ダイオウイカと死闘を繰り広げていたマッコウクジラの死体が打ち上げられる(オーストラリア)


 オーストラリア南岸の沖合に位置するフィリップ島の海岸に、歯のある動物の中では世界最大種のマッコウクジラの死体が打ち上げられた。

 死体の表面には、吸盤の痕のようなものが発見されており、世界最大級の無脊椎動物、ダイオウイカと格闘していたことがうかがえるという。


 マッコウクジラとダイオウイカの死闘が海の中で展開されていたと思うと胸が熱くなる思いだ。
【海岸に打ち上げられた巨大なマッコウクジラの死体】

 フィリップ島のフォレスト・ケイブ・ビーチに、メスのマッコウジクラの死体が打ち上げられたのは3月6日のこと。

 その腐乱死体からは、5キロ先でもわかるほど強烈な悪臭を漂わせているにも関わらず、大勢の野次馬が集まっており、あまつさえ泥棒が現れて夜のうちに顎の一部を持ち去ってしまったとのことだ。

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 ビクトリア州環境・土地・水・計画局(DELWP)は、死体の300メートル以内に近づくことや、一部でも死体を持ち去ることを禁じている。

 それも理由あってのことだ。死体にはどんな病原菌が潜んでいるのか分からないため、うかつに触れるのは危険なのである。
しかも腐臭につられて、お腹を空かせたサメまで寄ってくる。

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【ダイオウイカとの格闘の痕が体に残されていた】

 危険な死体でも、生物学者にとっては格好の研究素材だ。専門家の検査では、死体の表面に吸盤の痕のようなものが発見されており、どうやらダイオウイカと格闘したらしいことがうかがえるという。

 マッコウクジラの体長は15メートル前後、対してダイオウイカは特に大きなものは体長18メートルを超えたとも言われており(日本での発見例では最大で6.5メートル)どちらも巨大種だ。

 ブヌロン環境センターのマイク・クリーランド氏によると、吸盤の直径は最大のもので10センチもある。

 マッコウクジラは1キロ以上も潜ってダイオウイカを食べることがあるのだが、イカも身を守ろうと触手をからめて抵抗するので、そのときに吸盤の痕がつくのだそうだ。


 ただし、このクジラが死んだ理由がダイオウイカとの戦いによるものかどうかは不明だそうだ。明確な死因はわからず、ただ普通に寿命を終えて、浜に漂着しただけという可能性もあるそうだ。

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【マッコウクジラとダイオウイカの発見例が続々と】

 悪臭や病気が気になる死体だが、車や重機を持ち込むには難しい場所であるとのことで、そのまま放置される見込みであるという。なお今月11日には、フィリップ島沖合でまた別のマッコウクジラの死体が発見されている。

 ちなみに日本では2月28日にダイオウイカの死体が海岸に打ち上げられたとしてTwitterで話題となっていた。今年1月末には島根県で体長4メートルのダイオウイカが生きたまま捕獲されやはり話題となっていたが、もしかして、日本のダイオウイカとオーストラリアのマッコウクジラ、戦ってる??

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