
好きなものを毎日食べたい。そんな欲求は誰にでもあるだろう。しかし健康を考えて、我慢している人も少なくない。
しかし、ベルギーに住むある男性は、好きなフライドポテト(ベルギーではフリッツと呼ぶ)を毎日夕食として32年間食べ続けているという。
なぜ、彼がそんな生活をするようになったのかというと…。
【13歳から32年間、夕食はフライドポテト】
ベルギーのフラームス・ブラバント州スカッフェンに住むルディ・ギベルスさん(45歳)の夕食がフライドポテトだけになったのは、13歳からだそうだ。
ギベルスさんの母親は、思春期の息子にもっと多くの果物や野菜を摂取して欲しいと必死になっていたが、ギベルスさんはそんな母親に妥協案を出した。
それが「昼間はヘルシーな食事をする代わりに夜は好きなフライドポテトを食べる」というものだった。
それからというもの、ギベルスさんは夕飯に他の栄養ある食事を一切とらず、フライドポテトとフリカデル(ひき肉を丸めてソーセージの形にして揚げたもの)を毎日食べ続けた。
[画像を見る] フリカデルはフランス北部やベルギーの伝統的なファストフード
ベルギーでは、通常フライドポテトにはクリーミーで濃厚なマヨネーズがついている。時に、ケチャップと両方つけて食べることもある。しかも、揚げたソーセージと一緒にとあってはカロリーがかなり高いことが想像できる。
だが、それがギベルスさんの好物であり、これまで32年にわたり食べ続けて来た。
ギベルスさんいわく、2年前に1度だけフライドポテトとフリカデルのセットを食べなかったことがあるという。
深刻なインフルエンザになって、夕食を買いに数日間外出することができなかったのだ。
[動画を見る]
【32年間夕飯がファストフードでも体重は70kg】
ギベルスさんは、32年間で消費したフライドポテトとフリカデルのパックは約11680だと推定している。
Rudy gaat al 32 jaar elke dag naar de frituur: “Geen idee van mijn bloedwaarden, ik heb een panische angst voor dokters” https://t.co/5wgQIpRJC0
— Nieuwsblad.be (@Nieuwsblad_be) February 18, 2020
毎日、コーヒーを必要とする人がいるように、私には毎日フライドポテトが必要なんですよ。
このように冗談を言うギベルスさん。だが、長きにわたり夕食をファストフードのみにしてきた彼の健康状態はどうなのだろうか。
ギベルスさんは体重70kgで、見た目も全く肥満体型ではない。
しかし、ファストフードを食べ続けているにも関わらず、健康状態はいい方だと口にする一方、「暫く血液検査を受けていないので、長年の食生活が健康状態にどのように影響しているのかを知るのは、正直少し怖い」とも語っている。
ただ、ギベルスさんは「人生は短いのだから、好きなことをすべき」という信念を持っているようで、今後も健康面に問題が出ない限り、フライドポテト生活を止める気はなさそうだ。
【栄養士、「健康に有害ではないという例には絶対ならない」】
アントワープ大学病院「UZA」のチーフ栄養士ミカエル・セルスさんは、ギベルスさんの食生活について、次のように苦言を呈している。
ファストフードの長期的な食生活が、人間の健康に有害ではないという例として、彼を利用するのは大きな誤りです。
糖尿病、高コレステロール血症、心血管疾患などの病を発症するリスクは非常に高く、彼が今のところ問題を抱えていないという理由だけで、同様の食生活をしている人がそうした病気を発症しないというわけではありません。
喫煙者の中には、95歳になるまで1日1箱タバコを吸っても肺がんにならなかったという高齢喫煙者の例に安心している人もいますが、タバコが健康に非常に悪いことは明らかであり、それは食べ物にも言えることなのです。
確かに、ギベルスさんの言うように好きなものを好きなだけ食べて好きなように生きることは、人生をめいっぱい楽しむことに繋がるだろう。しかし、健康へのリスクを考慮すると、やはり何事も「ほどほど」が一番と言えるのかもしれない。
References:Oddity Cetralなど / written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:フライドポテトを夕食として32年間食べ続けている男性(ベルギー) http://karapaia.com/archives/52288191.html