
いまや画像加工・映像編集技術の発達により、リアリティのあるフェイク画像や映像を簡単に作り出すことができる。だが、その道の専門家を騙すのはちょっと難しい。
だから、未確認生物の専門家が地中海の海底に沈んでいる大きな骨の映像を見て、映像自体は本物だが、なんの生物なのか特定することは難しい、と言ったら、それはじっくり調べてみる必要がある。
以下の映像は地中海の海底にある、ガス・石油産業が設置した遠隔操作車両のオペレーターがとらえた謎の巨大な骨である。
【特定ができない海底の巨大な謎の骨】
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The Remains of an Strange Creature Found On The Ocean Floor. Can You Identify This Mystery Animal?
英国ビッグフット研究グループなどの創設者で、不可解なものの調査で有名なデボラ・ハッツウェルは、ガス・石油産業用の遠隔操作(ROV)車両のオペレーターが撮影した映像に困惑していると正直に認めた。
驚くような目撃情報やブログ、写真、動画を、全世界の人たちと共有できるのをずっと光栄に思ってきましたが、今日はすごいですよ。
正体のわからない海の怪獣のような生き物の骨の画像があるのです。その大きさから、これはクジラやダイオウイカ、リュウグウノツカイの骨ではないことは確かです。
でも、なんの動物のものなのか、なんのゲノムから解析を始めなくてはならないのかもわからないのです
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【鯨ではないことは確か】
この動画は、2017年に撮影されたものだが、このコロナ禍や仕事の性質上、撮影者の男性とのインタビューはいまだに実現していない。
オペレーターの潜水経験やROV(遠隔操作)技術は確かで、動画に見られる長い背骨をもつ生き物は、明らかにクジラなどの既知のものではないという彼の見解は信用できると、ハッツウェルは確信している。
ハッツウェルは、クジラの骨には背骨に120度の間隔で3つの肩胛骨がついているが、この生き物には2つしかついていないように見えると説明する。そして、オペレーターの意見も紹介している。
骨周辺の海底の泥から、多くの陶製のアンフォラの壺が突き出ていたため、骨ははとても古いものではないかと思われ、1000年以上そこにあった可能性があります。骨の全長は30メートルもの長さがあり、ヘビのような生き物のものに見えます
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【巨大ウミヘビなのか?】
30メートルのウミヘビ? 地中海は、ホメロスの『オデュッセイア』やアリストレテス、ヘブライ語聖書『リヴァイアサン』にさかのぼるウミヘビや海の怪物の物語の舞台だ。
ドラゴン神話も多く、空飛ぶドラゴンが海上で撃ち落とされ、海底に沈んだという可能性もある。今日では、地中海でのウミヘビやドラゴンの目撃はまれだが、このROVオペレーターは、骨はかなり古いものに見えると強調している。
可能性がありそうな大きさの生き物はマッコウクジラだけだが、それでも体長18メートルは超えないため、問題の骨はクジラのものではない証拠を示しているとハッツウェルは言う。
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クジラの骨格
それなら、これはいったいなんの生物なのだろうか? 集団絶滅を生き延びた恐竜? ネッシーの親戚?
シロナガスクジラか、ジブラルタル海峡を通り抜けたその祖先だろうか? ヨルムンガンド(北欧神話に登場する毒蛇の怪物)か、北大西洋からはるばるやってきたべつのスカンディナビアのウミヘビか? リヴァイアサンが本当に存在していた証拠なのだろうか?
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想像は尽きないが、地中海の海底に眠るこの巨大な骨格を研究する専門家が、憶測ではなく、はっきりした見解を示してくれることを、ハッツウェルは期待している。
正確にどの地点でこの骨が目撃されたのか、詳しい情報はないため、現場に戻ってもう一度探すのは不可能だという。まだそこに骨があるとしても、ROVのアームが簡単に骨を砕いてしまっている。
あるいはこの映像に我々が騙されているのだろうか?
オペレーターやデボラ・ハッツウェルの誠実さは信じられるが、この骨はいったいなんの生き物のものなのか、あなたはどう思うだろうか?
References:Mysterious ‘Sea Monster’ Skeleton Found on the Bottom of the Mediterranean | Mysterious Universe/ written by konohazuku / edited by parumo
記事全文はこちら:地中海の海底で発見された謎めいた巨大生物の骨 https://karapaia.com/archives/52301916.html
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