お母さんはシマウマ、お父さんはロバ。自然交配でハイブリッドアニマル「ゾンキー」が誕生(ケニア)


 ケニアのチュル・ヒルズ国立公園で自然交配で生まれた、シマウマとロバの赤ちゃん“ゾンキー”が話題になっている。

 お母さんがシマウマで、お父さんはロバだ。ちなみにお父さんがシマウマでお母さんがロバの場合はゼブロイドと呼び分けることもある。

 ゾンキーは、脚部分が母親のシマウマから受け継いだ縞模様だが、顔や胴体部分は父親のロバのように茶色く、印象的な外見だ。

 現地で野生生物の救助やリハビリを行っている『シェルドリック・ワイルドライフ・トラスト(Sheldrick Wildlife Trust)』のスタッフらは、現時点ではこの赤ちゃんが母親と元気に暮らしていること、しばらくの間は同団体が見守っていくことを発表している。
【異種愛の末生まれたハイブリッドなゾンキー】

 ケニアで、ゾウの赤ちゃんやサイ、孤児となったシマウマの救助・保護およびリハビリ活動を行っている動物保護団体『シェルドリック・ワイルドライフ・トラスト』のスタッフが、異種交配により生まれた“ゾンキー”を発見したのは、今年初めのことだった。

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 母親シマウマと一緒にいたその赤ちゃんを見たスタッフは、最初「シマウマの赤ちゃんが泥だらけになってしまったのか」と思ったという。

 というのも、その赤ちゃんは頭部や胴体が茶色で、脚の部分だけが縞模様だったからだ。

 しかし、よく観察するとそれは泥ではないことがわかった。更に調査すると、その赤ちゃんはメスのシマウマとオスのロバの自然交配により生まれた赤ちゃんだということが発覚したのである。

【群れからはぐれたシマウマ、メス牛の群れにいる間にロバと交配か】

 スタッフによると、その母親シマウマは、ちょうど1年ほど前の今頃にツァボ・イースト国立公園の自分の群れからはぐれてしまい、どういうわけかメス牛の群れに落ち着いてしまったという。

 その後、シマウマはチュル・ヒルズ国立公園に搬送されたが、シマウマの妊娠期間は12か月であることから、シマウマは牛の群れにいた間にオスのロバと出会い、妊娠したと見られている。

 異種交配により生まれた赤ちゃんは、生殖能力がないと考えられている。その理由として、ロバとウマの染色体数が異なるからだという説がある。

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【現在、ゾンキーは母親と元気に暮らしている】

 現在、赤ちゃんゾンキーはチュル・ヒルズ国立公園の捕食者が少ない地域で、緑豊かな環境の中、十分な食べ物と水を得て、元気で快適に暮らしていることが『シェルドリック・ワイルドライフ・トラスト』の報告により明らかにされている。

 同団体のスタッフは、「野生生物に関わっていると、予期せぬことを予期するということも学ぶものです。一見して最も単純な話でさえ、最終的には真実が明らかになると私たちを驚かせるというケースもよくあります」と話している。


 なお同団体では、この母子が野生のシマウマの群れに発見される時まで、しばらくの間見守りながらケアしていくということだ。

 シマウマとロバの異種交配は過去にも事例があるが、母親がシマウマで、父親がロバであるケースは極めて珍しいそうだ。

 カラパイアでも過去にイタリアでオスのシマウマとメスのロバの間に生まれたゼブロイドの赤ちゃんを紹介したことがあるが、今回のケースはオスとメスが逆となっている。

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written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:お母さんはシマウマ、お父さんはロバ。自然交配でハイブリッドアニマル「ゾンキー」が誕生(ケニア) http://karapaia.com/archives/52289894.html
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