
イギリスを本部に持ち、世界40か国に約12万人という多くのメンバーを抱える「メンサ(Mensa)」は、人口上位2%の知能指数 (IQ) を有する者の交流を主たる目的とした非営利団体だ。
メンサのメンバーには、発明家や薬理学者、生化学者や経済学者、そして公認会計士などいかにも数字に強そうな人たちが揃っているが、他にも俳優や小説家、プロボクサー、タレント、デザイナーなど実に様々な職業の人たちがいる。
メンサのメンバーは、必ずしも数学などの理系を得意とする人たちだけではなく、高いIQだがむしろ数学が苦手という人もいるようだ。事実、メンサのテストでは、ごく簡単な数字の問題が出されるだけだという。
【数学が得意じゃなくても知能指数が高い人もいる】
普段、数学が苦手な人は自分を賢くない、もしくは少なくとも数学を得意とする人ほど自分は頭が良くないと思う傾向にあるようだ。
しかしメンサによると、それは間違っているという。事実メンサのメンバーの多くは、数学が苦手でも高い知能指数を持つ人が存在している。
協会のテストには、足し算や引き算、掛け算などの基本的な算術しか含まれておらず、数学の問題はパターン認識の目的のみだそうだ。
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【知能指数は論理、パターン認識、思考の速度で診断】
メンサの広報担当者アン・クラークソンさんは、次のように述べている。
人々は、常に高い知性と数学が相関していると想定しがちですが、実際はそうではありません。
メンサのメンバーの中には、数学が苦手という人が大勢います。一方で、得意だという人ももちろんいます。
問題が発生するのは、「IQテスト」とラベル付けされた数学のパズルを見て、IQテストで高得点を取るには数学が得意でなければならないと考えてしまう人がいるということです。
実際には、本物のIQテストには非常に基本的な計算以外の数学は含まれていません。
IQのテストは、学習した知識ではなく、論理やパターン認識、思考の速度を評価します。
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【メンサで出題された問題を解いてみよう!】
では、クラークソンさんが挙げた実際のメンサのテストの例を紹介しよう。
1、3、6、10、?、21、28という数字の順序で、「?」に入る数字は何?
あなたは、すぐにわかっただろうか?(答えは記事の最後にあります)
この例が示すように、必ずしも複雑な方程式がIQレベルを決めるわけではないのだ。
ロンドンを拠点とするグラフィック・デザイナーのカジャ・コッゲルマンさん(45歳)は、メンサのIQスコアが142だが、学校では数学が苦手だったことを認めている。
基本的な数学は大丈夫ですが、複雑なものは苦手です。方程式を解くのはとても難しいと感じるし、かなり集中しないとできません。
数学の問題に直面した時に、脳の活動が高まる人もいれば、低下してストレスを感じる人もいます。私はどちらかというと、数字より言葉の方が得意ですね。
要は、もしあなたの脳が数学を苦手としていても、決してそれはあなたが愚かだということにはならないということです。
では先ほどの問題の答え合わせをしよう。
答えは 15
1に2を足せば3、3に3を足せば6、6に4を足すと10…というふうに考えていくと、10に5を足した数字が「?」にくることがわかる。
Top image:photo by Pixabay /References:Mirror / written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:知能指数が高い人は全員数学が得意というわけではない。
メンサで出題される問題を解いてみよう! https://karapaia.com/archives/52303011.html
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