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カラスは、知性に溢れ高度な社会性を持つだけでなく、情に厚い生き物である。これまでにも、恩返しにとギフトを届けてくれるようになったカラスの話をお伝えしてきたが、今回もアメリカから人間とカラスの素敵な触れ合いニュースを紹介しよう。
都会のアパートに暮らす女性が、部屋の窓のフェンスに訪れる野生のカラスを追い払うことなく、そこで餌を与えるようになって約3年。カラスはその間に家族を作り、今では2組のカラスの家族が女性のもとへおやつを求めてやってくるようになった。
するとある日、カラスは女性にプレゼントを運んできた。それからもたびたび光物のプレゼントを運び続けるようになったという。
女性とカラスの間には特別な友情が芽生えたようだ。
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Why crows are leaving gifts for a woman in San Francisco
【都会で野生のカラスとの触れ合いを楽しむ女性】
今から3年ほど前のこと。カリフォルニア州サンフランシスコマリーナ区にあるアパートに住むメリンダ・グリーンさんは、コンピュータ・プログラマーとしての職をリタイアし、1日のほとんどをアパートの部屋で過ごしていた。
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ある日、部屋の窓辺のフェンスの上に数羽のカラスがいることに気付いた。メリンダさんは邪険に追い払うよりも快く迎えてあげようと思い、餌を置いてみたところ、カラスたちはそれを食べるようになった。
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都会のど真ん中といっていい場所に住むと、野生動物との関わりは当然少なくなる。メリンダさんは、毎日部屋のブラインドを上げるたびに野生のカラスが餌を求めて訪問してくるようになったことを嬉しく感じ、そのひとときを楽しんでいた。
Two of Melinda’s hungry crows right there. Food is just beneath the window. “We have established rules,” says Melinda. They know they need to come directly to the window,” she said. “When the blinds open, they know.” #abc7nkw pic.twitter.com/B1g94ANKir
— Wayne Freedman (@WayneFreedman) 2 September 2019
【カラスが様々なギフトを届けてくれるように】
そんなある日、1羽のカラスが口に何かをくわえて飛んできた。メリンダさんの手の届くところに置かれたものを見てみると、くしゃくしゃになったシャンパンボトルの上部に被せてあるアルミ箔だった。
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明らかにゴミとして捨てられたそれは、カラスにとっては“キラキラ輝く宝物”に見えたのだろう。カラスは光物が大好きで、それを大切に集める習性がある。
彼らにとっての宝物を、カラスはいつも餌をくれるメリンダさんにプレゼントしようと思ったのだろう。
もちろん、メリンダさんはそのプレゼントを喜んで受け取った。
最初こそ、「これは、プレゼントなのだろうか」と疑問に思ったメリンダさんだったが、カラスはそれからもまるでお礼のように、カラフルな岩や何かの骨、殻がついた実、クマの形をしたグミなど、彼らにとっての宝物をメリンダさんに運んでくるようになった。
そして最近のギフトは、なんともミステリアスなものだった。
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おそらく、壊れた機械の一部か何かだろう。しかしどこかアート的品質のある物で、メリンダさんはとても気にいって、他のギフトと一緒に大切に自宅の棚に飾っている。
【3年の間に、カラスとの間に友情が芽生える】
この3年の間に、メリンダさんとカラスたちの間には友情が生まれた。
メリンダさんは、「カァー、カァー」とカラスの鳴き真似が上手にできるようになり、それを聞きつけたカラスたちは、メリンダさんのもとへと飛んでくる。
Waiting for the crows to arrive. That’s Melinda Green of San Francisco who feeds #crows from her apartment window...and they reciprocate. #abc7now pic.twitter.com/VmKyxXB6b1
— Wayne Freedman (@WayneFreedman) 2 September 2019
窓辺を通して、思っていたよりもずっとカラスのことを知るようになったメリンダさんは、カラスとの触れ合いを次のように語っている。
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カラスは、人間の家族に似ていると思います。成長したカラスは、長期的な関係を持ち、核家族で一度に1~2羽の子供を産み育てるようです。
私は家族を持つようになったカラスが子供を連れてここにやってくる姿を見ていますが、親は明らかに積極的に子供に教えていますよ。フレンドリーな人間がどこに住んでいて、どうやっておやつをもらうのかということをね。
カラスとの経験は、私にカラスの特徴を認識して尊重することを教えてくれました。カラスがプレゼントをくれたという事実だけでもとても貴重なことですが、この触れ合いの経験自体が素晴らしいプレゼントだといえるでしょう。私にとって、カラスは友達です。
References:abc7newsなど / written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:アパートの窓に訪れるカラスをかわいがっていたら、お礼にキラキラのプレゼントを運んでくるようになった(アメリカ) http://karapaia.com/archives/52282185.html