
私たちの家の中にはいたるところにホコリがある。ハウスダストと呼ばれるものだ。
外からやってきたのか?私たちが着ている衣服の繊維なのか、皮膚の細胞なのか?ペットが持ち運んでくるのか?
どれも正解といえるが、ホコリは、さらにいろんなもので構成されている。ここでは、ホコリの正体について学んでみよう。
35か国を調査してわかったホコリの秘密 オーストラリアのマッコリー大学では、世界中の人たちから、家のホコリ(埃)を提供してもら
う「DustSafeプログラム」を実施している。
掃除機の中にたまったゴミをそのままポイする代わりに、大学に送ってもらい、それを詳しく分析する。その結果、ホコリの秘密がだんだんわかってきた。トータルで35ヶ国がこのプログラムに参加している。
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ハウスダストの正体 これまでわかったことを紹介しよう。
ホコリはありとあらゆるところに存在する。自然環境の全てに存在する。砂や土、さらには宇宙からやってくるものもあるが、ハウスダストの中には以下のリストに挙げるような厄介なホコリも含まれている。
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ハウスダストの3分の1は、家の中のものが原因だが、残りの3分の2は外気、衣類、ペット、靴などから持ち込まれる外からのものだ。
あなた自身やあなたのペットが、皮膚の細胞や毛を絶えず落としてホコリの原因を作っている。
ペットが家の中に排泄物などのさまざまな有機汚染物を持ち込んでいると思うといい気持ちはしないかもしれない。だが、ある種のホコリは、あなたの免疫システムを助け、アレルギーのリスクを軽減する効果があるという新たな有益性が注目されている。
一方、室内での調理、暖炉、喫煙などによって発生する非常に細かい塵には、健康に害を与える有害な汚染物質が含まれている可能性があるという。
家の中のホコリには、国連のストックホルム条約で定められた残留性有機汚染物質など、さまざまな化学物質が含まれており、これらは特定のガンや先天性欠損症、免疫系や生殖系の機能不全、病気にかかりやすい体質、神経系の損傷などと関係している。
殺虫剤や、私たちの衣類や家具に使われている化学物質も、ハウスダスト中に含まれている。有害な難燃性剤は、子供のパジャマを含む無数の身近な家庭用品に使われていて、それがホコリに紛れ込む可能性は当然ある。
衣類やパッケージ、絨毯類、家具などに付着したマイクロプラスチックも見つかっている。これらは簡単に吸い込んでしまい、体の中に取り込まれる。特に口に手をやることが多い小さな子どもは心配だ。
ペルフルオロ化合物(PFAS)は、自然界で分解されないため、永遠の化学物質とも言われていて、化粧品や焦げつかないようテフロン加工された鍋など多くの家庭用品に使用されている。これらの化学物質もハウスダストとして存在する。
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3分の2は屋外から入ってくるホコリ 家の中のホコリのおよそ3分の2は、外から入ってきたものだ。
庭の土や道路のホコリが、あなたの靴底にくっついて持ち込まれたり、風の強い日に吹き込んできたりする。戸外のホコリの粒子がペットの毛にくっついて運び込まれたり、車の排ガスが入ってくることもある。
最近の砂嵐は、農地や砂漠地帯の表土を、都市にある私たちの家の中に運んでくる。
山火事が、大気中に微細な粉塵を発生させ、そこに過去の汚染が原因の毒性成分が含まれることもある。
近くに鉱山や工場がある場合、そこから発生する粉塵が、子どもたちを有害物質にさらす結果になることもある。
また、空気が悪く、湿気の多い家は、病気や死の原因になる。
ある種の粉塵は、とくにたちが悪い。珪肺症の粉塵や、家のリフォームなどで発生するアスベストは、その仕事にたずさわっていた人たちを新たな危険にさらす心配がある。
殺菌剤や抗菌剤製品の過度な使用も、抗生物質耐性遺伝物質がはびこる原因に関係していて、ホコリからそれらが検出されることもある。
オーストラリア人のおよそ5人にひとりが、花粉症に悩んでいる。これは、ダニ、花粉、ペットのフケや皮膚の破片など、アレルゲンに関連するホコリが原因で引き起こされる。
