コロナ・パンデミックの中、ゴーストタウンと化した元鉱山の街に1人で住み続ける男性(アメリカ)

コロナ禍の中、ゴーストタウンに1人で住み続ける男性 image credit: youtube
 アメリカのカリフォルニア州キーラー、シエラネバダ山脈の南部に位置するゴーストタウン「セロ・ゴルド(Cerro Gordo)」は、1865年に銀が発見されたことから栄え、一時はカリフォルニア州で最大の銀採掘量を誇った豊かな町だった。

 しかしやがて鉱山が枯渇し、20世紀初頭には町は廃れ、荒涼としたゴーストタウンに変わり果ててしまった。


 当時、この土地一帯を管理していた一家が売りに出したことで、起業家男性が2018年に購入した。この土地が今回役に立ったようだ。男性は、コロナ・パンデミックの間、約半年間にわたり、たった1人で住み続けているという。正確には人間1人と猫7匹とヤギ5匹だ。
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6 Months Alone In A Ghost Town

【栄えた銀採掘の町がゴーストタウンに】

 スペイン語で「豊かな丘」の意味するセロ・ゴルドは、かつてその銀採掘でロサンゼルスの都市を構築したと言われるほど栄えた町で、当時は400戸の世帯が存在し、4000人の住民が暮らしていた。

 この鉱山から採掘された鉱物は、インフレ調整後は5億ドル近くの価値になったとも伝えられている。

 しかしやがて、鉱山は枯渇。町も廃れて20世紀初頭にはゴーストタウンと化してしまった。

 セロ・ゴルドは、もう長い間残された歴史を垣間見るためにこの地域を旅する観光客の目に触れる以外は、放棄されたままだった。

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 2018年、セロ・ゴルドを管理していた一家が120ヘクタールの広大な土地を手放し新たな所有者を求めた。

 そのことを知った起業家のブレント・アンダーウッドさん(31歳)は、140万ドル(約1億4700万円)でこのゴーストタウンを購入した。

 ブレントさんは、ゴーストタウンとなったこの土地を、再びアメリカの観光地の1つに変えたいと思い、他の投資家らの援助を受けて、友人でビジネスパートナーのジョン・ビアーさんと一緒に、自身の全ての財産を土地購入に投資したのだ。


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【コロナ・パンデミックの間、ゴーストタウンで暮らす】

 ところが、そんな矢先のコロナ・パンデミックである。ブレントさんは現在、誰もいないこのゴーストタウンで約半年間暮らしている。

 ここには、かつて人気だったホテルや教会、雑貨店、簡易宿泊施設など22棟が残っているが、住民はブレントさん1人と、彼が連れて来た猫7匹とヤギ5匹のみだ。

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最初は、3~4週間の滞在予定でしたが、暮らせば暮らすほどセロ・ゴルドに魅了されています。半年間のここでの暮らしは、山あり谷ありでしたが楽しんでいます。人生最高の時間を過ごしているといってもいいでしょう。ここで1人で暮らすことで、多くのことを学び、人としても成長できた気がします。

 ブレントさんの目標は、この土地を立派な観光地にすることだ。そのため、1人で暮らしながら日々残された建物の整理や修繕、改装に励んでいる。

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雑貨店は、現地で見つけたクールなものを展示する博物館にしたいと思っています。また、2階建ての家は滞在施設に。小屋は、シンプルで居心地のいい作家の隠れ家に変更できれば(笑)。


 最も重要なプロジェクトは、町の給水システムの復旧だったと語るブレントさん。少し離れた地域に住む住民らの協力を得て、給水に使用できる泉を発見し、配管を修復して、15年ぶりにゴーストタウンに水が出るようにしたそうだ。

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私たちのゴールは、この土地の歴史的性質を維持しながら、歴史の一部を尊重することです。アメリカの歴史の1部を自分たちで継続していけたらと思っています。 

 現在は、コロナのパンデミックで状況が困難なことと、アクセスが容易ではない場所にあるため、友人からのヘルプは時折しか受けることができないようだが、ブレントさん自身はあと数か月セロ・ゴルドに滞在し、来年の夏には観光地としてオープンできるよう作業を続けていくということだ。

written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:コロナ・パンデミックの中、ゴーストタウンと化した元鉱山の街に1人で住み続ける男性(アメリカ) http://karapaia.com/archives/52295639.html
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