うつ病とたたかう人々が、最初の一歩として自分の部屋を片付けてみた。部屋のビフォー&アフターとたたかいの記録をシェア


 うつ病には様々な形や形態がありその症状も個人差がある。症状は違えど、現実がつらすぎて、悲観的になっていることは共通している。


 沈んだ気持ちは体にも大きな影響を与える。起き上がることすらおっくうになり、ましてや部屋の掃除をすることなど困難な状態になってしまうのだ。
 
 うつ病を克服することは長いたたかいである。エネルギーが空っぽの状態から、徐々にパワーをため込んでいかなければならない。ため込んだパワーもちょっとしたことでまた失われていくのだから、本当に大変だ。

 うつ病とたたかっている人は世界中にいる。
海外では、前向きにたたかいを続けている人が、最初の一歩として、自分の部屋を片付けるという試みを行い、部屋の写真のビフォア・アフターをシェアしている。

 最初の1歩を自ら踏み出した彼らのたたかいの様子が赤裸々に記録されている。自分の記録を共有することで、今たたかっている人々を勇気づけたいという願いもこもっている。
【1. 3日間かけて整理整頓】

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私は、重度のうつ病に苦しんでいて、掃除や他の家事をすることが本当に辛く感じてしまうのです。自分を奮い立たせることができないから、自分の寝室は何か月も散らかったままでした。でも、ついに片付けよう!と思いました。


3日後、床が見えるまでに整理整頓することができました。たいしたことじゃないのはわかっています。でも私にとっては、もし誰かが訪ねてきた時に、ドアを開けて自分の部屋を見せることができるというのは、とても大きく意味があることなのです。

今の気持ちはとっても穏やかで、みなさんとシェアしたいと思いました。


【2. うつも一緒に片付ける!】

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自分は、7歳前後にうつ病に見舞われて8歳に自殺しようと思い始めた。転校した学校でも酷いいじめに遭い登校拒否になって、まるまる1か月間学校へ通わなかったこともある。
どうにも学校生活になじめなかった。

13歳の時には激しい社会不安症になって、毎日パニック発作を起こし、何度も失神したり嘔吐したり、不眠症にもなったりした。ある日、精神科施設に収容された。そこは看護師が患者に虐待ギリギリの扱いをする酷い場所だった。

1か月後に施設を退所したけど、時々幻覚症状に陥ったり、多重人格になったり、恐怖症になったりして被害妄想もひどくなった。摂食障害にもなり、拒食と過食を繰り返した。
何年間も何もせずに朝7時~午後4時まで眠り、映画を見てパソコンをいじる以外は何もしなかった。

鎮痛剤を8,000mg飲んで自殺未遂をして、3か月間入院した経験もある。約半年後に退院して自閉症だと診断された。その後、しばらくは変化がなかったので一時中断していた学校生活に戻り勉強をまた始めた。現在は、摂食障害とうつ病の両方と闘っている。

自分の部屋はあまりにも物が溢れていたので、猫が捕ってきたと思われるネズミの死骸やゴキブリがあることにも気付かなかった。
1日1回か2回は部屋の空気を入れ替えている。


【3. 何年かうつ病を患った後、ついに部屋を掃除】

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私は今19歳ですが、12歳の時に重度のうつ病と診断されました。いつも部屋をきれいにすることに葛藤していました。汚い自分の部屋の写真を見ると、こんな生活をしていた自分に心底うんざりします。

2週間前、ふと「もうこんな状態はいやだ」と思いました。それから部屋を片付けるようになり、1日5時間は掃除しています。
今はようやく片付いてきて気持ちもハッピーです。

昔のおもちゃや古本、服などは8割ほど処分しました。家具も思い切って処分したので、部屋は空っぽになりました。これからは、部屋のペンキを塗り替えて古くなったマットレスの代わりに布団を置く計画をしています。

始めた時には「絶対、無理」と思ったけど、自分を止めるのは自分しかいません。ここまで片付けた自分を、私は誇りに思います。もし、同じうつ病を乗り越えようとしている人たちがいるなら、シェアしたいと思いました。やればできるものです。


【4. 今日はいい1日。しなければならないことをやったから】

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上は、毎日が無気力と悲しみで物事を先延ばし続けていた時の写真。下は、自分が「もうたくさんだ」と思い、意を決した時の写真。部屋を掃除することで楽しくはなかったけどいい一日だと思えた


【5. 数か月間ゴミ屋敷で過ごした後、ふと気が付いた】

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俺のゴミ屋敷。何も構わず何か月も過ごした後、自分の部屋を見て「なんて精神衛生上良くないんだ」と気付いた。そして片付けた。


