
Image by slightly_different from Pixabay
「三つ子の魂百まで」ということわざは、幼い頃の性格は、年をとっても変わらないということを意味する。更に十代の魂となると、晩年にも大きく影響するようだ。
高校生のときの性格や過ごし方と認知症のリスクとに関係があるらしいのだ。
『JAMA Psychiatry』(10月16日付)に掲載された研究によると、高校時代に穏やかで成熟していた人、あるいは活動的だった人は、歳をとっても認知症になりにくいそうだ。
【1960年代に高校生だった人を対象とした大規模調査】
全米研究インスティテュート(American Institutes for Research)の研究グループは、1960年代にアメリカの高校生8万2000人を対象に実施された性格テストを調査した。
性格テストは、高校生の性格を「外交性」「共感性」「衝動性」「リーダーシップ」「活力」「穏やかさ」「几帳面さ」「文化性」「自信」「成熟性」の10項目で評価するものだ。
このときの高校生は、2011~2013年の時点で70歳近くになっている。そして、その年齢までに2500名以上が認知症を発症していた。
【十代で成熟し、活動的に過ごしていた人は認知症になりにくい】
その一方で、穏やかさ、成熟性、活力の項目が高く評価されていた人は、認知症を発症しにくいこともわかった。穏やかさと成熟性が高かった人では10パーセント、活力が高かった人では7パーセント発症率が低かったのだ。
ちなみに「穏やかさ」はストレスを感じさせる感情からの影響の受けにくさ、「成熟性」は責任感と信頼性、「活力」はエネルギッシュな性質を表したものだ。
[画像を見る]
Image by Rawpixel/iStock
【性格以外にも家庭の経済力も影響】
なお、認知症のなりやすさについては性格以外の要因も知られている。たとえば、学生が育った家庭の経済力が認知症の発症リスクに影響を与えているらしいことがわかっている。
仮にある高校生の性格が穏やかで成熟し、さらにエネルギッシュだったとしても、家庭が貧しいと大人になって認知症にかかるリスクは高まってしまう。
なので性格によるレッテル貼りを安易に行わないことも大切だ。
たとえば、衝動性や落ち着きのなさといった性格は、認知症の発症リスクを抑えたりはしないかもしれない。それでも、別の社会的に有用なスキルを身につける上で役に立つことはあるだろう。
それぞれの性格にそれぞれの長所と短所があるということだ。「みんな違って、みんないい」ということだ。
References:Your personality as a teen may predict your risk of dementia/ written by hiroching / edited by parumo
記事全文はこちら:十代の頃の性格や過ごし方と将来的な認知症のリスクに関連性があるという研究結果(米研究) http://karapaia.com/archives/52283964.html
編集部おすすめ