12歳で核融合炉を作った少年がギネス世界記録に認定(米テネシー州)

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 みんなは12歳の頃、何をしていただろうか? 勉強や部活に全力投球だった? それともゲーム三昧の日々?私は中二病発病直前で背後を人にとられない歩き方をマスターしている最中だったけど、それはまた別の話。

 で、世の中に凄い天才はいるもので、アメリカ・テネシー州メンフィスで暮らすジャクソン・オズワルドくんは、当時弱冠12歳にして核融合炉を自作、2つの重水素原子を融合させることに成功してしまったのだ。


 このほど、この偉業が評価されて、核融合に成功した最年少記録としてギネス世界記録に認定された。
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How a 12-year-old achieved nuclear fusion - Guinness World Records

【10歳で取り組み12歳で成功】

 「核融合炉」は開発中の原子炉の一種で、重い原子であるウランやプルトニウムの原子核分裂反応を利用する核分裂炉に対して、軽い原子である水素やヘリウムによる核融合反応を利用してエネルギーを発生させる装置だ。実用化が期待される未来技術の1つであり、世界の科学者たちが実験炉での研究に取り組んでいる。

 ジャクソンくん以前の記録保持者は、14歳で核融合炉を自作したテイラー・ウィルソンくんで、今回は記録が2歳更新されたことになる。

 ジャクソンくんによると、ネットで情報を集めているときに、テイラーくんのことを知り、大いに触発されて核融合炉の開発を決心したそうだ。

 開発期間は2年で、すべて彼自身の手で開発が進められたとのこと。そして13歳の誕生日を迎える数時間前、ギリギリ12歳で自作の核融合炉で核融合に成功。最年少の認定を受けた。

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 両親をはじめとする周囲の人々は、一体何をやっているのかと訝しんでいたという。一般家庭で核融合炉をDIYするなど考えられないことなので、それも無理からぬことだろう。

 ジャクソンくん自身、本当に作ることができるのか必ずしも確信があったわけではなかったが、諦めることなく開発を続け、ついに完成させた。

 最大の難関は、真空容器をきちんと密閉し、核融合反応を「点火」できるだけの真空を作ることだったそうだが、それも「忍耐」で克服したとのこと。


 炉の中できちんと核融合が行われたかどうかは、核融合研究フォーラムの「オープンソース・フューザー・リサーチ・コンソーシアム(The Open Source Fusor Research Consortium)」と、核融合の研究者であるリチャード・フル氏が検証した。

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 現在15歳となったのジャクソンくんは、「次に取り組む最高のもの」を探している最中であるらしく、以前ほど実験を行っていないそうだ。これから天才少年が歩む道は、どんな未来につながっているのだろうか?

 ジャクソンくんの記録は『Guinness World Records 2021』に掲載されている。

written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:12歳で核融合炉を作った少年がギネス世界記録に認定(米テネシー州) http://karapaia.com/archives/52295518.html
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