深海で発見された真っ赤なクラゲ、新種の可能性も


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 地球のミステリーゾーンである深海ではこれまでも電球を体内に宿したように光る個体変幻自在なゴーストめいた個体などさまざまなクラゲが見つかってるが今年7月、またもユニークなクラゲが見つかった。

 パッと目を引く赤いボディが印象的なこの個体は、アメリカの海洋大気庁(NOAA)の探査艇が大西洋の深海で遭遇したという。

 ミズクラゲ科のリンゴクラゲの仲間とみられ、新種の可能性もあるという。

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深海で真っ赤なクラゲに遭遇!しかも新種の可能性 こちらは先月7月北大西洋で探索プロジェクトを行ったアメリカの海洋大気庁NOAAのチームが遭遇したクラゲの様子だ。

 およそ1カ月間にわたる探索期間が間もなく終わる28日、水深約700メートルあたりで発見したという。

 鮮やか赤色が印象的なこのクラゲは、ミズクラゲ科Poralia属(リンゴクラゲ属)に分類されると考えられているが、これまでに学術的な記録が見つからないことから新種の可能性があるという。

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 現在Poralia属に分類されている既知のクラゲはPoralia rufescensのみで、この1種だけでPoralia属を構成している。

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 だが今回見つかった個体に関しては、複数の専門家が「見慣れぬクラゲ」とみなし、Poralia rufescensにしては触手の数が多めな点にも注目しているという。

【参考】海洋探査船ノーチラス号が2018年に公開したPoralia rufescens。赤い巾着袋めいた姿で泳いでる。一見似てるけど触手長めで確かに本数少ないかも?

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Pulsing Poralia Jelly | Nautilus Live防御と獲物の捕獲用?外皮に刺胞瘤をもつPoralia属か クラゲに遭遇したNOAAの広報は以下のように述べている。
このクラゲは外皮(クラゲの傘の表面)に刺胞瘤をもつようです。その器官はおそらく防御と獲物の捕獲の両方に使えるものなのでしょう。またPoralia属の個体にある放射状の水管系はしばしば不規則に分かれます。それは他のクラゲにはまずみられない特徴です
 今回NOAAが遠征したのは、北大西洋のメキシコ湾流近辺の中深層だ。その深さはおよそ200~1,000メートルまでの日光が届く限界領域で、それより下は真っ暗闇になることからトワイライトゾーンとも呼ばれているそうだ。

 なお以下は探索で活躍した遠隔無人潜水機(ROV)と新種とみられる赤色クラゲの2ショット。真ん中の赤い点みたいのがクラゲらしいぞ。

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 この潜水機はLEDライトを20個も搭載。光に乏しい深海でも高解像度の映像を記録できる高性能マシンだという。

 はからずもトワイライトゾーンで見つかっちゃった真っ赤なクラゲ。リンゴクラゲのお仲間なんて紹介されたら味のほうもついつい期待しちゃうけど、やっぱ食べたらアカンやつなのかな。

References:thisiscolossalなど /written by D/ edited by parumo

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