水が嫌いなはずなのに?猫が水の入った器に前足を付ける理由
 猫は個体差が大きいと言われるが、器に入った水を飲む時には、水面の前で顔を下げ、舌を突き出して少しずつ飲むスタイルが一般的だ。だが中には、前足を水の中に浸し、濡れた脚を舐めるようにして水を飲む猫もいる。


 実は、この動作にはいくつかの理由があったようだ。

猫が前足に水をつけて舐める理由 猫の行動専門家パム・ジョンソン・ベネットさんによると、猫が前足を濡らして水を舐める動機が主に3つあるという。

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Cat drinking water with pawひげの感度に関連 その理由の1つは、ひげの感度だ。

 猫のひげは非常に敏感な触覚で、通常の毛髪よりも深く根付き、神経が隅々まで行き渡っている。

 そのため、水の入ったボウルが小さすぎたり深すぎたりすると、猫が頭を下げて飲み物を飲むときにひげに圧力を感じる可能性がある。

 これは猫にとって不快となり、その不快感を避けるため足をボウルに入れて「感触」を評価し、足をスプーンのように使用してひげを刺激しないように水を飲む方法を取るようだ。

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ボウルの深さ評価に関連 次に、水が入っているボウルの深さとの関連性がある。

 ボウルに入れる水量に一貫性がない場合、猫は足を使って深さを評価することがあるという。

 猫は、頭を下げると環境を視覚化できなくなるため、特に複数の猫がいる家庭では、猫は頭を低く下げてボウルの水を飲む際に脆弱に感じることがあるそうだ。

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ボウルの配置場所に関連 最後に、ボウルをどこに置くかで猫が足を使う頻度がわかると専門家は説いている。

 水の入ったボウルが部屋の壁に近すぎると、猫は水を飲むために部屋に背を向ける必要があり、背後を監視できない。

 そのような場合、猫はより安全さを確保するため、道具として足を使用してボウルの水を飲むこともあるという。


 猫が従来の方法でより快適に飲めるようにするには、水入れを壁に沿って配置しないように工夫して、猫が自分の位置をしっかりと安全確保できるように配慮してやることが大切だ。

 また、猫によっては好みの飲水場所を持っていることがあるため、複数の箇所に水入れを置いてみるのもいいかもしれないと専門家はアドバイスしている。

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A cute siamese cat drinking water with her own paw

 結論としては、猫が不快にならないように、また飼い主が給水を頻繁に補充する必要がないように、猫の水入れを浅くて広いものにして一定の水量を毎日保持することが飼い主には勧められている。

 とは言えみんな違ってみんな猫。蛇口から直接飲むのが好きな個体もいたりするので、なかなか一筋縄にはいかないかもしれない。だがそれがよかったりもするよね。

written by Scarlet / edited by parumo

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