
ゲイのペンギンカップルが、レズビアンカップルから卵を盗むという事案/istock
皆とは違う少数派が生み出されるのは、そこに遺伝的メリットがあり、種を存続させるための生物学的な多様性の1つと言えるだろう。動物界における同性愛も理にかなった生存戦略の1種である。
自然界よりも日々の観察がしやすい動物園では、まさに多様性に満ち溢れているペンギンの人間関係ならぬペンギン関係を見ることができる。
オランダの動物園で飼育されているオス同士のケープペンギンのゲイカップルは、去年他のカップルから卵を盗むという大胆行為をしたことで国際的ニュースとなったが、今年はより大胆な行動に出たようだ。このゲイカップル、メス同士のカップルから巣ごと卵を盗んだのだ。『Dutch News.nl』などが伝えている。
【オス同士のペンギンカップル、今年はメス同士のカップルから卵を盗む】
オランダのユトレヒト州アメルスフォールトのディーレンパーク動物園には、有名なケープペンギンのカップルがいる。
このカップル、オス同士のゲイカップルなのだが、去年11月に他のペンギンカップルから卵を盗んで孵化させようとしたことがわかり、国際的ニュースとなった。
ゲイカップルは、誰も見ていない隙を盗んで他のカップルの巣から卵を盗み、自分たちの卵として温めていたわけだが、結局その卵は孵化に失敗し、カップルはいまだ子供がいないままだったという。
このカップルの絆は強く今年もその関係性は変わらない。今年10月、同園はSNSでペンギン同士の新たなドラマをシェアした。
またもこのゲイカップルが、今度はメス同士のカップルから卵を巣まるごと盗むという大胆行動に出たようだ。
【園の飼育員、「今回も孵化しない確率が高い」】
動物園は、10月20日にTwitterで今回のドラマをシェアし、「動物の同性愛は存在する。特にペンギンにとっては珍しいことではない」と説いた。
Bijzonder nieuws! Het pinguin-homokoppel van ons park heeft dit jaar een heel nest ingenomen van een lesbisch pinguinstel. Homoseksualiteit komt vaker voor bij deze vogelsoort. Beide vogels broeden op de eieren, om en om bewaken zij het nest! pic.twitter.com/2oOVolLt05
— DierenParkAmersfoort (@dpamersfoort) October 20, 2020
園の飼育員サンダー・ドロスさんは、ゲイカップルがレズビアンカップルから奪った卵についてこのように述べている。
囲いの中の各ペンギンカップルは、それぞれ巣を作るためのシェルターと呼ばれる場所を1つずつ所有しています。
このゲイカップルは17羽いるペンギンのうち最も支配欲の強い2羽で、自分たちの巣がありながら、メスのカップルの巣とその卵までも奪ったのです。
ですが、残念ながら今回の卵はメス同士の卵なので、受精していない可能性が高く、孵化しない確率が高いでしょう。
ドロスさんによると、ペンギンの繁殖回数は年に2回。ゲイカップルに巣まで奪われてしまったメスのカップルは、まもなく新しい巣作りをするだろうと推測されている。
なお、2012年にはデンマークのオーデンセ動物園で、卵を孵化させることに成功したペンギンのゲイカップルが、「世界初の例」として報じられた。
written by Scarlet / edited by parumo
追記(2020/10/26)トップ画像を変更して再送します。
記事全文はこちら:オス同士のペンギンカップル、メス同士のカップルから巣ごと卵を盗む(オランダ) http://karapaia.com/archives/52295923.html