【6. 2年ぶりの掃除】

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2年ぶりに徹底的に部屋を掃除した。うつ病が少しマシになっている物理的サインのように感じる


【7.うつの巣、ビフォア・アフター】

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【8. 一日ゴミ10個以上の回収を目標に】

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左の写真はうつになっていた時。部屋は酷い状態で恥ずかしい。右の写真は片付けた後。まだあと少し片づけなきゃならないけど、この進歩を誇りに思う。

ゴミ袋1枚だけ持って、1日10個以上の物を回収することを目標にして、時間をかけてゆっくりと片付けたんだ。


【9. 3年間でゴミ袋10枚】

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今年でうつ病と闘って3年になる。その間、部屋の掃除を全くせずに更に精神状態が悪化した。

写真にはないけど、大量に洗濯して掃除して、ゴミ袋6つがゴミでいっぱいになりました。あとの4つの袋には不要な物をつめて、チャリティーショップへ持って行きました。


【10. めちゃくちゃ恥ずかしいけどうつを克服できて嬉しい】

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【11. 片付けることでうつ病のマンネリから脱出できればいいな】

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【12. 母の死が引き金に】

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母の死で深いうつ病に。でも新しく人生を始めるために徹底的に整理整頓することに決めた


【13. うつ病への回復はまず一歩を踏み出すことから!】

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【14.数年後、うつ病とたたかう気力がわいてきた】

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数年前、ひどいうつ病になった。今ようやくうつと闘うために一歩を踏み出した。完璧じゃないけど、自分の部屋を取り戻せたよ!


【15. 気分は春の大掃除】

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かなり遅くなったけど、片付け始めたわ。うつ病のスパイラルにハマっている気がして、ちょっと春の大掃除をしてみたの


【16. うつ病の克服】

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【17.言いたいことはたくさんあるけど、言葉が見つからない】

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過去2年間、自分はうつになって遁走(とんそう)状態で過ごしていたんだ。

高校時代のトラウマに積み重なるように2017年にトラウマ的出来事が起こってからは、信じられないほど落ち込んで疲れていた。

自分はもともときれい好きじゃなかったっていうのもあって、部屋が散らかりっ放しになってたけど、ゆうべ変化が起こったんだ。5年以上、入っていなかった脳のスイッチが入ったような感じだった。

ガールフレンドと2人で12時間かけてこのアパートを変えたよ。片付けられたことをとても誇りに思う。次の数日間で、またどんなふうにきれいになっているかが楽しみだ。

実は前にもうつが原因で部屋を片付けたことはあったんだ。でも、今回は永久的に変わりたいし、自分でも、できる自信はあるよ。

僕のように、ひどい部屋でうつ病と闘っている人は他にもいるだろう。どんなにひどい状態かということを、別に誰に見せる必要もないってこともわかる。

だけど、どんなにゴミの山に深く埋もれていても、自分で掘り返して脱出できるんだ。うつから回復することは可能なんだ。

自分の住むスペースに敬意を持つことによって、自分に敬意を持つことができるようになるんだ。みんなにも幸運が訪れることを祈ってる!


【18. 5年後の片づけ】

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治療をするまで、部屋を片付けられないほど落ち込んでいた。片付けが5年後になってしまったけど、自分を褒めてやりたいと思う。


【19.ようやく部屋の掃除と向き合えた】

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12月から辛い状態だったけど、ついに部屋の掃除に踏み切った


【20. つらいけどやった。自分に自信が持てた】

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多分4時間ぐらいかかったかな。心を鬼にして片付けた。まだ机も整理しなきゃならないし、シーツも洗わなきゃならないけど、でもとにかくやった!自分を誇りに思うよ。

 自分の今置かれている状態が客観的に見ることができるようになれば、パワーは少したまってきたのかもしれない。部屋のことにまで気を配れるようになったということは、更にパワーがたまってきたということだ。

 世界保健機関(WHO)の発表によると、うつ病を診断された人は3億2,200万人(2015年時点)に上り、全世界で4%の人が苦しんでいるという。

 この数字は過去10年で18%増加しており、うつ病治療は進歩しているものの、適切な治療を受けていない人が多く、国際的な取り組みが求められている。

References:DeMilked/ written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:うつ病とたたかう人々が、最初の一歩として自分の部屋を片付けてみた。部屋のビフォー&アフターとたたかいの記録をシェア http://karapaia.com/archives/52274905.html