
人の命を救った10の勇敢な猫たちの物語 / Pixabay
猫に関する研究が進んできたおかげで、これまでわからなかった猫に関する様々な事実が明らかになりつつある。
自由気ままに暮らしているように見える猫だが、実は飼い主に強い愛着を持ち、深い絆を築くことが科学的に明らかとなっており、飼い主の様子を常に観察しており、窮地に陥ったときはそれを助けようとすることもわかっている。
これらの研究を裏付けるように、ネット上には人を救おうとする猫たちの話がたくさん紹介されている。ここではそんな愛情あふれる賢くて勇敢な10の猫たちの物語をみていこう。
【10. 赤ちゃんが凍えないよう温め続けた猫】
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Russia: Meet the hero cat who SAVED an abandoned baby
その小さな赤ちゃんは生後わずか12週で、厳寒のロシアの戸外に捨てられた。その夜はひどく寒く、赤ちゃんはとても生き延びられそうになかったが、マーシャという猫によって、この赤ちゃんの命は救われた。
赤ちゃんと猫を同じ家の中で飼うのを怖がる人も多い。というのも、猫が寝ている赤ちゃんの顔の上をいい寝床だと思って乗ってしまい、赤ちゃんが窒息死してしまう可能性があるからだ。
ところが、マーシャの場合、赤ちゃんの体の上に乗ることで、その命を救うことになった。捨てられた赤ちゃんは箱の中に寝かされていたため、マーシャにとってはたまらなく理想的なベッドに見えたのだろう。
マーシャの体温のおかげで、赤ちゃんは凍えなくて済み、大声でミャーミャー鳴いたため、近所の人が赤ちゃんに気がついた。
赤ちゃんはただちに病院に保護され、両親の捜索が始まった。このお手柄で、マーシャはたっぷりごちそうをもらい、近所の人たちからかわいがられた。
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【9. 飼い主のガンを発見した猫】
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ITV News
犬は人間には感じとることができないものを見つけるよう訓練されている。
医療現場で働く犬は、その嗅覚を生かして、パーキンソン病、マラリア、ガンなどさまざまな病気の化学的特徴を見分けることができるという。
同じようなことを猫に訓練するのはちょっと難しいが、猫も自発的に驚くべき能力を見せてくれることがある。
スー・マッケンジーは、トムという名の猫と20年間一緒に暮らしていた。ある日、トムが繰り返しスーの首の後ろを叩いては、何かを訴えるようにやたら大きな声で鳴くようになった。老齢のトムにどこか悪いところがあるのではと心配したスーは獣医に連れていったが、トムには異常はなかった。異常があったのは、スーのほうだったのだ。
医者で調べてもらった結果、スーには悪性の腫瘍があった。治療は無事成功し、スーは飼い猫の言うことにいつも耳を傾けたほうがいいと諭されたという。
スーが迷い猫だったトムを飼い始めたときには、まさか自分が猫に命を救われることになろうとは、思ってもみなかったという。
【8. 飼い主の血糖値の異常を探知する猫】
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thesun22
動物を助けるのは、人間ができる善行のひとつだ。ほかの生き物に住む場所を与えてあげるだけで、その生き物が日々連れ添ってくれ、おまけに精神や体の健康を改善してくれることすらある。
ヘイゼル・パーキンの場合、猫のウォルターを飼い始めたことが、結局は50回以上も命を救われる結果になった。
ヘイゼルは糖尿病に苦しんでいた。夜、睡眠中に知らないうちに血糖値が危険な数値まで下がってしまうことが何度かあった。
そんなとき、化学作用の変化のにおいを敏感に察知するのか、ウォルターがそれに気づいて、ヘイゼルの顔を叩いて起こしてくれるのだ。そのおかげで、ヘイゼルは取り返しのつかない状態になる前に低血糖に対処することができた。
ヘイゼルは以前、夜中に起こしてもらうために犬を飼っていたことがあったが、その犬は役に立たなかったそうで、代わりにウォルターがその役目を担うため、夜、ヘイゼルのベッド脇で待機するようになったのだという。
