極小のブラックホールが地球の中心に存在するという説を主張する元NASAの科学者

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 先日、人類が初めてブラックホールの撮影に成功したというニュースは世界中を駆け巡ったが、それでもまだ、ブラックホールは神秘に満ち溢れている。

 ブラックホールは空の向こう側だけに存在するものではない。
なんと地球の中心にも存在するとする説の主張を行っているのは、元NASAの科学者だ。

 これには地球空洞説がかかわってくる。
【地球空洞説からの地球内部のブラックホール説】

 地球空洞説とは、地球の内部は空洞になっていて、北極と南極に開口部があり、そこが別世界へつながっているという、古くから概念として存在する説だ。

 この地球空洞説の初期の支持者には、ハレー彗星の回帰を予言した著名な天文学者エドモンド・ハレーがいるが、最近、元NASAの科学者、ルイーズ・リオフリオ氏までが似たような説を提唱するようになった。

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内部世界の地図(ウィリアム・ブラッドショー著『Goddess of Atvatabar』(1892年)より)

 サンフランシスコ州立大学のリオフリオ氏は、かつて10年間ほどNASAジョンソン宇宙センターに在籍していたという経歴の持ち主だ。

 彼女の説では、地球の中心には小さなブラックホールがあるのだという。


数十億年前、地球は極小のブラックホールの周囲に形成された。それは砂粒を核として真珠が形成されるのと似ている。

このブラックホールは地球内部の熱の発生源であり、火山や地震がこれに起因するだけでなく、島の形成もまたこれによる。


【ブラックホールは地球や生命にとって恩恵をもたらす】

 dailystar誌が伝えたところによると、リオフリオ氏は現在、国際宇宙ステーションに原子時計を設置するプロジェクトに携わっているらしい。

 これは、光速は変化するという、彼女が提唱するまた別の大胆な仮説を検証するためのものだ――どこかタイムトラベルとも関係していそうな話だ。

 ここ最近、タイムトラベルと光速を扱ったテーマにブラックホールが登場するのが常であるが、リオフリオ氏もまた、ユーチューブチャンネルで地球の中心にあるというブラックホールについて語っている。


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NASA Insider PROVES Time Travel Is REAL! Black Hole Discovered In Earth's Core? 2019-2020

ブラックホールを恐れる必要はない。それが良いものでなければ、生命が存在することも、地球が存在することもできなかったはず。

しかも将来的には、膨大な量のエネルギー源にもなってくれるかもしれない。全世紀の原子力にも匹敵する革新的なものだ。


【地球の内部にあるブラックホールは極小だが月の質量を持つ】

 リオフリオ氏によれば、地球のブラックホールは砂粒ほどの大きさしかないが、重量は月ほどもあるという。そして、欧州原子核研究機構(CERN)が極小ブラックホールを作っているという噂について言及する。

 
心配は無用。このテーブルの上にブラックホールがあったとしても、それが私たちを吸い込むようなことはない。

それは簡単な数学でわかることだ。安心してほしい。ただ地球の奥深くにまで沈み込んで、もともとあるブラックホールに衝突するだけのことだ。

 じつに興味深い。
こうした発言や彼女の光速可変理論がほかの科学者によっても支持されれば面白いことになるだろう。

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Gerd Altmann / Pixabay
【実際に地球内部にブラックホールは存在するのか?】

 しかしリオフリオ氏について、今のところほかに情報はなく、2014年に『スピード・オブ・ライト』という未査読の著書が確認できるのみである。

 地球の中心にブラックホールがあるという仮説は、SF映画の題材としては優れているし、夢とロマンがあふれているが、それを裏付ける科学的な証拠はほとんどないのが現状だ。

References:NASA insider claims there's a black hole INSIDE Earth - Daily Star/ written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:極小のブラックホールが地球の中心に存在するという説を主張する元NASAの科学者 http://karapaia.com/archives/52273946.html