水中ならガラスをハサミで切ることができる。名探偵コナンに出たやつは本当だった(ライフハック)

水の中ならガラスを切ることができる image by:Youtube
 ガラスをハサミで切ることは可能だろうか?通常の状態なら、ガラスは割れて破片が飛び散って。だが水中なら?

 これは、「名探偵コナン」の第862話に出てきたガラスのコップ使ったダイイングメッセージのトリックだが、本当に切れるようだ。


 ガラスを水の中に入れ、普通にハサミを入れれば、パリンと割れて危険なことこの上ないガラスがあら不思議! ジャキジャキと切ることができるという。
[動画を見る]
Is It Actually Possible To Cut Glass With Scissors Underwater?

【なぜガラスは水の中だと切れるのか?】

 普通に生きていてガラスを切りたいと思うことはそう何度もないだろうが、覚えていて損はないライフハックなのかもしれない。ガラス細工アーティストなら良く知っていることかもしれない。

 ではその原理を紐解いていこう。なぜ水の中では、割れたりせずに切れてしまうのか?

 上記動画によれば、それはガラスが割れる速度が飛躍的に加速するからだそうだ。

 ガラスは「酸素」と「ケイ素」が結びついてできる物質だ。
これをそのままハサミで切ろうとすると、結びつきが強いために粉々になったりはせず、圧力でパリンと大きなひびが入ってしまう。

 ところが水の中では、圧力で生じたガラスのひび割れに、「酸素」と「水素」でできた水の分子がさっと入り込む。そしてその酸素がガラスのケイ素に、水素がガラスの酸素に結びつき、ガラスの結合を次々と解いていく。

 これをコナンでは「ケモメカニカル効果(chemo-mechanical response )」と呼んでいた。直訳すると化学機械的反応だ。

 この化学反応のおかげでガラスはまるで削れるかのようにどんどんと割れていく。
割れなくなったのではなく、割れやすくなったのだ。だからかえって大きなひび割れが広まらなくなるというしくみだ。

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【古くからアメリカの先住民が利用していた】

 なんとアメリカの先住民はこのことを昔から知っており、水を使ってガラスから矢尻や火打ち石を作っていたという。

 さらに現代のアーティストなどがガラスで作品作りをする際にも、こうした性質を利用して加工するのだそうだ。

 なお、動画内でガラスに色がついているのは見やすくするためなので、実際に試してみるときわざわざ着色する必要はない。

 またハサミで切れるとはいえ、ガラス片がたくさん出るので、ゴーグルや手袋などの安全対策は忘れないようにしよう。


 こちらは青いガラスを切っている映像だ。

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Cutting Glass With Scissors!
written by hiroching / edited by parumo

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