自らの命と引き換えに毒蛇から子供たちを守った勇敢な猫(オーストラリア)

credit:Animal Emergency Service/Facebook
 動物には自分に危険が及ぶとわかっていても、守りたいものがそこにあれば、果敢に立ち向かっていく本能があるようだ。

 オーストラリアでの出来事。
庭で遊んでいた子供たちに攻撃的で猛毒のヘビが現れた。そのことにいち早く気づいた飼い猫は、ヘビに飛びついた。

 猫はヘビを追い払うことに成功し、子供たちは無事逃げることができた。ほっとしたのも束の間。が猫は戦いの後に倒れ込んでしまった。戦いの渦中ヘビに噛まれていたのだ。
【裏庭で遊んでいた子供の前に毒蛇出現】

 オーストラリアのクイーンズランド州サンシャイン・コーストで、幼い子供たちが自宅裏庭で遊んでいた時のこと。オーストラリアの固有種のイースタンブラウンスネークに襲われそうになる事態が発生した。

 世界第2位の猛毒を持つ攻撃的なこのヘビは、民家や裏庭などにも頻繁に出現し住民が襲われ死亡する事故が何度も起きている。

 その強烈な神経毒は、噛まれると進行性の麻痺を引き起こし、人間でも数分以内には致命的となってしまうという。

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 超危険なヘビの出現にいち早く気付いたのは、一家が飼っていたブリティッシュ・ショートヘアの猫、アーサーだった。

 アーサーは、子供たちを守るべく、果敢にも毒蛇に挑んでいった。


【飼い猫がヘビに立ち向かい子供たちを守る】

 ヘビと格闘後、なんとか庭からヘビを撃退したアーサーだがその直後に倒れ込んでしまった。だがすぐに回復したため、一家はほっと胸をなでおろした。

 だがこの時家族は、アーサーがヘビに噛まれていたことを知らなかった。

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 ところが翌日、アーサーは再び倒れてしまった。飼い主は、もしかしたら噛まれている可能性があると思い、慌てて動物救急サービス『Animal Emergency Service』へと搬送したが、既に手遅れとなってしまった。

【アーサー、虹の橋へ】

 アーサーは自分の命と引き換えに子供たちを守り、虹の橋のたもとへ向かったようだ。

 この1件をFacebookでシェアしたAnimal Emergency Serviceの獣医師は、一旦回復した後再び倒れるという症状は、ヘビに噛まれた後によく起きる一般的な症状であり、ほとんどの飼い主には知られていないと説明した。

 家族はこのことを知らず、すぐに病院に連れて行かなかった自分たちの行動を悔やんだ。自らの命を犠牲にして子供たちを守り抜いた勇敢なアーサーの死を悼んだ。

過去にも、当院に怪我で運ばれたアーサーは、やんちゃでお茶目な性格で、スタッフにもとても愛されていました。

 突然の出来事でアーサーを失うという悲劇に見舞われ、悲しみに沈んでいる一家だが、子供を守ってくれた飼い猫に深く感謝しているという。

 アーサー、どうぞ安らかに。


 そしてもし、猫が毒を持つ生き物と戦うようなことがあったら、異常がないように見えても病院にすぐに連れていこう。

written by Scarlet / edited by parumo
追記:(2021/2/19)本文を一部訂正して再送します。

記事全文はこちら:自らの命と引き換えに毒蛇から子供たちを守った勇敢な猫(オーストラリア) https://karapaia.com/archives/52299414.html
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