サタンの福音書:グラン・グリモワール(大奥義書)とは?

グラン・グリモワール(大奥義書)/iStock
「赤い竜」もしくは「サタンの福音書」とも呼ばれることもある、グラン・グリモワール(大奥義書)は、強大な力を持つと言われる中世の悪魔の手引書だ。

 伝説によれば、テーベのホノリウスという怪しげな人物によって書かれたもので、ホノリウス自身がサタンに憑りつかれていたという。
グラン・グリモワールは、現存するもっとも強力なオカルト書のひとつで、悪魔を呼び出すさまざまな方法が網羅されていると言われている。
【グラン・グリモワールの起源】

 グラン・グリモワール(Grand Grimoire)は、1520年に作成されたとされており、聖書のヘブライ語かアラム語(イエスとその弟子たちの母語)で綴られていたと言われている。18世紀のフランスでは、ちょっとしたグリモワールブームが起こり、次の世紀には翻訳版が出版された。

 オリジナルのグラン・グリモワールは、現在、バチカン秘密文書館に保管されていて、一般には公開されていない。

 "グリモワール"と言う言葉の起源は諸説あるが、古いフランスの”grammaire”から来ているというのが、一般的な説だ。"文法"という意味のこの言葉は、とくにラテン語で書かれた書物の参考書として一般的に使われた。しかし、時を経て、この言葉の意味は変わり、最終的にオカルトと結びつくようになった。

 そのため、今日ではグリモワールという言葉は、オカルト関係で使うテキストの名として使われるようになった。

 こうしたグリモワールの内容は魔術書のようなもので、魔除けや護符の作り方、魔法の呪文をかけるための指南、天使や悪魔のような超自然の存在を呼び出す儀式のやり方などだ。

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グリモワールは、天使や悪魔だけでなく、死者を呼び出す技術も教えてくれる

【聖書に出てくるソロモン王と関係が?】

 グラン・グリモワールの存在が発見されたのは誕生から1520年から230年を経た1750年、古代イスラエル(イスラエル王国)の第3代の王「ソロモン」の墓にあったと言われている。

 聖書に出てくるソロモン王と関係があり、書かれたとされている古代言語は、強力な魔術書としてのグラン・グリモワールの評判を確実に高めた。

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【その内容は?】

 グラン・グリモワールは、4つのパートに分かれている。
魔術の呪文だけでなく、新たに選ばれた教皇が徐々に堕落して、サタンの力に圧倒されていく様子が細かく記されている。

 もっとも有名な内容は、ルシファーや配下のルキフゲ・ロフォカレを呼び出す手順だろう。

 この儀式に必要なのは、ブラスティング・ロッド(魔法の杖)で、ルシファーを呼び出し、服従させるために使われるものだという。

 この後、悪魔と取引を交わすときのために、"Genuine Sanctum Regnum"、つまり"契約を交わすための真の方法"という章がある。

 ほかにも、儀式を行う者は、Ematilleと呼ばれる石、清められたキャンドル2本が必要で、両方とも、三角形の魔法陣を作るのに使われ、その人間は呼び出された霊から守られるという。

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The Illustrated Grand Grimoire
 19世紀に初めて翻訳が出版されて、かつてフランスが植民地にしていたカリブ海の国々にも広まり、とくにハイチでは、「真の赤き竜」と呼ばれて、ブードゥー教で実践されているそうだ。

References:The Gospel of Satan: Grand Grimoire is One of the Creepiest Medieval Manuscripts Out There! | Ancient Origins/ written by konohazuku / edited by parumo

記事全文はこちら:サタンの福音書:グラン・グリモワール(大奥義書)とは? http://karapaia.com/archives/52290858.html
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