
Photo by:DGC Records
訴訟大国アメリカで、また訴訟問題が起きた。アメリカのロックバンド『ニルヴァーナ』といえば、セカンドアルバム「Never Mind」のプールを裸で泳ぐ赤ちゃんのカバージャケットを思い浮かべる人は多いだろう。1991年に発売された「Never Mind」は世界で3千万枚以上を売り上げる大ヒットとなった。
このアルバムに起用された赤ちゃんは現在30歳となっているが、この写真は児童ポルノあたるとし、性的搾取を理由にバンドのメンバーや写真家、レコード会社などを提訴したことが『New York Post』などで報じられている。
性的搾取として赤ちゃん役の男性が15人相手に訴えを起こす ニルヴァーナのセカンドアルバム「Never Mind」のジャケットに起用されたのは、当時生後4か月の赤ちゃんだったスペンサー・エルデンさんである。
釣り針にかかった1ドル札に手を伸ばしながら裸でプールを裸で泳ぐ赤ちゃんの姿が印象的なこの写真は、大反響を呼んだ。
だが、アルバム発売から30年以上経った現在、エルデンさんはその写真が連邦児童ポルノ法に違反する性的搾取であると裁判所に訴えを起こした。
現在、30歳のエルデンさんは、生存するニルヴァーナのメンバー、およびボーカルの故カート・コバーンさんの遺産管理団体、デザイナーのロバート・フィッシャーさん、レコード会社、そしてアルバムジャケットの写真を撮影した写真家のカーク・ウェドルさんら合計15人を相手に、1人当たり15万ドル(約1650万円)の損害賠償金と裁判費用を求めている。
[動画を見る]
Man photographed as baby for Nirvana 'Nevermind' cover sues band, alleges child pornography写真の使用を許可する文書に署名していないと主張 写真家の男性はエルデンさんの父親の友人であり、当時は知名度が低かった同バンドの写真を撮影させてほしいとエルデンさんの両親に依頼。
しかし、この時エルデンさんは生後4か月で、当然写真の使用許可書に署名できるはずもなく、撮影されたことも全く覚えていない。また、その後も「Never Mind」の商業的成功を受けての報酬も受け取ってはいないという。
一方、エルデンさんの両親も、写真の使用許可に関する契約書を交わしていなかったものの、報酬として200ドルを受け取ったとされている。
この写真はプールで裸で泳ぐエルデンさんの先に、釣り針にぶら下がった1ドル札を合成したもので、資本主義に対する皮肉として理解されていた。「生涯にわたり精神的苦痛と損害を被る」とエルデンさん 今回提訴をしたエルデンさんは、この写真は「児童ポルノ」だと主張。また、自身の写真が使用されるのを当時の自分が承諾するのは不可能だったことから、「性的搾取が阻止されることも、保護されることもなかった」「今後も生涯にわたり、精神的苦痛と収入獲得能力の喪失を受ける」と言及。
更には、「あの写真について、バンドは性器を覆うと約束したにも関わらずそれが現実とはならなかった」とも述べている。
この時の報酬は、当時両親が受け取った報酬と同額の200ドルだったそうだ。[画像を見る] エルデンさんはかつて、「何か変だけど、重要な一場面になれたことはすごいこと」と口にしていたが、メディア取材にはアルバムのジャケットに自身の写真が使用されたことについて「完全には受け入れていないし、何らかの法的手段を取ることも考えている」と語っていたという。
今年8月24日、法廷書類をカリフォルニア州の裁判所に提出したエルデンさんは、陪審員による裁判の開催を求めているとも伝えられている。
一方、この件についてニルヴァーナの代理人や元メンバーが所属するレコード会社らは、現時点では公的なコメントを発表していない。
written by Scarlet / edited by parumo
追記:(2021/08/26)タイトルを訂正して再送します。
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訴訟大国アメリカで、また訴訟問題が起きた。アメリカのロックバンド『ニルヴァーナ』といえば、セカンドアルバム「Never Mind」のプールを裸で泳ぐ赤ちゃんのカバージャケットを思い浮かべる人は多いだろう。1991年に発売された「Never Mind」は世界で3千万枚以上を売り上げる大ヒットとなった。
