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アメリカの医学ジャーナル誌に、15歳少年の驚くべき症例が報告された。鼻をかむ度に悪臭を感じていたという少年の鼻の奥を調べたところ、BB弾が8年間も詰まったままの状態になっていたことが判明したという。
医師により除去手術が行われた後、少年は不快感を覚えることなく普通に鼻をかめるようになったということだ。『IFL Science』などが伝えている。
【鼻に不快感を覚えた15歳少年が医師の診断を受ける】
2月18日のジャーナル誌『JAMA Otolaryngology–Head & Neck Surgery』には、鼻の両側の鬱血と嗅覚減退を訴えた15歳少年の症例が掲載されている。
少年の家族は、最近怪我をするようなことがあったか尋ねる医師に、顔面に外傷を負うような事故はなかったこと、アレルギー症状もないことを伝えた。
少年は、薬物接種や飲酒、喫煙経験もなく、鼻以外はいたって健康体だった。
医師は、少年の扁桃腺も正常で、特に問題は見当たらないと診断したが、念のために鼻内視鏡検査を実施した。
しかし、腫瘤やその他の病変など懸念すべき兆候が見つからなかったため、鼻洗浄液と鼻腔内ステロイドスプレー、抗ヒスタミン薬を少年に処方し、4~6週間後に再び診察に来るよう指示した。
その後しばらく少年が病院にくることはなかったが、1年後にやってきた。
この時、少年は前回の症状に加え、鼻をかんだ時に悪臭がするという新たな症状を抱えていたという。
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【CT検査で鼻にBB弾が留まっていることが判明】
医師は、少年にCTスキャン検査を実施した。すると、9ミリほどの小さな球形のようなものが少年の鼻腔に留まっていることがわかった。
Man Hospitalized After Holding His Nose And Covering His Mouth While Sneezinghttps://t.co/kGxFFuOnJp pic.twitter.com/bhLnWVA5zK
— IFLScience (@IFLScience) March 5, 2021
そして、その異物の周りには、慢性的な炎症や壊死、または瘢痕(はんこん)化によって引き起こされる可能性のあるカルシウムの沈着物があった。
早速、異物除去の手術が行われたが、その異物は果たしてBB弾の小さな金属の弾丸だったことが判明した。
家族によると、少年が8、9歳の時に鼻をBB弾で撃たれる出来事があったという。しかし、当時は特に症状も出なかったため、本人も家族もまさかBB弾が鼻の奥に留まったままだったとは思ってもいなかったようだ。
しかし、8年程の間それはずっと鼻の健康的な組織の下に留まっていたために、臭いが生じるまでになり、くしゃみをしても鼻をかんでも、BB弾が出てくることはなかったのだ。
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症例報告を発表した論文の共同執筆者、テキサス州サンアントニオのテキサス大学ヘルスサイエンスセンターの医学生ディラン・Z・アーウィンさんは、「異物が鼻に留まっていたことにより、自然な排液経路の閉塞を引き起こし、粘液や吸入された埃、細菌が蓄積してしまったようだ」と述べている。
8年も前に起こった出来事とはまるで無関係だと思い込んでいた少年と家族にとって、驚くべき事実を知る結果となった。
だが、幸いにも少年は重篤な感染症などは発症しておらず、BB弾の除去後は鼻をかんでも悪臭が広がることはなくなったそうだ。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:8年間鼻にBB弾が詰まっていた少年、鼻をかむ度ひどい悪臭に悩まされていた https://karapaia.com/archives/52300196.html