
26年間もの間、強盗に刺され、果物ナイフの刃が頭に刺さったままになっていた中国の76歳の男性が、ついに摘出手術を受け、ナイフを取り除くことに成功した。
これまで生きていたことが幸運としか言いようのない事例だが、男性は順調に回復しているという。
【1994年、強盗に頭部を刺され以来ナイフが刺さったまま】
中国北西部、青海省海晏(かいあん)で農業にたずさわっているこの男性のケースは、まさに奇跡そのものだろう。
1994年に強盗に頭部を刺されて以来、彼はずっと刃渡り10センチほどの果物ナイフの刃が頭に刺さったまま生きてきた。
一命はとりとめたものの、この刃のせいで右目の視力低下や、慢性的な頭痛など、男性にはさまざまな障害が出ていた。やっと最近になって、ついに彼はこの苦しみから解放されたのだ。
2012年、あまりに耐えがたい頭痛に、男性は病院へかけこんだ。レントゲンを撮って初めて、およそ10センチの刃が頭蓋に刺さっていることがわかった。しかし、摘出すると命の危険があるとして、医師たちに匙を投げられてしまったのだ。
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【2020年、ついに摘出施術に】
2020年3月になって、他県の医師団がたまたま青海省に医療施設の視察に訪れ、この男性のケースが再び注目されることになった。
「青海省への医療視察のときに、偶然にこの男性のケースを知り、彼がただ痛み止めを処方されただけだったことがわかりました」Zhang Shuxiang医師は語る。
「しかし、男性の症状はどんどんひどくなっていました。地方の病院では限界があるため、男性を山東省に搬送して、できる限りの治療をすることに決めました」
男性は、3000キロ以上を飛行機で運ばれたが、右目の視力低下だけでなく、左腕と左足の麻痺も現れていた。
山東省済南にある第一医科大学病院で、CTスキャンやレントゲンで調べたところ、刃は頭蓋底部にあって、眼窩に沿った視神経を圧迫していることがわかった。
摘出手術は困難だったが、それ以外に患者の苦しみを解消する方法はなかった。
神経外科は2012年当時よりも進歩していたため、医師たちは今回は刃の摘出に自信をもっていた。男性は4月2日と8日の2回の手術を受け、ついにナイフの刃が取り除かれた。
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【手術は無事成功、男性は第二の人生を喜ぶ】
「2時間の手術で、およそ10センチの錆びたナイフを取り除きました」執刀医は言う。
「4月8日には、傷口をきれいにする2度目の手術を行いました。男性は順調に回復し、ほとんど自力で歩けるまでになっています。頭痛もなくなり、右目の視力も完全に戻りました。口を大きく開けることや咳をすることもできるようになったのです」
男性のこのケースは、中国の新聞でとりあげられ、海外メディア、『UNILAD』、『odditycentral』など多数に発信された。「笑うことも、あくびや咳をすることもできなかった。先生たちのおかげで、20年以上苦しめられていた悪夢から解放され、第二の人生を与えてもらったんだ」男性はこの長き苦難について、こう語った。
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10厘米长的刀扎进老人头部26年,山东医生横跨3000里带他手术
written by konohazuku / edited by parumo
記事全文はこちら:26年間も錆びたナイフが頭に刺さっていた男性、ようやく摘出施術を受け無事成功 http://karapaia.com/archives/52289947.html
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