【7. 飼い主が発作を起こしそうになると噛みついて知らせる猫】
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iizcat / 画像はイメージです: pixaboy
猫はときに手荒な医師になることもある。治療のために人間の医師が患者に噛みつくことはないが、猫のブレイクは飼い主が発作を起こしそうになると、噛みついて知らせる。ブレイクにとって、飼い主を噛むことは治療そのものなのだ。
グレン・シャルマンは、いつなんどき、危険な発作を起こすかわからないさまざまな病気をもっていた。睡眠中に重篤な発作が起こったら、それが致命的な状態につながってしまうかもしれなかった。
しかし、猫のブレイクを飼ったとき、グレンはこの若い猫が発作の兆候を前もって知らせてくれることに気がついた。グレンのつま先に噛みついて起こしてくれるのだ。
こうした複合的な病を抱えている患者にしては、グレンは長生きだ。ここまで生きてこられたのは、ブレイクの優しい見守りも原因のひとつといえる。
ブレイクは、睡眠中の飼い主を見守るような訓練はとくに受けていないが、それでもかげがえのない看護人であることが証明された。
【6. 犬に襲われている子供を救った猫、タラ】
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My Cat Saved My Son
4歳の男の子、ジェレミーが犬に襲われ、大けがを負うかもしれない危機一髪の事態にみまわれた。
ジェレミーが家の外で三輪車に乗って遊んでいたとき、近所の犬スクラッピーが突然、ジェレミーに襲いかかって脚に噛みつき、激しく振り回した。
すぐさま、ジェレミーの家で飼っている猫のタラが駆けつけて、犬に立ち向かっていった。その勢いに、犬は尻尾を巻いて自分の家へ逃げ帰った。ジェレミーは7針縫う傷を負ったが、大事には至らなかった。
タラは、あるとき公園からジェレミーの家までついてきた迷い猫だった。自分よりも大きな犬に猛然と立ち向かっていったその勇気は称賛され、有名になった。タラは多くの賞をもらっただけでなく、野球の試合の"始球式"に駆り出されたりして、6月3日は「ヒーロー猫タラの日」と名づけられた。
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【5. 火事をいち早く察知し家族を守った猫】
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theninelives
家族が寝静まった夜に火事の発生を知らせてくれたのは、火災報知器ではなく、猫のバンディットだった。
火事を察知したバンディットは、飼い主の寝室に飛び込むと、その顔を引っ掻いて目を覚まさせた。おかげで、バンディットの飼い主は冷静に消防に連絡することができ、家族の命も助かり、家の損傷も少なくて済んだ。
バンディットの飼い主は、ほかにもたくさんの動物を飼っていた。犬3匹、猫4匹、子猫4匹、ハムスターやネズミなどもいたが、全部命は助かった。
バンディットに起こされなかったら、家じゅうに充満した煙で全員窒息死したかもしれなかった。かけつけた消防団は、バンディットの英雄行為を褒めたたえたが、人間にはペットに頼るよりも、火災報知機に投資したほうがいいと勧めた。
【4. 飼い主に代わって救急車を呼んだ猫】
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nbcnews:画像はイメージです
助けを呼ぶのに電話をすることができる猫もいるようだ。ゲイリー・ロシャイセンは、自宅で車椅子から転げ落ちてしまったが、電話に手が届かず、助けを呼ぶことができなかった。
ところが、どういうわけか警察が到着して、彼は助かった。どうして、タイミングよく警察が駆けつけたのかは謎だった。
警察に911コールがあったが、その相手は無言だった。折り返してみたが、また無言。
おかしいと思った警察が電話が発信された住所へ急行し、ゲイリーを見つけたというわけだ。電話のそばには飼い猫のトミーの姿があった。
かつてゲイリーは、緊急の場合に911へ通報する方法をトミーに教えようとしたことがあったが、まさかトミーがそれを覚えていたとは思わなかったという。
