
愛する人を喪った時、悲しみに暮れるのは残された家族だけではない。飼われていたペットたちもまた、慕っていた飼い主を失くし、寂しい思いを抱いているようだ。
イタリアのある田舎町に住んでいた男性が、病で他界した。7年間共に暮らしていた飼い犬は、誰が教えたわけでもないのに、亡き飼い主の眠る場所を自力で探し出し、毎日墓参りを続けているという。
【愛する飼い主に旅立たれた犬】
イタリアの田舎町に住んでいたレオナルドさんという男性は、フルミンと名付けた犬をとてもかいわがっており、7年間一緒に暮らしてきた。
ところが、突然レオナルドさんが倒れ、地元の病院へと搬送された。大好きな飼い主が戻って来なくなった家に取り残されたフルミンはとても寂しがり、車が家に近付くたびにレオナルドさんが帰って来たと思い門のところまで駆け寄っていたという。
[動画を見る]
今か今かと飼い主が戻って来るのを待っていたフルミンだったが、レオナルドさんは先月容態が悪化し、家に戻ることなく病院で息を引き取った。
大好きなフルミンに、最後の別れを告げることも叶わなかった。
【亡き飼い主の墓を探し出し、毎日お墓参りを続けるように】
レオナルドさんが亡くなり、娘のサラさんを含む親族は葬儀を出した。飼い主がもう永遠に家に戻ることがないことを察したのか、フルミンは困惑した様子を見せていたが、その後2日間姿を消してしまった。
フルミンがどこへ行ったのか誰もわからなかったが、葬儀の翌日にサラさんが息子とレオナルドさんの墓へ花を供えに行くと、そこに茶色の小さな犬が座っていた。フルミンだった。
[動画を見る]
フルミンは、葬儀の時も傍にいませんでした。なのに、父の墓前に座っていたのです。フルミンがどうやってここに来たのか、なぜ父の墓のある場所を知っているのか…。父の墓前でフルミンに会うなんて全く予期していなかったことでした。(サラさん)
[動画を見る]
しばらくの間、フルミンはレオナルドさんの眠る墓の前に留まっていたが、サラさんたちと一緒に犬小屋へと戻った。
しかし、主を失った悲しみは深く、餌を与えられても食べようとしなかったという。
以降、フルミンはレオナルドさんの墓参りを毎日続けるようになった。家からレオナルドさんの墓までは2キロほどの距離があるが、毎日墓へと向かうフルミンの姿は近所住民らにも目撃された。
誰も、フルミンに墓への行き方を教えた者はいない。それでも、フルミンは愛するレオナルドさんが眠る場所をちゃんと知っていたのだ。
きっと、フルミンは父の愛に導かれたのだと思います。これは、決して説明のつけられないとても不思議な出来事の1つです。
父がどれほどフルミンを愛し、フルミンがどれだけ生前父を慕っていたか、それを思うととても感傷的になってしまいます。
[動画を見る]
今、亡き父の代わりにフルミンを引き取って世話をしているサラさん。「フルミンが悲しむ姿を見るのは辛いけど、一緒に時間をかけてこの悲しみを乗り越えていきたい」と語っている。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:亡くなった飼い主のお墓を自力で探し出し、毎日お墓参りに行く犬(イタリア) https://karapaia.com/archives/52299998.html
編集部おすすめ