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ホコリ対策をとる ハウスダストは生活の一部だ。たとえ家を閉めきっていたとしても、室内の空気中から落ちてきたり、天井付近の装飾や屋根裏の空間、窓やドアの隙間から、いつの間にやらやってくるのだ。
土や煙、繊維、粉砕されたもののどんな粒子も、空気中にあるものはいずれ下へ落ちてくる。
ホコリが家の中に入らないようにするのに、できることはいっぱいある。
ドアマットを活用して靴の泥を落とし、靴は玄関で脱ぐ。泥だらけの子どもやペットは、家の中に入る前によくタオルで拭き、汚れた作業服などは、脱いでから家の中に入るようにする。
家の中に入れても構わない化学物質や、その利用法を賢く選択する。
プラスチック、殺虫剤、防水剤を使うのを減らせば、化学物質がたまるのを防ぐことができる。不必要な抗菌製品も使わない。湿らせた布に洗剤をつけて拭くだけで、ホコリをきれいにすることができる。
定期的に掃除機をかけることも、大きな効果がある。HEPAフィルターなどの微粒子除去フィルターのついた掃除機は、アレルギーの原因となるホコリを取り除くのにかなり効果的だ。
乾いたクロスや羽ぼうきで掃除をするのは、空気中にまたホコリを舞い上がらせてしまう可能性があるため、濡れたクロスを使うほうがいい。
硬い床の表面を濡れモップがけすれば、拭き掃除や掃除機をかけたときに残った細かいホコリを取り除くことができる。
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やはりマメな掃除が一番の対策となるようだ。
References:What is dust? And where does it all come from? / written by konohazuku / edited by parumo
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これらはどこからきて、掃除してもすぐに戻ってくるのはなぜなのか?そんな疑問を持ったことはないだろうか?
外からやってきたのか?私たちが着ている衣服の繊維なのか、皮膚の細胞なのか?ペットが持ち運んでくるのか?
どれも正解といえるが、ホコリは、さらにいろんなもので構成されている。ここでは、ホコリの正体について学んでみよう。
35か国を調査してわかったホコリの秘密 オーストラリアのマッコリー大学では、世界中の人たちから、家のホコリ(埃)を提供してもら
う「DustSafeプログラム」を実施している。
掃除機の中にたまったゴミをそのままポイする代わりに、大学に送ってもらい、それを詳しく分析する。その結果、ホコリの秘密がだんだんわかってきた。トータルで35ヶ国がこのプログラムに参加している。
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ハウスダストの正体 これまでわかったことを紹介しよう。
ホコリはありとあらゆるところに存在する。自然環境の全てに存在する。砂や土、さらには宇宙からやってくるものもあるが、ハウスダストの中には以下のリストに挙げるような厄介なホコリも含まれている。
・微量金属
・放射性元素
・抗生物質耐性遺伝物質
・マイクロプラスチック
・ペルフルオロ化合物(PFAS):消火用フォーム、布やカーペットの防汚・防水加工、一部のパッケージなどに含まれるフッ素加工された化学物質
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ハウスダストの3分の1は、家の中のものが原因だが、残りの3分の2は外気、衣類、ペット、靴などから持ち込まれる外からのものだ。
あなた自身やあなたのペットが、皮膚の細胞や毛を絶えず落としてホコリの原因を作っている。
さらに、虫の死骸が粉々になったものや、食べ物のカス、プラスチックや土なども交じっている。
ペットが家の中に排泄物などのさまざまな有機汚染物を持ち込んでいると思うといい気持ちはしないかもしれない。だが、ある種のホコリは、あなたの免疫システムを助け、アレルギーのリスクを軽減する効果があるという新たな有益性が注目されている。
一方、室内での調理、暖炉、喫煙などによって発生する非常に細かい塵には、健康に害を与える有害な汚染物質が含まれている可能性があるという。
