所変わればトイレも変わる。アメリカの公衆トイレの個室が開放感に溢れている理由

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 所変わればトイレも変わるということで、世界には実に様々なトイレが存在する。アメリカに行ったことがある人は、公衆トイレについて不思議に思ったことがあるかもしれない。


 個室のドアの隙間が上下ともに30センチほど開いていて、かなり広いのだ。しかも、ドアを閉めても外から見えているのではないかと思うほど隙間があるため、個室なのに個室でないような、ある意味かなりの開放感に満ち溢れていて、プライバシーなどは期待できなさそうなデザインになっているのだ。

 だが、なぜアメリカの公衆トイレの個室のドアは、そんなに隙間が広いのか。実はそれにはちゃんとした理由がある。ということで、今回はアメリカのトイレ事情を少し掘り下げてみることにしよう。
【素早く掃除がしやすい】

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 公衆トイレはいろんな人が利用するため、1日数回は掃除が必要となる。ドアの下に隙間が大きく開いていると、トイレの管理人が掃除を迅速かつ簡単に行えるというわけだ。

【何かあった時にすぐ助けを得られる】

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 密閉された個室だと、失神したりするなど何か健康上の問題が発生した際には、気付かれるまで時間がかかってしまうかもしれない。

 しかし、ドアの隙間が広いことで、中で倒れていても外の人に気付かれやすく、助けるためにドアを破壊することなく、隙間から中へ入ってロックを解除することが可能なのだ。

【いかがわしい行為や犯罪を回避できる】

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 隙間だらけの個室ということで、プライバシーの完全配慮に欠ける公衆トイレだからこそ、個室でのいかがわしい行為もしくは犯罪が阻止しやすくなる。

 ドアの特性によって、より高いレベルの監視と犯罪防止が可能になるということだ。

【工事費用が安上がり】

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 床から天井までのほぼフルサイズのドアを設置するには、より正確な設計と様々な材料の使用費がかかり、それにより総コストが増加する。


 事業主にとっては、隙間のあるドアを設置したほうが断然安上がりというわけだ。

【個室の臭気のより良い換気になる】

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 隙間の無いドアが取り付けられた個室トイレでは、排泄後の臭気が中に籠りがちで、次に入った人が不快な思いをする可能性がなくもない。

 その点、ドアの上下の隙間が広いと、空気の循環がよくなり悪臭が早く消える。

【空いているか確認しやすい】

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 ドアの隙間が広いことにより、中に座っている人の足が見えてしまう。ということは、空きか否かをすぐに確認できる。

 また、ロックが壊れていた場合、ドアを押さえながら使用する人もいることだろう。ドアに隙間がないと、空いていると勘違いした人が外からドアを押したりなんかして、中の人は用足ししながら押し返すというかなり気まずい状況にならないとも限らない。

 ドアの隙間が広いと、そんな厄介なリスクも背負わずに済むのだ。

【緊急時に個室から脱出しやすい】

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 入った時には施錠できたのに、出る時にはロックが解除できない…なんていう非常事態でも、ドアに広い隙間があれば大丈夫。下から這って出ればいいだけだからだ。

【使用の回転度をアップさせる】

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 ドアの隙間が広いことで、外からも中の人の足元が丸見えで、中からも外で待っている人の足元が余裕で見えてしまう。

 落ち着きのない状態で用を足すなんて、なんだか精神的に良くない気もするが、公衆トイレでのんびり過ごしたい人もあまりいないに違いなく、待つ人を作らずに使用の回転度を速くするためにも、互いに見えるようにこのドアが設置されているのだそうだ。


【トイレットペーパーが切れてしまっても大丈夫】

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 トイレを使って水が流れないとなったらかなり不便だが、ティッシュの持ち合わせがなく、トイレットペーパーが切れてしまった時にも、愕然とした思いが足元から競りあがってくることだろう。

 しかし、ドアに広い隙間があれば大丈夫。管理人やドアの外にいる人に隙間からトイレットペーパーを渡してもらえばいいのだ。

 これが隙間の無いドアだったら、きっと誰も救ってはくれないだろう。

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 ということで、なるほどと思える理由もいくつか(!?)あったアメリカのトイレ事情。トイレは誰にとっても日々の暮らしには欠かせないものだからこそ、疑問解決が大切だ。

 今度あなたがアメリカに行った時には、公衆トイレを前にして心の準備が十分できているかもしれない。ていうか慣れちゃうと逆に解放感があってよかったりもするよ。

References:brightside.meなど / written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:所変わればトイレも変わる。アメリカの公衆トイレの個室が開放感に溢れている理由 http://karapaia.com/archives/52288051.html
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