
楽して痩せたい。太りやすい体質の人に共通する望みである。
その望みをかなえてくれるという夢のような器具の1つに振動マシンがある。
「ただ乗るだけで脂肪燃焼効果が!」の売り文句に踊らされ、実は私の家にも1台、なんとかエアのスーパーブレードが鎮座しているわけで、とりあえず1日15分は乗るようにしている。気休めでもいい。プラセボでもいい。楽してお肉とさよならしたいのだ。
全く効果がないわけではないようで、あくまでもマウス実験だが、実際に運動するのと似たような効果が得られることが確認されているという。
とは言え、振動が体に与える影響については、まだわからないことが多いのも事実である。
今回新たに行われたマウス実験では、“全身ぶるぶる”には免疫細胞や腸内細菌の構成を健全化するというまた別の健康効果が確認されたという。
【マウスに全身振動を加えるとマクロファージの分布と構成に変化】
米オーガスタ大学の小児形成外科医であるジャック・ユー氏らは、肥満・インスリン耐性・2型糖尿病といった症状を防ぐタンパク質がない(レプチン欠損)マウスに1日あたり20分間、全身振動を加えるという実験を4週間行なった。
すると、全身振動によってマクロファージの分布と構成に変化が生じていることが判明した。
白血球の一種で、死んだ細胞や体内に侵入した細菌などを食べてくれるマクロファージは、表現型と機能に基づき2種類に分類される。ひとつは炎症を引き起こすM1で、もうひとつは炎症を抑えるM2だ。
2型糖尿病のマウスが持つM1とM2の比率を調べたところ、2対1だった。しかし全身振動をくわえたあとでは、健康なマウスの比率と似たような比率にまで変化していた。
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【フンに含まれるアリスティペス属の細菌がなんと17倍にも増加】
さらにフンの中に含まれている細菌にも変化が生じ、炎症を抑制するアリスティペス属の細菌が大幅に増加していた。
これらの細菌は、体がブドウ糖を利用しやすくする短鎖脂肪酸を作り出すのだが、全身振動をくわえたマウスではそれが17倍にも増加していたのだ。
これについてユー氏は、
全身振動によってマクロファージの構成がM2に偏るだけでなく、消化管内の細菌叢にも変化が生じるというデータが得られた
と説明する。
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【全身振動は糖尿病患者の炎症治療にもつながる可能性】
この成果をさらに突き詰めればいずれ人間の糖尿病患者などの炎症治療にもつながるかもしれないが、「現時点ではまだ分からないことがたくさんある」と研究チームは述べている。
とはいえ非常に有望な結果であり、全身振動で人間の肥満や糖尿病の兆候を緩和できるかどうか調べるために、研究チームは治験の準備を進めているそうだ。
この結果は『International Journal of Molecular Science』(6月26日付)に掲載された。
実際にテレビを見ながら毎日これに15分乗っている私としては、何分くらいぶるぶるしてればいいのか?具体的なことがもっと知りたい。
更にもう一つ、これに乗っていると、脳もぶるぶる震える感じがするので、脳細胞に対する影響についても調べて見て欲しいところだ。
免疫細胞や腸内細菌が活性化されるのは良いが、脳がやばいことになっていたら元の木阿弥だからね。逆に効果的なら超ラッキーだけどさ。
References:MDPI / Sciencealertなど / written by hiroching / edited by usagi
記事全文はこちら:エクササイズ用の振動マシンに免疫細胞や腸内細菌の構成を健全化する効果が確認される(米研究) http://karapaia.com/archives/52278600.html
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