中国から届く「謎の種」の14種が、アメリカで特定される。キャベツ、アサガオ、バラなど...

謎の種の正体が一部判明 image by:Whitehouse Police Department/Facebook/@RyanQuarlesKY/Twitter
 ご存じの通り、アメリカや日本、英国など、世界各国で中国から謎の種が郵送されてくるという不気味な事案が多発している。

 頼んだ覚えもないのに中国郵政と書かれたラベル付きの郵便物が届き、開けてみると小さな袋の中に植物の種がぎっしり入っているのだ。

 種の種類は様々だが、侵略的外来種の可能性や、病原菌や汚染物質、あるいは害虫の類が付着している恐れもあるとして、日本の農林水産省をはじめとする各国当局は、万が一種を受け取っても植えたりせず、しかるべき機関に報告するよう注意を呼びかけている。

 アメリカ農務省では、そのうちの14種を特定したそうだ。

【アメリカ国内に郵送された14種の種を特定】

 アメリカではすでに30州以上で中国から謎の種が届いていることが確認されている。米国農務省(USDA)の発表によると、そのうちの14種の種を特定したそうだ。

 それはカラシナ(マスタード)、キャベツ、アサガオ、ハーブ類(ミント、セージ、ローズマリー、ラベンダー)、ハイビスカス、バラなどだったそうだ。

 これらの種は普通の種で、すぐさま危険になるようなものは見つかっていない。ただし調査したサンプルはほんの一部だけであるとも述べられている。

【ブラッシング詐欺の可能性】

 例え普通の種であるとはいえ、頼んだ覚えもないのに、まったく知らない国外の相手から届いたら不気味であることに変わりはない。

 届いた郵便物のラベルには別の商品名が書かれているのもおかしいし、中国郵政のロゴが入った宛名ラベルは偽造の可能性が高く、その宛名ラベルを剥がすとその下からベトナムの郵便ラベルが出てくることもあるそうだ。

 誰が、いったい何のために?

 その動機は「ブラッシング詐欺」である可能性が疑われている。ブラッシング詐欺とは、ネットショップが頼んでもいない商品を一方的を送りつけ、送りつけられた人の名をかたって偽のカスタマーレビューを投稿し、実績を上げる行為だ。

 ネット通販の評価においては販売数やクチコミが重要な要素となっているので、注文を偽造することで無理やり販売数を上げ、虚偽の実績を作り出すのだ。

 実際に種が送られてきた人の多くは、過去にネット通販で中国から商品を送ってもらった経験があるそうで、そのデータを利用されたものとみられている。

 米農務省は今のところ、「ブラッシング詐欺」以外の動機を示す証拠が見つかっていないと述べている。


【絶対に植えないように!】

 米農務省は引き続き種の回収を行っており、環境や農業に悪影響を与えるようなものが含まれていないか調査中だ。日本も同様である。

 先にも述べたとおり、正体が判明したのは種の一部だけだ。油断することなく、万が一種を受け取ったら、植えたりしないできちんと通報しよう。

 ちなみにアメリカでは、アーカンソー州に住む男性が、2ヶ月前に中国から届いた謎の種を庭に蒔いてしまったそうで、その種はグングン成長して実をつけたそうだ。

 以下の動画でその成長っぷりがわかるけど、この植物はいったいなんだろう?オレンジっぽい花で白っぽい瓜のような実がなっている。

[動画を見る]
Arkansas Man Plants Mysterious Seeds from China Being Sent Across the U.S.
References:iflscience/ written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:中国から届く「謎の種」の14種が、アメリカで特定される。キャベツ、アサガオ、バラなど... http://karapaia.com/archives/52293468.html
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