911を短縮ダイヤルにしてあったことも、トミーが簡単に電話をかけられた理由だった。ボタンひとつで飼い主の命を救ったのだ。
【3. 飼い主を心臓発作の危機から救った老猫】
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lovemeow
クレア・ネルソンは、ラスティという老猫を保護施設から引き取り飼い始めた。ラスティは、かわいらしい子猫を探しにきたほとんどの人がスルーするほどのおじいちゃん猫だったが、すぐに新しい飼い主の恩に報いる行動をした。
クレアの具合が悪いとき、ラスティは決まって奇妙な行動をとるようになったのだ。普段なら、ほとんどの猫がそうであるようにゆったりくつろいでいるのに、不安そうにして落ち着きがなくなり、クレアのそばを離れようとしなかった。
クレアが横になろうとすると、ラスティはその胸に飛び乗って眠らせてくれなかった。眠ることもできず、相変わらず具合も悪いので、クレアはやっと医者に行くことにした。
バスを待っている間、クレアの容体が悪化し、救急車を呼ぶ騒ぎになってしまった。
クレアは心臓発作を起こしていて、緊急手術が必要だった。
ラスティのこうした奇妙な行動がなければ、クレアはそのままベッドに入って、二度と目覚めなかったかもしれない。
【2. 戦時中、飢えた兵士を食料へと導いたクリミアのトム】
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Crimean Tom
1853年から1856年のクリミア戦争は、ロシアがイギリス、フランス、オスマントルコの連合軍と戦った戦争だ。
1855年9月9日、セヴァストポリの町をおさえていたロシアは、およそ1年に渡って包囲された。結果的に連合軍がこの町を占領したが、物資はほとんど残っていなかった。このとき、迷い猫のトムが登場する。
ウィリアム・ゲア中尉は、食べ物を探してくるよう命令され、地下室を探っているときにトムと出会った。1年あまりもの包囲を生き延びたにしては、トムはかなり太っていた。
ゲアは、トムがネズミのたくさんいる場所を知っているに違いないとみて、ネズミがいる場所なら食べ物があるはずだとふんだ。結果的に、トムはイギリス隊を何度も食糧庫に案内し、おかげで部隊は飢えずに済んだ。
兵士たちを助けてくれたこともあって、ゲアはトムをイギリスに連れ帰った。残念ながら、トムは長生きはしなかったが、ゲアはトムにたっぷり食べさせ、彼の勇気に敬意を抱き続けた。
現在、帝国戦争博物館に保存されている猫が、本当にクリミアのトムなのかは定かではないが、彼の話は語り継がれている。
【1. 赤ちゃんの転落を防いだ猫】
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Cat Saves Toddler From Falling Down Stairs
猫のギャツベラはヒーローになることを運命づけられていたようだ。ギャツベラとは、キャットウーマンの意味である。彼女は赤ちゃんに危険が迫っていることをいち早く察知し、とっさに飛び出していって救ったのだ。
赤ん坊のサミュエルが、はいはいしながら急な階段へと向かっていた。まわりには誰もいない。このままではサミュエルは階段から転落してしまう。そのとき、ギャツベラが駆けつけて、階段の縁からサミュエルを遠ざけた。
設置されていたビデオに、ギャツベラがサミュエルに走り寄ってその背中にとりつき、引き戻そうとしている様子が映っていた。それでもダメだとみると、ギャツベラはサミュエルの前に回って、前脚で後ろへ押し戻そうとした。驚いたサミュエルが座り込んだので、ギャツベラはもう安全だと安心したようだ。
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written by konohazuku / edited by parumo
記事全文はこちら:人の命を救った10の勇敢な猫たちの物語 http://karapaia.com/archives/52296053.html
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