アメリカと銃。インディアナ州で拳銃の自由所持・携帯が認められる法案が可決される

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 アメリカは、州により、また銃の種類によってもその登録有無や所持規制が異なるが、このほど、インディアナ州で州民が拳銃を自由に所持・携帯できる法案が州議会下院によって可決された。

 これまで同州では拳銃所持には銃所持許可証の取得が義務付けられたいたのだが、今回の法案が可決されたことで、過去に特定の犯罪を犯していない限り、大人の州民ならば自由に所持、携帯できることになる。
New York Post』などが伝えている。
【インディアナ州で拳銃の自由携帯法案が可決に】

 2月22日、インディアナ州議会下院は、州で拳銃を自由に携帯できる法案を可決した。

 これにより、同州では合法的に誰でも銃の所持と携帯が可能となり、これまでのように政府発行の銃所持許可証が不要となる。

 ただこの法案には、特定の犯罪者に対しては、依然として拳銃携帯を禁ずる可能性があることが明記されているという。

 インディアナポリスに住む銃の所有者で、今回の法案を支持したエリック・ハウスマンさんは、このように語っている。

拳銃の許可プロセスは、法を遵守する市民を結局罰しているのと同じ。市民は、憲法修正第2条という保証された権利に対して、許可証を持つためにお金を支払う必要などないと思う。

 憲法修正第2条とは、合衆国憲法制定(1787年)から4年後の1791年に追加された“人民の武装権”に対するアメリカの権利章典であり、「規律ある民兵は自由な国家の安全保障にとって必要であるから、国民が武器を保持する権利は侵してはならない」という条項だ。

 許可証の発行手続きには費用がかかる。申請費用の合計金額は年間530万ドル(約5億6千万円)にものぼり、ここから地元の警察官の銃訓練にかかる費用が賄われているという。

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【コミュニティの安全性が低下するという懸念の声も】

 現時点では、インディアナ州で拳銃を携帯するためには、ライセンス取得が義務付けられている。

 申請者は18歳以上のみで、オンライン登録し指紋取得を求められる。
180日以内に地元の法執行機関の処理を完了する必要がある。

 しかし新たな法が実施されると、こうした手続きは一切必要なくなるのだ。法案を支持した共和党員のベン・スマルツ議員はこのように話す。

この法案は同州の合法的な市民のためのものです。法律を遵守する人にとって、今までハードルを飛び越えて拳銃を携帯できるようになるのです。

 しかし、インディアナ州警察署長協会ラファイエット警察パトリック・フランネリー署長は、この法案に対して大きな懸念を抱いている。

我々はみな、憲法修正第2条の強力な支持者であることでしょう。ですが、これまでの優れたスクリーニングプロセスを排除してしまうと、銃を携帯すべきではない人たちが、法の自由化によって銃を持り、路上には銃を持つ人が溢れかえることになり、コミュニティの安全性が低下します。

 州のデータによると、2020年は12万人を超える拳銃所持の免許申請者が出たが、そのうちの4%近くは申請を拒否されたという。

 フランネリー警察署長の部署では、身元調査に基づいて、去年は55人が許可証取得を拒否されたそうだ。

 警察がこの法案に対して懸念するように、一部の批評家も「法案が実施されれば、警察は誰が銃を携帯しているのかを把握することは、もはや容易ではなくなるでしょう」と述べている。

 なお、この法案は2022年3月に実施される予定だそうだ。


written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:アメリカと銃。インディアナ州で拳銃の自由所持・携帯が認められる法案が可決される https://karapaia.com/archives/52299614.html
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