょっこりとローリーさんの前に顔を出したというわけだ。
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【万が一を考え、カモのヒナを移動させることに】
可愛いツーショットの瞬間を見逃すことなくカメラに収めたローリーさんだが、「もしかしたらフクロウがこのヒナを食べてしまうかもしれない」という不安が頭をよぎった。
そこで鳥の専門家に問い合わせると、やはりその可能性があることがわかったため、ローリーさんは、地元の野生生物保護区に連絡。
カモをフクロウの巣箱からなんとか出すことができた時には引き取ってもらうよう頼み、ローリーさんは早速夫とともにカモの救出を試みた。
ところが、カモのヒナは巣箱の穴から飛び出して地面に落ち、そのまま走ってフェンスを越えて、隣の敷地である池に逃げ込んでしまった。
この池に親ガモらしきカモが姿を見せていたのを知っていたローリーさんは、
カモのヒナは親鳥を呼んでいるのか鳴き声をあげていて、池の方からも声が聞こえました。池は隣の住民の敷地で隠れていて見えないのですが、ヒナがうまく親と出会えているといいのですが。
と、米メディアの取材で話している。
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Photographer caputures image of owl, baby duck together looking out from hole in tree
【「カモには托卵の性質がある」と専門家】
過去にもヒガシアメリカオオコノハズクが、カモと暮らしていたという記録があることが判明している。
他の鳥の巣に自分の卵を産んで巣立ちまで世話をさせる鳥といえば、一般的にカッコウが知られているが、なんとカモもカッコウのように托卵(たくらん)の性質があるという。托卵とは育児寄生のことで、卵の世話を他の個体にさせる動物の習性の1つである。
カモは、別のカモの巣もしくはカモに近い種の鳥の巣に、1つか2つほどの卵を産むことがあるそうだ。
1つの巣に全ての卵を保持すると、敵に襲われた場合には全ての卵が失われてしまう可能性がある。しかし、托卵することで自分の遺伝子が遺されるチャンスが広がるのだ。
カモには刷り込みの習性もあるため、このヒナはフクロウを見ても敵と思うどころか、「お母さん」と思ってしまったのかもしれない。(関連記事)
しかし、フクロウの餌となる前に巣箱から出ることができたヒナは、ラッキーだったといえよう。
ローリーさん一家は、ヒナが池に逃げてしまって以来その姿を見ていないということだが、このヒナが親カモと仲良く暮らしていることを願いたい。
フクロウのお母さんを本当のお母さんだと信じ込んでしまっていて、母を訪ねて三千里とかをしていなければいいが・・・
References:gtgoodtimes/ written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:フクロウ母さんとカモのヒナ赤ちゃんが、本物の親子のように仲良く1つの巣箱に!いったい何が起きている?(アメリカ) http://karapaia.com/archives/52273572.html
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