
近年、中国では斬新さと冒険を求める観光客を魅了するスポットとして、ガラスの吊り橋が人気となっている。
しかし、このほど吉林省にある吊り橋で、強風に煽られたガラス床がはがれ落ち、観光客の1人が立ち往生するという事故が発生。幸いにも安全に避難することができたが、ネット上では橋の安全性に対する懸念を引き起こしたようだ。『The Straits Times』などが伝えている。
【観光スポットの吊り橋のガラス床が強風で剥がれる】
中国吉林省延辺朝鮮族自治州・竜井市の琵岩山文化観光風景区で、5月7日の午後12時45分頃、強風が発生した影響で吊り橋のガラス床が剥がれて落下し、観光客1人が取り残されるという事態が発生した。
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A terrifying image purportedly shows a man clinging on the railing
長さ400メートル、地上からの高さが100メートル以上あるこの吊り橋は、床がガラスになっており、骨組みや眼下の景色を直接見ることができることで、観光客に人気のスポットとなっていたようだ。
幸いにも、事態にいち早く気付いた現地係員が消防署と警察に通報し、男性は彼らの誘導のもと、午後1時20分頃には安全な場所へと避難することができた。
その後、男性は念のために病院へと搬送されカウンセリングも受けたようだが、心身ともに特に問題はなかったという。
Glass bridge in China breaks due to high winds…
— Brian (@catymandoo) May 9, 2021
<shudder> pic.twitter.com/PRz72mob2K
【橋の安全性に対する懸念の声相次ぐ】
このニュースが伝えられると、SNSでは橋の安全性に対する国民の懸念の声が相次いだ。
中国では、近年ガラスの吊り橋が新たな観光スポットとして人気となり、2016年以降江西省や湖南省、雲南省などで、少なくとも60の吊り橋が建設されているという。
最も有名なのは、湖南省の観光地スポット「張家界」にあるガラスの橋で、長さ430メートル、幅6メートルの吊り橋が2つの急な崖の間に、地上300メートルの高さで設置されている。
更に恐ろしいのは、中国北部の東太行山の断崖絶壁に設置された全長266メートルのガラスの通路で、歩行者が通ると、ガラスの床が突然割れ始めるというエフェクトが施されており、その恐怖体験を楽しむというタイプのものまで存在する。
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しかし、重要なのはその安全性だ。河北省など一部の地方自治体では、ガラスの吊り橋と歩道の技術基準を発表し、材料や設計、場所、建設に関するガイドラインを設定している。
今回の事故が発生した吉林省竜井市では、事故後は区域を封鎖し、全面的な安全点検を行うことを発表しているということだ。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:地上100メートルの吊り橋のガラスの床が強風で落下、観光客が立ち往生(中国) https://karapaia.com/archives/52301921.html