
欧米では、犬を連れているホームレスの人々をよく見かける。家も身寄りもない彼らのそばに、常に寄り添ってくれる犬は、唯一無二の心の支えとなっているようだ。
たとえ、自分が食事をとることができない日があっても、一緒にいる犬にだけはきちんと食べ物を与え世話をしているというホームレスはとても多い。彼らは犬に愛情を注ぎ、犬も彼らを愛する。そこには深い絆があるのだ。
アメリカ・テネシー州のホームレスの男性も、心を通わせる愛犬がいた。ところが、ある日その犬は突然姿を消してしまった。
男性が必死で捜索したところ、保護施設にいることが判明。飼い主と再会した犬は、全身で喜びを露わにした。
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【苦しい日々を支える唯一の仲間であり家族】
犬のボボ(Bobo)は、テネシー州メンフィスでホームレスをしている、元アーテイストのアンソニー・ロジャーズさんの飼っている愛犬だ。
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様々な事情を抱え苦しい時期が続き、ホームレスになってしまったアンソニーさんにとって、ボボは孤独を癒してくれる唯一無二の仲間であり、家族だ。
ボボもアンソニーさんを慕い、どんな時でもそばに寄り添っていた。
ボボは、アンソニーさんにとても可愛がられ、食事も優先して与えられて大切に世話をされながら一緒に暮らしていた。彼らには深い絆が育まれていた。
【ボボ、ある日突然姿を消す】
しかし、突然ボボはアンソニーさんの前からが姿を消した。
8月31日の朝、アンソニーさんが目覚めるとボボの姿がなかったのだ。愛犬を失ったアンソニーさんは激しいショック状態に陥った。
すぐに知人に連絡すると、知人はアンソニーさんがホームレス生活をしている地域全体にボボがいなくなったという貼り紙をし、ボボとアンソニーさんのことを知っているという人たちにボボの行方を尋ねるなどして、懸命にボボの捜索に協力してくれた。
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アンソニーさんは、すぐに見つけることができないボボの安否を気遣い、もしかしてもう2度と会うことができないのではと不安を感じながらも、誰かがこの貼り紙を見てボボの行方を知らせてくれればと、祈るように過ごしていた。
【保護施設スタッフがボボを覚えていた】
ある日、地元の動物保護施設『メンフィス・アニマル・サービス(Memphis Animal Services)』で働いていたスタッフのエミリーさんは、一匹の犬が施設に連れて来られた時に、街で見かけた貼り紙を思い出した。
目の前の犬が、その貼り紙の犬ととてもよく似ていたのだ。それは、アンソニーさんが知人の助けを借りて作った「迷い犬を捜しています」というもので、犬はボボに間違いないと思ったエミリーさんは、貼り紙に記載されてあった電話番号に連絡した。
アンソニーさんは、すぐに知人の車で施設へと向かった。するとそこにいたのは、やはり愛犬のボボだった。
ボボは、アンソニーさんの姿を見てよほど嬉しかったのだろう。ちぎれるほど尻尾を振り、すぐさまアンソニーさんの腕の中へ飛び込んできた。
全身で喜びを表現するボボをしっかりと抱きとめたアントニーさんも、かけがえのない親友に出会えた喜びで感極まり、何度もボボを抱きしめた。
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【飼い主の大きな愛に包まれるボボ】
アンソニーさんとボボが再会できた動画は、9月12日に施設側のフェイスブックアカウントで公開され、施設スタッフは次のように綴っている。
ボボは、去勢をしてマイクロチップを埋め込み、ワクチン接種も受けました。また、フィラリアの検査は陰性だということがわかりました。
私たちは1年分のフィラリア予防薬と、ドッグフードの袋、ハーネス、首輪、リードやIDタグと一緒に、ボボをアンソニーさんのもとへ返しました。
ボボは、とてもヘルシーでハッピーです。
アンソニーさんは、今でもホームレス生活を続けているという。しかし、何も持っていなくても彼には、ボボに与えるのに十分の大きな愛を持っている。ボボは、アンソニーさんから十分に世話をしてもらっているようだ。
ただし、今後もボボが健康で暮らしていくためにも、年に1度は獣医院での定期検診を受けることが望ましく、そんなボボや他の犬たちの費用のために、施設側はフェイスブックで寄付を呼びかけている。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:ある日突然姿を消したホームレス男性の愛犬。必死の捜索の末に再会、犬は男性の腕の中に飛び込んだ(アメリカ) http://karapaia.com/archives/52282909.html
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