
新たな研究によると、古代エジプト人は、これまで考えられていたよりも1000年も早く、高度なミイラ化技術を駆使していたらしいことがわかった。
この驚くべき発見は、古代エジプトの弔いの歴史を書き換えることになるかもしれないという。
4000年以上前にはミイラ化の技術が確立されていた可能性 発端となったのは、高い地位にあった貴族だったと思われるクウィという名のミイラだ。このミイラは、2019年、カイロ近くのファラオや王族が眠る広大な古代墓地から発掘された。
現在、研究者たちは、クウィはこれまで考えられていたよりもずっと古い、エジプトの古王国時代にさかのぼる、最古のミイラのひとつだと考えている。
古王国時代とは、紀元前2700~2200年にわたる時期のことで、"ピラミッド時代"とも言われている。
そしてクウィを詳しく分析した結果、非常に高度なミイラ化技術を使って防腐処理をされていることがわかった。
皮膚は樹液で作られた高価なレジン(樹脂)で保存され、体もたっぷりのレジンで浸され、上質なリネンの包帯にくるまれていたという。
つまり、4000年以上前に生きていた古代エジプト人は、非常に高度な埋葬処理を行っていたということだ。
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Archeologists Discover a Perfectly Preserved 4,000 Year Old Tomb in Egypt想定されていたより1000年前にミイラ化技術が確立されていた「このことは、ミイラ化技術の発展についての私たちの理解をまったく覆してしまいました」カイロ・アメリカン大学のエジプト学者、サリマ・イクラム教授は言う。
たいていは、故人の体内のことよりも外見に注意が向くことがが多いとサリマは言う。
この発見は、ナショナルジオグラフィックの新シリーズ「エジプトの失われた宝」に収録され、11月7日にオンエアが始まった。
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The Potential Origin of Mummification | Lost Treasures of Egypt
このシリーズをプロデュースしたトム・クックによると、高度なミイラ化技術が施されていたため、イクラム博士は最初、クウィが古王国時代にさかのぼるミイラであることを信じられなかったようだと語った。
ミイラ化の過程で、遺体の一部を入れておく陶器や壺も見つかっている。
イクラム博士の研究チームは、そうした遺体の一部もクウィのものであることを確かめるための検査をさらに続ける予定だ。
博士によると、数世紀後にほかの人物がミイラにされ、墓が再利用されて埋葬された可能性もあるという。
「炭素14による年代測定ができるようになるまでは、確実なことは言えません」イクラム博士は、結論が出るのに半年から8ヶ月ほどかかりそうだと言っている。
Top image:photo by iStock /References:Mummy’s older than we thought: new find could rewrite history | Egyptology | The Guardian / written by konohazuku / edited by parumo
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この驚くべき発見は、古代エジプトの弔いの歴史を書き換えることになるかもしれないという。
4000年以上前にはミイラ化の技術が確立されていた可能性 発端となったのは、高い地位にあった貴族だったと思われるクウィという名のミイラだ。このミイラは、2019年、カイロ近くのファラオや王族が眠る広大な古代墓地から発掘された。
現在、研究者たちは、クウィはこれまで考えられていたよりもずっと古い、エジプトの古王国時代にさかのぼる、最古のミイラのひとつだと考えている。
古王国時代とは、紀元前2700~2200年にわたる時期のことで、"ピラミッド時代"とも言われている。
そしてクウィを詳しく分析した結果、非常に高度なミイラ化技術を使って防腐処理をされていることがわかった。
皮膚は樹液で作られた高価なレジン(樹脂)で保存され、体もたっぷりのレジンで浸され、上質なリネンの包帯にくるまれていたという。
つまり、4000年以上前に生きていた古代エジプト人は、非常に高度な埋葬処理を行っていたということだ。
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Archeologists Discover a Perfectly Preserved 4,000 Year Old Tomb in Egypt想定されていたより1000年前にミイラ化技術が確立されていた「このことは、ミイラ化技術の発展についての私たちの理解をまったく覆してしまいました」カイロ・アメリカン大学のエジプト学者、サリマ・イクラム教授は言う。
クウィが、本当に古王国のミイラなら、ミイラ化技術や古王国の歴史に関するすべての本は、書き替えなくてはならなくなるでしょう。イクラム博士は、クウィを保存するために使われたレジンの量に驚いたという。古王国時代のミイラには珍しいことだ。
これまでは、古王国のミイラ化技術は、基本的には乾燥させるだけで、脳を取り除いたりせず、内臓もたまにしか取り除かない、比較的単純なものだと思っていました。でもこの方法は、必ずしも成功するわけではありませんでした
たいていは、故人の体内のことよりも外見に注意が向くことがが多いとサリマは言う。
クウィは、レジンにたっぷり浸されて、布でしっかりくるまれ、これまでのミイラ化技術とはまったく違う印象を受けました。ずっと後の新しい時代に発見されたミイラのようでしたイクラム博士は、使われているレジンは中近東、おそらくレバノンから輸入されたものと思われ、当時の周辺帝国との交易がこれまで考えられていた以上に盛んだった証拠ではないかという。
この発見は、ナショナルジオグラフィックの新シリーズ「エジプトの失われた宝」に収録され、11月7日にオンエアが始まった。
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The Potential Origin of Mummification | Lost Treasures of Egypt
このシリーズをプロデュースしたトム・クックによると、高度なミイラ化技術が施されていたため、イクラム博士は最初、クウィが古王国時代にさかのぼるミイラであることを信じられなかったようだと語った。
墓から出土した陶器が古王国時代のものであることは明らかだったようですが、まさか、ミイラも同時代のものだとは思わなかったのでしょう。それほど保存状態が良かったからです。見事な装飾が施されたクウィの墓には、この埋葬が紀元前25世紀初めから24世紀半ばにかけての第5王朝時代に行われたことを示す象形文字が刻まれていた。
でも、調査を続けていくうちに、かなり昔のミイラであることを博士も認めるようになりました
ミイラ化の過程で、遺体の一部を入れておく陶器や壺も見つかっている。
イクラム博士の研究チームは、そうした遺体の一部もクウィのものであることを確かめるための検査をさらに続ける予定だ。
博士によると、数世紀後にほかの人物がミイラにされ、墓が再利用されて埋葬された可能性もあるという。
「炭素14による年代測定ができるようになるまでは、確実なことは言えません」イクラム博士は、結論が出るのに半年から8ヶ月ほどかかりそうだと言っている。
Top image:photo by iStock /References:Mummy’s older than we thought: new find could rewrite history | Egyptology | The Guardian / written by konohazuku / edited by parumo
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