家の中のホコリには、国連のストックホルム条約で定められた残留性有機汚染物質など、さまざまな化学物質が含まれており、これらは特定のガンや先天性欠損症、免疫系や生殖系の機能不全、病気にかかりやすい体質、神経系の損傷などと関係している。
殺虫剤や、私たちの衣類や家具に使われている化学物質も、ハウスダスト中に含まれている。有害な難燃性剤は、子供のパジャマを含む無数の身近な家庭用品に使われていて、それがホコリに紛れ込む可能性は当然ある。
衣類やパッケージ、絨毯類、家具などに付着したマイクロプラスチックも見つかっている。これらは簡単に吸い込んでしまい、体の中に取り込まれる。特に口に手をやることが多い小さな子どもは心配だ。
ペルフルオロ化合物(PFAS)は、自然界で分解されないため、永遠の化学物質とも言われていて、化粧品や焦げつかないようテフロン加工された鍋など多くの家庭用品に使用されている。これらの化学物質もハウスダストとして存在する。
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3分の2は屋外から入ってくるホコリ 家の中のホコリのおよそ3分の2は、外から入ってきたものだ。
庭の土や道路のホコリが、あなたの靴底にくっついて持ち込まれたり、風の強い日に吹き込んできたりする。戸外のホコリの粒子がペットの毛にくっついて運び込まれたり、車の排ガスが入ってくることもある。
最近の砂嵐は、農地や砂漠地帯の表土を、都市にある私たちの家の中に運んでくる。
山火事が、大気中に微細な粉塵を発生させ、そこに過去の汚染が原因の毒性成分が含まれることもある。
近くに鉱山や工場がある場合、そこから発生する粉塵が、子どもたちを有害物質にさらす結果になることもある。
また、空気が悪く、湿気の多い家は、病気や死の原因になる。
ある種の粉塵は、とくにたちが悪い。珪肺症の粉塵や、家のリフォームなどで発生するアスベストは、その仕事にたずさわっていた人たちを新たな危険にさらす心配がある。
殺菌剤や抗菌剤製品の過度な使用も、抗生物質耐性遺伝物質がはびこる原因に関係していて、ホコリからそれらが検出されることもある。
オーストラリア人のおよそ5人にひとりが、花粉症に悩んでいる。これは、ダニ、花粉、ペットのフケや皮膚の破片など、アレルゲンに関連するホコリが原因で引き起こされる。
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ホコリ対策をとる ハウスダストは生活の一部だ。たとえ家を閉めきっていたとしても、室内の空気中から落ちてきたり、天井付近の装飾や屋根裏の空間、窓やドアの隙間から、いつの間にやらやってくるのだ。
土や煙、繊維、粉砕されたもののどんな粒子も、空気中にあるものはいずれ下へ落ちてくる。
ホコリが家の中に入らないようにするのに、できることはいっぱいある。
ドアマットを活用して靴の泥を落とし、靴は玄関で脱ぐ。泥だらけの子どもやペットは、家の中に入る前によくタオルで拭き、汚れた作業服などは、脱いでから家の中に入るようにする。
家の中に入れても構わない化学物質や、その利用法を賢く選択する。
プラスチック、殺虫剤、防水剤を使うのを減らせば、化学物質がたまるのを防ぐことができる。不必要な抗菌製品も使わない。湿らせた布に洗剤をつけて拭くだけで、ホコリをきれいにすることができる。
定期的に掃除機をかけることも、大きな効果がある。HEPAフィルターなどの微粒子除去フィルターのついた掃除機は、アレルギーの原因となるホコリを取り除くのにかなり効果的だ。
乾いたクロスや羽ぼうきで掃除をするのは、空気中にまたホコリを舞い上がらせてしまう可能性があるため、濡れたクロスを使うほうがいい。
硬い床の表面を濡れモップがけすれば、拭き掃除や掃除機をかけたときに残った細かいホコリを取り除くことができる。
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やはりマメな掃除が一番の対策となるようだ。
References:What is dust? And where does it all come from? / written by konohazuku / edited by parumo
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