
ベトナム戦争中、父親に連れられジャングルにこもり、2歳の時から人間社会と隔絶した生活を送っていたホー・ヴァン・ランさんは、8年前に救出されベトナムの小さな村に引っ越してきた。
彼は41年間女性の存在を知らなかったという。
女性の存在を知った今でも、その本質的な違いについてはわかっていないようで、生殖本能もなさそうだという。
【ベトナム戦争中に父親とジャングルにこもった男性】
1972年、ベトナム戦争中に米軍の爆撃で母親とほかの2人のきょうだいが亡くなり、当時2歳だったランさんは父親に連れられて文明社会から逃げ出した。
今でも、父親はベトナム戦争が終わったことを信じていないため、戦争中の恐怖を病的に怖れていて、いずれはジャングルに戻りたいと思っている。
ランさんは、人生のほとんどをクアンガイ省タイ・トラ地区にあるジャングルの奥深くで過ごした。
彼は、あらゆる手段で獲物を狩るのに長けていて、果物、ハチミツ、サル、ヘビ、トカゲ、カエルなどを食料として、完全に野生の中で生きてきた。ちなみに、ネズミの部位で一番おいしいのは頭だそうだ。[画像を見る] 【41年間、女性の存在を知らなかった】
現在49歳のランさんに女性について知っているかと訊いたところ、父親からなんの説明も受けたことはないが、村で見たことがあると答えた。
ジャングルで暮らしていたとき、姿を見かけたことがある人間は5人だけで、いずれも、すぐに逃げて隠れたという。
2015年にランさんたちを追跡していたアルヴァロ・チェレゾ氏によると、彼らは遠くから人間の姿を見かけると必ず逃げたという。
ランさんにとって、社会生活を営むスキルの欠如は、克服すべき大きなハードルのひとつだ。
チェレゾ氏はこう語る。
さらに驚いたのは、ランは男女の区別はつくようになったけれど、その本質的な違いについては、いまだわかっていないということだ。[画像を見る] 【社会的概念を持たないランさんも徐々に現代人らしく】ランには性的欲望はほとんどなく、生殖本能が抑えられないということは一度もないと思う
ランさんの弟は、彼のことを大人の体をした赤ん坊だと言っていて、多くの基本的な社会的概念を理解していないという。
ランは人生のほとんどをジャングルの中で過ごしてきた。誰かを叩きのめせと言われたら、徹底して激しく叩きのめすだろう。村に戻ってきた最初の1年は、ある種の細菌に感染して大変な思いをしたが、ランさんは新しい生活に楽しそうに順応しつつあるらしい。
彼は善悪の区別のわからないほんの子どもで、なにも知らない。ほとんどの人は人生で善悪はなにかを知るが、彼にはわからないのだ
ジャングルでは敵対的だったのに比べて、動物が人間と仲良くしているのを見るのがお気に入りだという。ランさんは善悪の区別がわからないだけで、もっとも愛すべき人間なのかもしれないと、チェレゾ氏は語った。
References:Extraordinary Man Didn’t Know Females Existed For 41 Years - UNILAD / written by konohazuku / edited by parumo
記事全文はこちら:41年間女性の存在を知らなかった男性 https://karapaia.com/archives/52303734.html
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