
犬と猫を仲良くさせる方法があった / Pixabay
相性さえよければ、犬と猫は飼い主のみならず、見る人を皆幸せにしてくれる最高のコンビになってくれる。実際にネット上では、犬と猫の仲良しカップルは最強の人気コンテンツだ。
同じ屋根の下で暮らすなら、仲良くなってくれた方がストレスにもならず、飼い主に多幸感をもたらしてくれるが、すべての犬と猫が仲良くなれるわけじゃない。
だが、フェロモンの力を借りることで、2匹の距離をぐっと縮めてあげることができるのだそうだ。
【ペットの気持ちを落ち着かせるフェロモン製品】
フェロモンは動物が体から分泌して、同種の仲間の行動を変化させる天然の化学物質だ。いくつか種類があるのだが、一番知られているのは異性を引きつける性フェロモンだろう。
こうしたフェロモンの作用を利用してペットを落ち着かせる合成フェロモン製品が売られている。
そこでリンカーン大学(イギリス)の動物行動学者は、市販されているフェロモン製品2種を使って、一緒に飼われている犬と猫を仲良くさせることができないかどうか調べてみた。
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【犬か猫のどちらかに使用したところ、不仲行動が減り、友好的行動も増加】
実験で試されたのは、猫用のフェロモン製品、『ビルバック フェリウェイ』と犬用のフェロモン製品『Adaptil 』で、日本でも通販で販売されている。
ペットの飼い主さんたちに、犬か猫の”どちらか”に、6週間利用してもらい、変化があるかどうか観察してもらった。
そして「犬が猫を追いかける」「猫が犬から隠れる」「犬が猫に向かって吠える」といった、ありがちな10種の不仲行動に注目してもらったところ、「顕著な減少」が見られたという。
また犬にフェロモン製品を使用した時は、「友好的なあいさつ」や「同じ部屋で穏やかに過ごす」といった好ましいやりとりまで増えたとのことだ。
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当初、両者の関係をよくするには、猫をリラックスさせることの方が重要だと考えていた研究グループだが、意外にも犬フェロモン製品が効果的だったという。
このような意外な結果になったのは、猫の犬に対する態度が、主に犬の行動によって決まるからではないかと推測された。
とは言えもちろん個体差はあるので一概には言えない。
犬に落ち着きが出て、猫を追いかけ回したりしなくなれば、猫はピリピリしなくなり、犬に親愛を示そうという気になってくれるのかもしれないという。
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【犬フェロモンと猫フェロモン両方を併用すると?】
ところで、どちらの製品にも効果があるのなら、一緒に使えばよりいっそう仲良くなってもらえるのでは? と思うかもしれない。
残念ながら今回の研究では、この点について検証されていない。研究グループは今後これについて調べてみたいと述べている。
この研究は『Frontiers in Veterinary Science』(7月10日付)に掲載された。
Frontiers | Cats vs. Dogs: The Efficacy of Feliway FriendsTM and AdaptilTM Products in Multispecies Homes | Veterinary ScienceReferences:lincoln/ written by hiroching / edited by parumo
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2020.00399/full
記事全文はこちら:犬と猫を仲良くさせるにはフェロモンの力を借りればいい(英研究) http://karapaia.com/archives/52293670.html
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