
デンマークの子供向け教育番組が物議 image credit:DR Ultra
現在デンマークで、11歳~13歳の子供を対象にしたとある教育番組が、視聴者の間で物議を醸している。
この番組では、子供たちの前で生まれたままの姿になった大人たちが、様々な体についての質問に答えるというものだが、番組の意図するところは「自身の体を自然に受け入れ、体へのポジティブな思考を促す」ことにある。
ところが、視聴者からは、下品極まりないといった非難が相次いでいるのだ。『designtaxi』などが伝えている。
【子供のためのちょっぴりユニークな教育番組】
デンマークのコペンハーゲンにあるテレビ局で収録されている『Ultra Strips Down』という、11歳~13歳の子供向け教育番組が、現在視聴者らから非難を受けている。
この番組では、ボランティアで登場する大人たちが、子供たちの前でストリップしてヌード姿となって自分の体を見せ、子供たちが彼らに様々な質問を投げかけ、それに答えるという質疑応答の形を取っている。
番組の意図するところは、子供たちがヌードに対して性的な感想を抱くだけではなく自然なものとして受け入れ、自分の体型にポジティブさを持ってくれることであり、体への前向きな思考を促して自分の体型を恥ずかしいと思う“ボディ・シェイミング”と闘うことを目的として制作された、立派な「教育番組」なのだ。
最近のエピソードでは、コペンハーゲンにある学校の生徒が裸の大人5人と出会い、皮膚と毛に関して率直な質問をした。例えば、「陰毛が生えたのは何歳の時でしたか?」「自分の陰部に満足していますか?」などだ。
大人たちは、これらの質問に正直に答え、子供たちに自分の体に安心感を与えるよう促す。大人たちは一般人であり、体型や年齢、性別、人種など様々であることから、子供たちに「みんな違っていて当たり前。違いがあるからこそ美しい」とどんな体でもポジティブに受け入れることを勧めていく。
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【番組に対して視聴者から非難相次ぐ】
しかし、比較的リベラルな国として知られているデンマークでも、残念ながらそう受け取れなかった視聴者が多かったようだ。
デンマーク人民党のメンバー、ピーター・スカーラップ氏は、「子供にとってこの番組は時期尚早であり、下劣だ」と痛烈批判。
その他の視聴者からも「下品」「大人の裸を子供の前で晒すなんて」などといった非難の声が相次いだという。
これを受けたテレビ局側は、「自分たちの体がどう見えるかについての健全な話を家族でできる子供のための教育番組」と述べ、保護者の同意を得た上で番組出演する子供と共にプロデューサーも番組に参加し、快適に番組が進行していくよう見守っていることを主張。
動画の一部はこちらから見ることができる。
なおこの番組の司会者も、「体を自然なものとして見ることができることを意図しているこの番組はあくまで教育的であり、裸の大人と子供を混同した“性”をイメージしているのではない」と擁護している。
ちなみに、肝心の子供たちの反応はどうなのかというと、大人が物議を醸す反面、子供たちにはウケがいいようで、収録に参加した11歳の少女は「自分の体について自信が持てるようになった」と話していたということだ。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:全裸の大人たちから体について学ぶ、デンマークの子供向け教育番組が物議を醸す(デンマーク) http://karapaia.com/archives/52294896.html
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