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太陽系の火星と木星の軌道の間にはアステロイドベルト(小惑星帯)が存在する。ここには直径1㎞以上の小惑星が100万個以上あるとも言われている。
もし、アステロイドベルトから小惑星が飛び出して地球へ向かってきた場合、我々に対策を練る時間はほとんどないだろう、と専門家が警鐘を鳴らしている。
万が一、大きな小惑星に衝突されてしまえば、生物の大量絶滅が引き起こされかねないというのだ。
【アステロイドベルトの小惑星が軌道から外れることもありうる】
アステロイドベルト(小惑星帯)やメインベルトと呼ばれる領域は、火星と木星の軌道の間にある小惑星が集中しているところだ。
そこに軌道を持つ小惑星は、地球の近くまで飛んでくる地球近傍天体とは違い、通常はアステロイドベルト内に収まっている。
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アステロイドベルト(小惑星帯)は主に火星軌道と木星軌道の中間に分布している。このほか、木星軌道上の太陽から見て木星に対して前後60度の位置にトロヤ群と呼ばれる小惑星の集まりが存在する。図の単位は光分(左)と天文単位(右)
ところがデンマーク、コペンハーゲン大学のカール・アイナー・ニールセン氏によると、小惑星同士の衝突、あるいは火星や木星の重力などのさまざまな要因で、そうした小惑星が軌道から外れることもあり得るのだという。
そうなった場合、やがてそれが地球と衝突コースに乗ってしまう恐れもある。
【はぐれ小惑星の不意打ち】
ニールセン氏の話では、はぐれ小惑星が気づかれないまま密かに接近してくるケースも考えられるらしく、その場合「対応するために残された貴重な時間はほとんどないだろう」という。
アステロイドベルトから外れた小惑星が太陽の裏側から地球に接近したとしたら、それが検出された時点ですでに手遅れという可能性もある。完全な不意打ちである。
また恒星間天体も危険だ。
それが太陽へ向かって飛来しているときは太陽によって軌道が隠される。
そこを通過し地球へ向かってくるときは太陽を背にするために、我々には影しか見えない。よってこちらも前触れもなく衝突してくるかもしれない。
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【小惑星衝突は地球の危機】
ニールセン教授以外の研究者からも指摘があるように、アステロイドベルトや宇宙のそれ以外の領域には、山のように大きな小惑星が隠されている可能性がある。
それがもし地球めがけて飛来し衝突するようなことがあれば、かつての恐竜時代のように、地上で暮らす生命の半分以上を消し去ってしまうカタストロフの連鎖が引き起こされることだろう。
References:Asteroid shock: We’d have little time to react if asteroid came from asteroid belt - claim / written by hiroching / edited by parumo
記事全文はこちら:太陽系のアステロイドベルト(小惑星帯)から飛来する小惑星を避ける術を我々はまだ知らない http://karapaia.com/archives/52284412.html
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