
credit:edgarsmission
オーストラリアのビクトリア州にある森で、巨大な毛玉が発見された。よく見るとそれは1匹の羊だった。
羊は5年近く毛刈りを行っていなかったようで、汚れた毛は泥や汚れで固まってしまい、とても歩きにくそうだったという。
保護された羊は35kg分もの羊毛が刈り落とされ、すっきりスリムな普通の羊となった。そのビフォア・アフターの様子がSNSでシェアされると大きな注目を浴びたようだ。
【森で巨大な迷い羊が発見される】
オーストラリアのビクトリア州で、2月5日に不動産メンテナンスのためにとある土地を仕事で訪れていた男性は、隣接している森で巨大な毛玉のかたまりのようなクリーチャーを発見、よく見るとそれは1匹の羊だった。
伸びて汚れで固まった羊毛を纏った羊を見た男性は救助が必要だと判断し、メルボルン北部にある家畜保護団体『エドガーズ・ミッション・ファーム・サンクチュアリー』に連絡した。
同団体に保護された羊はバーラックと名付けられ、スタッフはバーラックを保護区へと運び、5年くらい伸び放題となっていた毛刈りを数人がかりで行った。
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【どこかで飼われていたが、遊びに行ったきり帰らなかった可能性】
団体創設者のパム・エイハーンさんによると、バーラックはどこかの農場で飼われていたが子羊時代、とても元気で好奇心旺盛だったため、ふらっと遊びにいったきりそのまま帰ってこなくなった可能性があるという。
バーラックは伸びた羊毛が原因で角膜が傷つき、瞼の隙間には砂や汚れが溜まり、刺さった草の種が感染症を引き起こして潰瘍ができてしまっていたそうだ。
森の中でゴツゴツした岩の上をよく歩いていたのか、幸いにもバーラックの蹄は良好な状態でした。
バーラックは、どこかで過去に飼育されていたようです。毛が伸びて裂かれた状態になっていましたが、羊毛に覆われた耳には飼育されていたことを示す耳札がついていました。
バーラックの毛刈りビフォア・アフター
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【家畜化された羊は定期的に毛刈りをしないと伸び続ける】
野生の羊なら時期が来ると羊毛が勝手に抜け落ちるが、家畜化された羊は毛は伸び続けるように改良されており毛の重量で歩きづらくなるため、少なくとも年に1回は毛刈りをする必要があるという。
ノースダコタ州立大の羊の毛刈りに関するファクトシートには、羊の毛刈りの重要性が記されてある。
家畜化された羊が毛刈りをしないまま放置すると、羊毛が伸び放題となり、糞尿が毛の周りに絡みつき、感染症を引き起こす可能性もあるようだ。また、健康的な羊毛の量は羊が体温調節に役立つともある。
バーラックがもし保護されていなければ、毛の重さで動けなくなり、様々な感染症を引き起こし、命が危なかったかもしれない。
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【刈られた羊毛は35kg以上に】
スタッフによって、刈られたバーラックの毛はなんと35.4kgにもなった。
すっきりと毛刈りされたその姿は、ほっそりとしていて、実際のバーラックの体重はかなり軽いこともわかった。それほど羊毛が伸び放題となっていたのだ。
しかしバーラックの巨大な羊毛の重さは世界記録にあと一歩及ばなかったようだ。2019年にこの世を去った、やはり迷い羊のクリスが、41.1kgでギネス記録に認定されている。
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バーラックはもう餌を必死で探す必要もなく、捕食者に襲われる危険性もありません。そして何より毛刈りをしたことで視界が大きく広がりました。
目の潰瘍は徐々に治療で良くなっていくと思います。餌をたくさん食べれば体重も増えていくでしょう。
今、バーラックは落ち着いた様子で、スタッフとの間にも信頼が芽生え保護区で仲間と一緒に楽しく暮らしています。私たちが助けたことをバーラックはちゃんと理解してくれているようです。
エドガーズ・ミッション・ファーム・サンクチュアリーは、Facebookでこうコメントを残した。
この投稿を見たユーザーらからは、「ひどい状態だったバーラックを救ってくれてありがとう!」「ビフォアの姿見て、胸が痛んだ」「今は楽園に落ち着いて本当に良かった」「これからも長生きしてね」といった声が寄せられている。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:迷い羊が巨大毛玉化、35kg分の羊毛が刈り落とされたらすっきりスリムに!(オーストラリア) https://karapaia.com/archives/52299654.html
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