このアルバムに起用された赤ちゃんは現在30歳となっているが、この写真は児童ポルノあたるとし、性的搾取を理由にバンドのメンバーや写真家、レコード会社などを提訴したことが『New York Post』などで報じられている。
性的搾取として赤ちゃん役の男性が15人相手に訴えを起こす ニルヴァーナのセカンドアルバム「Never Mind」のジャケットに起用されたのは、当時生後4か月の赤ちゃんだったスペンサー・エルデンさんである。
釣り針にかかった1ドル札に手を伸ばしながら裸でプールを裸で泳ぐ赤ちゃんの姿が印象的なこの写真は、大反響を呼んだ。
だが、アルバム発売から30年以上経った現在、エルデンさんはその写真が連邦児童ポルノ法に違反する性的搾取であると裁判所に訴えを起こした。
現在、30歳のエルデンさんは、生存するニルヴァーナのメンバー、およびボーカルの故カート・コバーンさんの遺産管理団体、デザイナーのロバート・フィッシャーさん、レコード会社、そしてアルバムジャケットの写真を撮影した写真家のカーク・ウェドルさんら合計15人を相手に、1人当たり15万ドル(約1650万円)の損害賠償金と裁判費用を求めている。
[動画を見る]
Man photographed as baby for Nirvana 'Nevermind' cover sues band, alleges child pornography写真の使用を許可する文書に署名していないと主張 写真家の男性はエルデンさんの父親の友人であり、当時は知名度が低かった同バンドの写真を撮影させてほしいとエルデンさんの両親に依頼。
しかし、この時エルデンさんは生後4か月で、当然写真の使用許可書に署名できるはずもなく、撮影されたことも全く覚えていない。また、その後も「Never Mind」の商業的成功を受けての報酬も受け取ってはいないという。
一方、エルデンさんの両親も、写真の使用許可に関する契約書を交わしていなかったものの、報酬として200ドルを受け取ったとされている。
この写真はプールで裸で泳ぐエルデンさんの先に、釣り針にぶら下がった1ドル札を合成したもので、資本主義に対する皮肉として理解されていた。「生涯にわたり精神的苦痛と損害を被る」とエルデンさん 今回提訴をしたエルデンさんは、この写真は「児童ポルノ」だと主張。また、自身の写真が使用されるのを当時の自分が承諾するのは不可能だったことから、「性的搾取が阻止されることも、保護されることもなかった」「今後も生涯にわたり、精神的苦痛と収入獲得能力の喪失を受ける」と言及。
更には、「あの写真について、バンドは性器を覆うと約束したにも関わらずそれが現実とはならなかった」とも述べている。
Never Mindアルバム発売25周年記念にはカバー再現もしていた エルデンさんは、Never Mindがアルバム発売25周年を迎えた2016年に、別の写真家にカバー写真の再現として同じポーズで記念撮影を受けている。Nirvana and Kurt Cobain's estate are being sued by the baby from their famous "Nevermind" album cover. https://t.co/9M4sQGWHP3
— TMZ (@TMZ) August 25, 2021
この時の報酬は、当時両親が受け取った報酬と同額の200ドルだったそうだ。[画像を見る] エルデンさんはかつて、「何か変だけど、重要な一場面になれたことはすごいこと」と口にしていたが、メディア取材にはアルバムのジャケットに自身の写真が使用されたことについて「完全には受け入れていないし、何らかの法的手段を取ることも考えている」と語っていたという。
今年8月24日、法廷書類をカリフォルニア州の裁判所に提出したエルデンさんは、陪審員による裁判の開催を求めているとも伝えられている。
一方、この件についてニルヴァーナの代理人や元メンバーが所属するレコード会社らは、現時点では公的なコメントを発表していない。
written by Scarlet / edited by parumo
追記:(2021/08/26)タイトルを訂正して再送します。
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
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