
秋深まるこの時期、道端などにもコロンと落ちてる松ぼっくり(松かさ)といえば、クリスマスの飾りを連想する人も多そうだが、なんとロシアには松ぼっくりの伝統料理がある。
あるユーザーがツイッターで披露したのは、ロシア旅行で入手した松ぼっくりのシロップ漬けだった。
松の実だったら料理にも使うし納得できる。でも松かさってどうよ?あのイガイガしたやつだよ?リスが食べてるのは知ってたけれど、どんな味でどんな食感なのか、ちょっと想像がつかないのだが...
【ロシアの珍味?松ぼっくりのシロップ漬け】
アメリカの作家ロッド・ドレーアーさんは最近ロシアを訪れ、お土産用として、見たことも食べたこともない珍しい甘いお菓子を買ったという。それはシロップ漬けにした松ぼっくりだ。
Brought these tiny pine cones preserved in syrup home from Russia, where people eat them. Just tasted them. Not great. Tastes like ... eating a pine cone. pic.twitter.com/VoxwE4yqHT
— Rod Dreher (@roddreher) 2019年11月11日
【そのお味は?】
さっそく試食したドレーアーさんの感想は…
これは微妙...味はそのまんま松ぼっくり。例えるなら松ぼっくりをちょっとシロップに漬けた味に似てる。食感は以外にもやわらかくてキャラメルに近い。砂糖と松のタールでできたキャラメルだ。
松ぼっくりを食べたことないのでわからないが、我々が想像するレベルの松ぼっくりの味で、ニオイは松ヤニで、食感のみがちょっと柔らかくなっている感じ?渋みとかはないのかな?
てか、松ぼっくりの味については車のエンジンルームを松ぼっくりの貯蔵庫にしがちなリスにでも聞きゃいいんだろうか?
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【伝統的な松ぼっくりのシロップ漬けの作り方】
異国情緒あふれるシベリアのお土産としても有名な松ぼっくりのシロップ漬けは、ヴァレニエとも呼ばれる伝統的な果実の砂糖漬けの一種にあたる。
材料は大量の松ぼっくりと砂糖のみ。ただしシロップ漬けに最良の松ぼっくりは、5~6月にロシアで収穫できる若くて緑色のものらしい。
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若い緑色の松ぼっくり Image by Robert Moore/iStock
作り方はいたってシンプル。ざっくりのレシピは以下の通り。
・洗った松ぼっくり約2kgを水に入れ30分ほど煮る。
・12時間放置した後、松ぼっくりをいったん取り除く。
・残った液体に砂糖(1lにつき1kg)を加え、濃い紅色になるまで煮詰める。
・一度除いた松ぼっくりを再び入れ混ぜ、5分煮る。
・液体1lにつき松ぼっくり6~8個の割合で煮沸した瓶に詰める。
なお基本は松の球果だが、スギやトウヒの球果を使うこともあるそうだ。
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【シロップ漬けだけじゃない!お茶やはちみつ、薬まで】
さらに驚くことに、ロシアにはこのシロップ漬け以外にも松ぼっくりの食べ方がいくつかある。
若い松ぼっくりを水で煮出したお茶や、松ぼっくりの砂糖漬けから作る「はちみつ」、松ぼっくりをアルコールに浸して作るチンキ(液状の薬)などだ。
松ぼっくりのお茶
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松ぼっくりの「はちみつ」
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松ぼっくりのチンキ
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最後のチンキ剤はロシアでは免疫強化や鎮静作用があると考えられていて、体に良い食後酒としてスプーンで1日1杯ほど飲む習慣もあるという。
【ロシアの厳しい自然から得た松の多様な活用法】
緑豊かな松林で知られるロシア北部やシベリア地方の人々は、厳しい自然から得られるあらゆるもの活用方法を古くから模索してきた。
松の芽や精油は気管支炎の薬、葉はビタミンC、松のタールは皮膚の軟膏など、松のさまざまな用途を開拓した彼らには、松ぼっくりもなじみがある食材なのだ。
ロシア伝統の一風変わった松ぼっくりの利用法。松にはいろいろ種類もあるし、日本の松でも同様のものが作れるのかどうかはわからないが、食べたことある人いる?
References:neatorama / twitter / rbth / thespruceeatsなど /written by D/ edited by parumo
記事全文はこちら:君は食べたことがあるか?ロシアの珍味「松ぼっくりのシロップ漬け」 http://karapaia.com/archives/52284625.html