筋肉を強化したマイティー・マウスが宇宙から地球に帰還(NASA)


 1月7日(現地時間)、遺伝的に筋肉を強化した40匹のマウスが、国際宇宙ステーションからスペースXの宇宙船「ドラゴン」に乗って無事太平洋に着水、地球へと帰還したようだ。

 アメリカの人気アニメに登場するネズミのスーパーヒーローにちなみ「マイティ・マウス」という愛称で呼ばれる筋骨隆々なマウスたちは、ここ数年で宇宙に送られたたくさんのマウスのうちの一部で、昨年12月8日から宇宙に滞在していた。

【宇宙飛行士の筋肉や骨の研究の為】

 宇宙ステーションに長期間滞在する宇宙飛行士たちは、地球よりもずっと重力に乏しい環境のせいで、筋肉と骨が衰えてしまう。

 彼らは体を維持するために毎日運動を欠かさないが、体の衰えを防ぐより良い方法を考案するために今回のような研究が行われている。

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NASA-Imagery from Pixabay
【遺伝的に改変され筋骨隆々となったマウスを宇宙へ】

 「ミオスタチン」や「アクチビン」という分子は、筋肉を低下させるシグナルを送っているとされ、その経路を阻害すると筋肉と骨の成長が促されることが知られている。

 そこで、これらの経路を標的にすることで、ミッション中の筋肉と骨の衰えを予防し、地球に帰還してからの速やかな回復を促そうというのが、NASAの研究グループの狙いだ。

 実験では、この経路を阻害する薬がマウスに投与され、筋肉と骨に与える影響が観察された。マウスたちは遺伝的に改変されミオスタチンを持っていなかったので、筋肉の平均量が通常の2倍にも達したという。

 そこからつけられたニックネームがスーパーヒーローマウスである「マイティマウス」だ。

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image by:Terrytoons Studio /wikimedia commons
【筋肉や骨が衰えてしまう病気の治療法開発にも】

 宇宙ステーションの実験では毎度のことながら、実験の成果は、筋ジストロフィーや骨粗しょう症といった、筋肉や骨が失われてしまう病気に対する新しい治療法の開発にもつながるかもしれない。

 筋肉を衰えさせる病気には他にも、がん、心疾患、敗血症、エイズなどいろいろある。実験から将来的な治験の基礎となるようなデータが得られることが期待されている。

References:futurism/ written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:筋肉を強化したマイティー・マウスが宇宙から地球に帰還(NASA) http://karapaia.com/archives/52286585.html
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