
プラスチックごみの排出量を減らすべく、世界各地で様々な活動が行われている。プラスチック(ビニール)を使用したレジ袋の削減もその活動の1つであり、日本でも2020年7月1日より全国のコンビニ、小売店のレジ袋が有料化された。
タイでは一足先に2020年1月1日から、大手スーパーやデパートで、プラスチックのレジ袋提供を完全中止にした。すると買い物客らは、それぞれがちょっぴり変わった“エコバッグ”を持参して店に現れるようになったようだ。
◆追記(2020/07/01)記事を再送してお届けします。
【年間約450億枚の使い捨てビニール袋が廃棄されるタイ】
タイの新年は、主要店舗での使い捨てレジ袋使用禁止から始まった。タイではこれまで、年間約450億枚のプラスチック製の使い捨てレジ袋が利用されており、廃棄物を海に放棄する国としてはワースト6にランク付けされていた。
環境問題は世界規模での取り組みが必要となる。そこで今回、大手スーパーやデパートなど主要店舗およそ25000店がレジ袋廃止に参加したというわけだ。
タイの人々も環境問題に対して前向きな関心を示しており、多くの国民が積極的にこの活動に参加している。
わざわざエコバッグを買うのもエコではない。ということで彼らは、ユニークで独創的なエコバッグを持参して店に現れているというのだ。
【独創的なアイデアで楽しくエコに参加するタイの人々】
SNSでシェアされた写真によると、市民らは手押し車やバケツ、バスケット、スーツケース、鍋などあらゆる容器をレジ袋の代用にしているようだ。
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【タイで高まりを見せる環境問題への取り組み】
人口およそ6900万人と推定されるタイでは、2021年までにはレジ袋の全面禁止に向けて働きかける計画をしているが、既に「20年計画」として化粧品のマイクロビーズ使用やプラスチックのストローやカップの使用をそれぞれ禁止するなど、レジ袋廃止以外にも導入している取り組みもある。
現在、消費者が自発的に店舗からレジ袋を拒否することを奨励するキャンペーンの第1段階を行っている環境省は、去年の使い捨てビニール袋の使用について、数にして20億枚、重さにして5767トンも削減したことを発表した。
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【ジュゴンの死が環境保護への取り組みをより真剣に】
今回、タイで一気に環境保護への深刻度が増した原因となったのは、去年8月に起こったジュゴンの死だったという。
まだ若いジュゴンが死んでいるのが発見され、その原因が腸内のプラスチックだったことがニュースなどで報じられると、市民はプラスチック汚染が海洋に与える影響の深刻さをますます意識するようになったようだ。
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flockine/pixabay
このジュゴンの死に対応した獣医の1人は、Facebookでこのように綴った。
小さなプラスチックの多くが、ジュゴンの腸を詰まらせ炎症の原因になってしまいました。ジュゴンは、血液感染症と肺の炎症を引き起こして死んだのです。
誰もが、この出来事を悲しんでいると思いますが、これら希少な海洋生物を救うためには、環境をみんなで守っていくことが大切なのだということを、ここで繰り返し伝えさせてください。
海が廃棄されたプラスチックで汚染されている国は、タイ以外にも存在する。本来、美しいはずの南アフリカやドミニカ共和国のビーチも、大量に廃棄されたプラスチックが隙間なく漂い、環境汚染の深刻さを物語っている。
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'Garbage Waves': Trash covers water at beach in Dominican Republic
今回のタイのように、ユニークな対処法であっても1人1人が実行すれば、その効果は大きなものとなる。些細なことでも、環境に役立つことを実行することは大切だ。
なお、タイでのレジ袋廃止の試みはマレーシアに次ぐものとなり、その他のアジア諸国でも野菜の包装に工夫するなど、各地でプラスチックの使い捨て袋の使用削減に対する取り組みが実施されている。
ちなみに日本では環境省の試算によると、国内で1年間に出るプラスチックごみのうちレジ袋は2%から3%ほどと見積もられている。
レジ袋が、ごみの多くを占めているわけではないが、環境省では、生活に身近なレジ袋の有料化をきっかけに、使い捨てプラスチックへの意識を高め、ごみの削減につなげたいとの考えを示している。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:タイのレジ袋を廃止で、ユニークなエコバッグを使う人が続出している件 http://karapaia.com/archives/52286426.html
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