ペットボトルの代わりに食べられる液状カプセル飲料がロンドン・マラソンのランナーに配布される試み(イギリス)

TicToc by Bloomberg/youtube
 プラスチックゴミによる環境汚染は深刻となっており、その削減の為、世界各地で様々な取り組みがなされている。

 特に、イベント会場でのペットボトルの廃棄数はかなりの量にのぼり、代替となる容器は何が一番良いのか模索されている。

 そんな中、毎年恒例となっているイギリスのロンドン・マラソン大会で、ランナーたちに配られるペットボトルの代わりに、海藻の容器に入れられた液状の水が配られた。

 容器ごと全部食べられるカプセル飲料で、ペットボトルのゴミをなくす試みだ。
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London Marathon Replaces Plastic Water Bottles With Edible Seaweed Pods

【給水所で配給されたのは水の入ったカプセル飲料】

 4月28日に開催されたロンドンマラソンは、プラスチック削減に向けての初の画期的な取り組みが導入され、話題になった。

 26.2マイル(約42.195km)もの過酷なコースを走る41,000人の参加者たちにとって、ルートの数か所に設置された給水所での水分補給は必須だ。

 昨年は、92万本ものペットボトルの水がレース参加者に配給された。しかし、今年は23マイル(約37km)地点に達した時、20万本ものペットボトル水の代わりに30mlの水が入った小さな液体カプセルが渡されたのだ。



【3万個が配給された海藻から作られた食べられる水】

 プニプニとした手触りの透明な液体カプセル「Ooho!」は、生分解性の海藻で作られており、今回のロンドン・マラソン大会では3万個が配給された。

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 透明カプセルに使用されているのは、色や臭いを取り除いた後の、濃いゼリー状になった海藻のみで、袋を噛めば簡単に破れて中の水が放出される。

 袋はそのまま食べられるが、食べずに捨てても通常450年~1,000年ほどかかるとされるプラスチックの分解と比較すると、4~6週間で生分解されるので、かなり環境にはいい。

 この画期的なアイデアを発明し、商品として導入したのは、ロンドンを拠点に2013年に設立されたスタートアップ企業、Skipping Rocks Lab(スキッピング・ロックス・ラブ)だ。

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Skipping Rocks Lab Ooho! Crowdcube pitch

【生分解する海藻の容器は様々な用途に使用可能】

 「Ooho!」は、マラソン大会やミュージック・フェスなど多くの人が飲料水を求める場所で配給されるには最適だ。

 同会社によると、カプセルの中には水だけに限らず他の液体を入れることも可能で、既にケチャップなどソース容器としても代用されている。

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 更に、使い捨てコーヒーカップの中敷き部分や食品ラップなどのプラスチック製品の代替としても、この生分解性海藻の製品を使用しているとのことだ。

 近い将来には果物や野菜を包むネットや、ネジや釘、ハードウェアなどを入れる非食品の商品を入れる袋にも代用できるよう、どんどんアイデアを導入していく予定なのだという。

 2017年の調査では、生産された8,300万トンのプラスチックのうち、リサイクルされたのはたった9%だったことが判明した。

 12%は焼却炉で燃やされ、79%が埋め立て地へ廃棄される。そしてやがてそのゴミは海へと流され、海洋生物を死へ追いやる原因となる。

 これまで、ロンドン・マラソンでは大量のペットボトルが道端に放棄されていた。

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Paul Simpson / London marathon 2009 - 9
References:metro / livekindlyなど/ written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:ペットボトルの代わりに食べられる液状カプセル飲料がロンドン・マラソンのランナーに配布される試み(イギリス) http://karapaia.com/archives/52273902.html
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